女性

「意思決定プロセスへの女性の参画」

令和4年12月5日

参加者(随時更新)

分科会5:意思決定プロセスへの女性の参画
  • アキレス 美知子 SAPジャパン特別顧問/三井住友信託銀行取締役 (モデレーター)
  • ファーティマ・ギラーニー 元アフガニスタン赤新月社総裁/アフガニスタン未来思考フォーラム議長
  • 柄澤 康喜 MS&AD インシュアランスグループホールディングス株式会社 取締役会長
  • 川本 裕子 人事院総裁
  • 小林 知代 ワシントン・コアL.L.C 代表取締役
  • マリヤ・ペイチノビッチ・ブリッチ 欧州評議会事務局長
  • 櫻井 彩乃 #男女共同参画ってなんですか代表/GENCOURAGE代表(ラポラトゥール)
  • 山田 賢司 外務副大臣(リソースパーソン)

現状・課題

 国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標5(ジェンダー平等)では、「あらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保(注1)」することが目指されています。
 日本においては、依然、多くの意思決定の場面で女性が圧倒的少数派です。2022年7月の参議院議員選挙では、当選者に占める女性の数が過去最多の35人となり、参議院の女性議員比率は25.8%となりましたが、衆議院の女性議員比率は9.9%で、世界190カ国中166位(衆議院及び参議院の女性議員比率は2022年9月現在、その他の国は2021年1月現在)(注2)に留まっています。また、地方議会における女性議員の割合は、都市部で高く郡部で低い傾向にあり、女性が1人もいない地方議会が市議会で24、町村議会で251存在します(2021年12月現在)(注3)。さらに、主要先進国で概ね30%以上となっている、管理的職業従事者に占める女性の割合も、13.2%となっています。
 指導的立場への女性参画が進まない背景については複合的な要因が考えられます。適切なワークライフバランス維持の困難さ、人材育成の機会不足、女性特有の健康課題による就労継続の困難さ、キャリアパスの不透明性やロールモデルの不在等が、共通の課題として挙げられます。また固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)も、各国に共通した障壁の一つと考えられています。ワークライフバランスに関しては、日本においては、長時間労働の問題も指摘されています。つまりは、女性参画の実現は性差別の撤廃と深く関わっています。
 世界銀行の試算では、ジェンダー不平等に起因する損失は、世界のGDPの2倍である約160兆ドルにも上るとされています。また、日本では、月経痛や月経前症候群、更年期等、女性の健康課題に起因する労働損失は年間4,911億円にも上る一方で、女性の経済参画を男性と同等レベルに拡大することで、GDPは10年で26%(28兆ドル)増加し、経営層においてジェンダー平等と多様性を推進した企業は、推進しなかった企業と比較して10~15%成長率が高かったというデータも出ています(注4)。さらに、日本では、地方から都市部に流入する10~20代女性の割合が同年代男性の割合より高い状態が続いており(注5)、地方の更なる少子高齢化や過疎化を招く要因となっていると問題視されています。
 国際女性会議WAW!2022では、誰もが生きやすい社会の実現に加え、新しい資本主義の実現に向けて中核的な戦略である「意思決定プロセスにおける女性の参画」をどのように加速していくかについて具体的に議論していきます。
 意思決定プロセスへの女性の参画を巡る現状と課題については、こちら(PDF)別ウィンドウで開くも御参照ください。

論点

  • あらゆる意思決定プロセスにおける多様性の必要性を社会に浸透させ、意識変革を起こすにはどのような方策が考えられるか。
  • 性別役割分担意識の解消や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の改善について、世代ごとにどのような訴求方法が効果的か。次世代を担う若者たちに対してどのような教育をしていくべきか。
  • 政治・経済分野への女性参画を進める方策には何があるか。諸外国において政治・経済分野における女性比率の向上のために採用されている制度・施策にはどのようなものがあり、どのような成果が得られているか。また、導入にあたっての障壁にはどのようなものがあり、それらはどのように乗り越えられるか。政治・経済・行政・司法等それぞれの分野でどのような好事例があるか。また、導入済みの国における課題としてはどのようなものがあるか。

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