女性
WAW!2022コンセプトノート
「女性の平和・安全保障への参画」
参加者(随時更新)

- 大崎 麻子 関西学院大学客員教授/Gender Action Platform理事(モデレーター)
- カトリーナ・イラン・フォトバット 米国務省グローバル女性問題室シニアオフィシャル
- 東野 篤子 筑波大学教授
- デニ・ムクウェゲ 産婦人科医/人権活動家/2018年ノーベル平和賞受賞者(オンライン)
- 長 有紀枝 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科 委員長・教授
- ジョイス・シテネイ ケニア国際平和支援訓練センター学校長
- 片山 実咲 東京大学大学院修士2年(ラポラトゥール)
現状・課題
国際社会の平和と安全保障への女性の参画とその役割を初めて明記した、国連安保理決議第1325号が採択されて20年以上が経過しました。アフリカや中東の複数の国々では、内戦や政治的に極めて不安定な状況が続いています。
新型コロナの感染拡大により、一部の紛争影響国や脆弱国では、暴力を受けても外出制限により訴える手段を失う等、女性たちの置かれた立場が一層深刻なものとなったとされています(注1)。ウクライナでは、女性や子どもを含めた民間人が大きく被害を受け、ロシアによる侵略により、女性に対する性的暴力も報じられています。避難民の9割は女性と子どもであり(注2)、彼らを標的とした人身売買等の危険にも対処が必要です。アフガニスタンでも、イスラム原理主義組織のタリバーンが首都カブールを制圧し、2001年以降の20年で着実に回復してきたアフガン人女性たちの権利は著しく減退しています。女性たちは職を追われ、政治に参加できず、ヒジャブ着用を再び義務付けられ、女子教育はいまだに完全には再開されていません(注3)。
こうした中で、女性たちは非力な存在なだけなのでしょうか。国連安保理決議第1325号では、女性は被害者という受け身の立場だけでなく、紛争解決・予防、平和維持、平和構築の積極的主体であると記しています(注4)。女性の人権を守るためにも、平和な社会を作るためにも、政策や全ての取組において、女性の参画を進めていくことが必要です。
もう1つの留意すべき点は、紛争下で性的暴力を受けた人たちへの対応です。被害者が社会から疎外されたり、孤立したりしないよう、むしろ、経済的に自立した社会の一員として貢献できるようになるよう、支えていくことが重要です。
国際女性会議WAW!2022では、上記のような背景を踏まえ、「平和の担い手としての女性や若者」を増やし、支えていく、あるいは、自分自身がその担い手となっていくにはどうすべきかを考える機会としたいと思います。
女性の平和・安全保障への参画を巡る現状と課題については、こちら(PDF)も参照ください。
論点
- 新型コロナの感染拡大、アフガニスタンにおけるタリバーン台頭及びウクライナ侵略等によって、紛争影響国の女性たちはどのような影響を受けたか。国際社会全体として、今なすべきことは何か。
- 平和・安全保障への女性の参画(女性・平和・安全保障(WPS))を推進するため、日本政府、国際社会、国連機関やNGOなど支援団体は、これまでにどのような取組を行ってきたか、その好事例は何か。
- 国連安保理決議第1325号や第2250号の中核にある「平和の担い手としての女性や若者」を増やし、支えていく、あるいは、自分自身がその担い手となっていくために、政府、国際機関、NGO、市民社会、個人はどう行動すべきか。
- (注1)Office of the special representative of the secretary-general on sexual violence in conflict, "Conflict-Related Sexual Violence –Report of the United Nations Secretary-General"
(英語)
- (注2)UN Women and Care International, “Rapid Gender Analysis of Ukraine”
p.10(英語)
- (注3)UN Women, “Press briefing: The situation of women and girls in Afghanistan”
(英語)
- (注4)United Nations, “S/RES/1325. Security Council Resolution on women and peace and security”
(英語)