欧州
安倍昭恵総理夫人の欧州訪問(概要)
平成26年4月29日~5月8日まで,安倍総理夫人は安倍総理とともに欧州6ヶ国を訪問しました。各国ごとの概要は以下のとおりです。安倍総理夫人は,教育,福祉,芸術,医療,農業等の分野において,現地で活躍する女性,有識者,学生,子供等幅広い人々と交流しました。訪問先では,女性が輝く社会の実現,少子高齢化の問題,社会福祉,教育等について意見交換を行ったほか,訪問各国と日本との間の未来の「架け橋」の育成と友好関係の進展への期待を伝えるなど,活発かつ多彩な活動を行いました。
【訪問先等一覧】- 1 ドイツ(4月29日~30日)
- (1)日本学関係者等との懇談(29日)
- (2)トロイエンブリーツェン市庁舎訪問(30日)
- (3)フェルトハイム村視察
- (4)馬セラピーセンター・ベルリン視察
- 2 英国(4月30~5月2日)
- (1)ボウスフィールド小学校視察(5月1日)
- (2)シェリー・ブレア元首相夫人との懇談
- (3)ロンドン日本人学校訪問及び「昭恵文庫(注)」寄贈
- (4)テレンス・ヒギンズ財団(HIV/AIDS関連施設)視察
- 3 ポルトガル(5月2日~4日)
- (1)サンタ・カーザ・ダ・ミゼリコルディア訪問(2日)
- (2)プリンシペジーニョ(託児所)訪問
- (3)リスボン大学文学部訪問,学生との交流及び「昭恵文庫」寄贈
- (4)JAPAN NET会員との懇談
- (5)ポルトガル人女性との懇談(3日)
- 4 スペイン(5月4日)
- ラホイ首相夫人との懇談
- 5 フランス(5月4~6日)
- (1)山下農園視察・懇談(5日)
- (2)「シラク財団」会長代行(シラク元大統領令嬢)との懇談
- (3)ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ高等学校訪問及び「昭恵文庫」寄贈
- (4)パリ市内保育園視察
- (5)「ハッピー・ファミリーズ」(民間育児支援施設)視察
- (6)アニエス・シュヴァイツァー日仏パートナーシップ外相特別代表夫人との会談
- (7)聖フランシスコ・ザビエル教会視察・献花(6日)
- (8)JETAA(JETプログラム同窓会)関係者との懇談
- 6 ベルギー(5月6~7日)
- (1)ベルギー王立美術館視察(6日)
- (2)ブラッセル日本人学校訪問及び「昭恵文庫」寄贈(7日)
- (3)王立音楽院訪問
- (4)ファン=ロンパイ欧州理事会議長夫人との懇談
- (5)ブルージュ視察
1 ドイツ(4月29日~30日)


(1)日本学関係者との懇談
安倍総理夫人は,ベルリン市内レストランにおいて,日独間の大学間交流に尽力しているベルリン及び近郊にある大学の日本学関係者等との懇談を行いました。
ドイツと日本の間には150年を超える友好関係があります(注)。懇談においては,主にベルリン及び旧東ドイツ地域における日本学の現状,森鷗外の生涯を含む日独交流の歴史,社会福祉をはじめとする両国の大学間交流,今後の課題等幅広い分野で,忌憚のない意見交換が行われました。また,ベルリン・フンボルト大学の付属施設である森鷗外記念館の果たす役割や,本年が同記念館設立30周年にあたることから秋に記念行事が予定されていること等に話が及びました。
安倍総理夫人からは,日独間の友好関係の末永い発展のためには,ドイツの若い世代の人たちが日本に関心を持ち,両国の架け橋として活躍したいという意欲を持つことが大切である旨述べ,日頃から日本学の指導や日独大学交流に尽力している参加者に対し感謝と期待を伝えました。また,参加者からも,今後もドイツにおける日本学の発展,大学間交流の更なる推進に尽力していきたい旨の発言がありました。
(注)1861年1月に日本とプロイセン(当時)の間で修好通商条約が締結され,2011年には日独交流150年を記念して,日本とドイツで様々な記念行事が行われました。
(2)トロイエンブリーツェン市庁舎訪問
トロイエンブリーツェン市はベルリンの南西60キロメートルほどにある人口6千人程度の町です。同市内にあるフェルトハイム村では,2010年以降,再生可能エネルギーによるほぼ100%のエネルギー自給自足に成功しており,「自然エネルギーを自給自足する地域コミュニティ」として注目を浴びています。
安倍総理夫人は,フェルトハイム村を管轄するトロイエンブリーツェン市市庁舎を訪問し,グローネマイヤー市長代理の出迎えを受けた後,フェルトハイム村の再生可能エネルギー施設を運営するエネルギークヴェレ社の担当より,フェルトハイム村における再生可能エネルギープロジェクトの設立経緯,現状と課題等について概要説明を受けました。
(3)フェルトハイム村視察
安倍総理夫人は,フェルトハイム村の再生可能エネルギープロジェクトを管理・運営する「新エネルギーフォーラム・フェルトハイム」社責任者の案内により,バイオマス施設を中心に同村を視察しました。視察の中でフェルトハイム村民宅を訪問し,実際の生活,村の将来の展望や今後の課題等について意見交換を行いました。
(4)馬セラピーセンター・ベルリン視察
安倍総理夫人は,馬セラピーセンター・ベルリンを視察しました。馬セラピーセンターでは,センター長からドイツにおける馬セラピーの現状と課題,馬セラピーセンター・ベルリンの設立経緯等について説明を受けました。また,安倍総理夫人は,センター内を視察し,障害を持つ児童に対するセラピーの現状等につき,意見交換を行った後,身体的障害を持つ女児の馬セラピーの現場及び青年のセラピーを視察しました。
2 英国(4月30日~5月2日)
(1)ボウスフィールド小学校視察(5月1日)

安倍総理夫人はロンドン市内にあるボウスフィールド小学校(公立)を訪問しました。英国では,自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害のある子どもを含め,特別な教育的ニーズのある子どもに対して,個々のニーズに応じて個別に指導助手が支援するなどの対応をしています。
安倍総理夫人は,2年生のクラスを訪問し,発達障害のある子どもが指導助手の支援を受けながら他の子どもと一緒に学ぶ様子を参観しました。その後,特別な教育的ニーズのある子どもへの支援について学校全体の調整を担当する副校長先生及び担任の先生と懇談し,発達障害などを持つ児童の教育について意見交換を行いました。
(2)シェリー・ブレア元首相夫人との懇談

安倍総理夫人は,シェリー・ブレア元首相夫人と昼食を共にしました。何度か面識のあるブレア夫人との会談は終始和やかに行われ,ブレア夫人が主導的な役割を担い,安倍総理夫人も後援者の一人であるバングラデシュのアジア女子大学や,最近の日英の女性の社会進出などについて幅広い意見交換を行いました。
(3)ロンドン日本人学校訪問及び「昭恵文庫」寄贈


安倍総理夫人はロンドン日本人学校を訪問し,同校中学生の英語の授業を参観した後,自身の著書を含む「昭恵文庫」を同校図書館へ寄贈しました。また,図書館において小学2年生の児童たちに絵本を読んで聞かせ,子どもたちは熱心に聞いて楽しんでいました。安倍総理夫人は,子どもたちと絵本の感想等について楽しく語り合い,子どもたちに見送られて同校を後にしました。
(4)テレンス・ヒギンズ財団(HIV/AIDS関連施設)視察

テレンス・ヒギンズ財団は,英国最大規模のHIV・エイズ関係のチャリティ団体で,早期診断のためのHIV検査,各種福祉給付についての相談対応,感染予防キャンペーンなどを英国全土で展開しています。安倍総理夫人は,同財団を訪問し,同財団の提供する就労支援サービスを受けて就職した5名の方と懇談し,HIV陽性者の就労問題について話し合いました。また,同財団が運営するHIV陽性者同士による相談や情報交換のためのウェブ・コミュニティについて説明を受けました。HIV/AIDS対策が世界全体の課題であり,失業や貧困の問題への取組,感染予防やHIV陽性者に対する差別防止のための啓発活動等が重要であることを改めて認識するとともに,引き続きこの問題に取り組んでいきたい旨伝えました。
3 ポルトガル(5月2日~4日)


(1)サンタ・カーザ・ダ・ミゼリコルディア訪問(5月2日)

サンタ・カーザ・ダ・ミゼリコルディアは,ポルトガルにおいて500年以上の歴史を持つ,社会的弱者を支援する最も古い社会福祉施設で,ポルトガル国民から敬愛される存在です。安倍総理夫人は,同施設を訪問し,サンタナ・ロペス会長(元首相)の出迎えを受けました。同会長からは,サンタ・カーザ・ダ・ミゼリコルディアが単に社会福祉活動にとどまらず,社会福祉活動に携わる人材の育成や文化活動にも力を入れており,社会福祉活動の輪を広げ「人」の存在そのものを大事にする活動を行っているとの発言がありました。これに対し,安倍総理夫人からは,日本の総理として初となる今回のポルトガル訪問が,日本とポルトガルの友好関係の増進につながることを心から期待している旨伝えました。
また,同施設に属するサン・ロケ教会は,16世紀後半に天正少年使節の少年たちが宿泊したと言われています。安倍総理夫人は,同教会では,フランシスコ・ザビエルの生涯を描いた絵画を,また,サン・ロケ博物館では桃山時代の日本の文物を見学し,時代を越えて脈々と続くポルトガルと日本の深い歴史的つながりについて説明を受けました。
(2)プリンシペジーニョ(託児所)視察
安倍総理夫人はサンタ・カーザ・ダ・ミゼリコルディアの運営する託児所の一つであるプリンシペジーニョを訪問し,小さな子供たちとの触れあいの時を過ごしました。この託児所には,ポルトガルのみでなく,アンゴラ,カーボ・ヴェルデ,ナイジェリア等,異なる国籍,文化,背景を持つ約60名の子供たちが,共に時を過ごしています。託児所の名前である「プリンシペジーニョ」というのは「星の王子様」という意味です。安倍総理夫人は,子供たちが,個々の個性を大切にすると同時に,互いに尊重し合いながら,健やかに育ってくれることを願い,子どもたちに積み木や独楽などの日本の伝統的なおもちゃをプレゼントし,一緒に遊びながら楽しく交流しました。これに対し,子どもたちからは心を込めて描いた絵と花束が安倍総理夫人にプレゼントされました。
(3)リスボン大学文学部訪問,学生との交流及び「昭恵文庫」寄贈


- ア 学生との交流
安倍総理夫人は約100名の学生が日本語を学んでいるリスボン大学文学部を訪問し,文学部長の案内を受けながら,アジア研究コースで日本語を学ぶ学生たちと交流しました。安倍総理夫人は,学生たちから温かい歓迎を受けた後,日本語を学ぶ動機,きっかけや日本とポルトガルの交流の夢について語る学生たちの言葉に熱心に耳を傾けました。 - イ 「昭恵文庫」の寄贈
安倍総理夫人からは,学生たちに日本を更に深く知ってもらい,今回の交流を契機に,日本語学習者が増え,日本研究や日本とポルトガルとの学術交流が一層盛んになるようにとの願いを込めて,大学に「昭恵文庫」として図書が寄贈されました。これに対して,リスボン大学文学部長,図書館長よりお礼の言葉が述べられました。また,学生代表からは,「昭恵文庫」利用者の中から,将来夢をかなえて日本で勉強したり,働いたりする学生が何人も出てくることを願っているとの発言がありました。学生たちは,日本とポルトガルを結ぶ絆である海をテーマとし,ポルトガルで最も著名な詩人の一人であるフェルナンド・ペソーアの「ポルトガルの海」という詩の一節をポルトガルと日本語の両方で披露しました。
(4)Japan NET会員との懇談

安倍総理夫人は,ポルトガル日本友好協会会長や折り紙専門家など,Japan NET会員との夕食会を主催しました。Japan NETとは,親日家の多いポルトガルにおいて存在する各種日本関連団体・個人が一同に会し,情報交換,協力をする場として設立されたもので,今では50団体が参加し,日本文化普及に大きく貢献しています。
安倍総理夫人は,Japan NET参加者の日頃からの活動に謝意を表し,二国間の絆がさらに強まることを心から願っている旨述べました。懇談の中では,Japan NETの参加者から交流にまつわる活動内容や作品が披露され,安倍総理夫人からは謝意を表明しつつ,日本のことをこれほど深く思ってくださっているポルトガルの方々がいることを日本に帰ってから伝えていきたい旨述べ,和やかな交流の場となりました。
(5)ポルトガル人女性との懇談(5月3日)
安倍総理夫人は,シントラ,ジェロニモス修道院,ロカ岬,エヴォラを視察し,ポルトガルのすばらしい自然や歴史文化を堪能した後,ポルトガルで活躍しているポルトガル人女性との夕食会を主催しました。日本と同じく少子高齢化社会に直面しているポルトガルでは,女性の社会進出を積極的に進めています。安倍総理夫人は,ポルトガルのビジネス,社会福祉等の分野で活躍している女性から,現場の生の声を聞き,日本における女性の社会進出について考えるヒントとしたい旨述べました。また,日本との関わりの深い参加者も多かったことから,ポルトガルと日本の友好関係の更なる緊密化のためのアイデアについても活発に意見交換が行われました。
4 スペイン(5月4日)


ラホイ首相夫人との懇談
安倍総理夫人はラホイ首相夫人,アナ・パストール公共事業大臣及びピラール・ロホ・ガリシア州議会議長と昼食を共にしました。会談は終始和やかに行われ,最近の日西の女性の社会進出,両国共通の課題である高齢化と介護の問題等について意見交換を行いました。また,昼食会に同席したピアニストの川上ミネ氏の作曲した日西交流400周年のテーマ曲や,両国の400年の交流を祝う各種事業にも話が及び,安倍総理夫人からは両国の交流が一層活発になることを期待する旨述べました。
5 フランス(5月4日~6日)


(1)山下農園視察・懇談(5月5日)
安倍総理夫人はパリ郊外にある山下農園を視察しました。山下農園は,日本野菜の無農薬栽培にこだわり,丹精込めて小規模生産している山下朝史氏が一代で築き挙げた農園であり,「奇跡のかぶ」をはじめ,その既成概念を打ち破る野菜の味わいはフランスの名だたる星付きフレンチ・レストランのシェフたちから熱烈に支持されています。涼やかな農園の丘で,自ら「昭恵米」を生産している安倍総理夫人は,山下氏から,日仏における新しい農業分野での協力の可能性やフランスの土俵で本物の日本野菜の魅力を発信する同氏の経験について説明を受け,ちょうど旬を迎えた「奇跡のかぶ」を実際に収穫し,試食しました。
この「奇跡のかぶ」は同日日本大使公邸で開催された和食紹介レセプションで安倍総理夫妻によりオランド大統領にも紹介されました。
(2)「シラク財団」会長代行との懇談

安倍総理夫人は,高校生職業実習のためのレストラン「オートゥイユ・ボン・レストラン」において,クロード・シラク「シラク財団」会長代行(シラク元大統領令嬢),ヴァレリー・テラノヴァ同財団事務局長とともに,障害など様々な困難を抱えながら社会に適応できるよう職業訓練に励む高校生たちに励ましの言葉をかけ,自由な雰囲気の中で,意見交換を行いました。また,「端午の節句」にちなみ,彼らの健やかな成長,素晴らしい青年としての社会への巣立ちを願い,ガラス製の五月飾りを贈りました。
また,同レストラン内でクロード・シラク会長代行及びヴァレリー・テラノヴァ事務局長(日本におけるフランス年(1996年―2000年)の事務局長)とともに昼食を挟みながら,意見交換を行いました。シラク女史からは,シラク元大統領による創設後,アフリカに対する保健・医療支援,紛争予防等に取り組んできている「シラク財団」の現在の活動内容につき説明しつつ,アフリカの母子の幸せな未来や女性の輝ける社会を築いていくために共に活動していきたいとの希望が表明されました。
(3)ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ高等学校訪問及び「昭恵文庫」寄贈


安倍総理夫人は日本語教育を行う中等教育機関としては最大のジャン・ド・ラ・フォンテーヌ高等学校を訪問しました。カイヤット校長の案内で校長室前の待合室に大切に展示されている,1994年の天皇皇后両陛下御訪問時に下賜された雛人形を観覧した後,同校の図書館を訪れました。図書館では,生徒代表がしっかりした日本語で歓迎の言葉を述べ,さらに日頃の練習の成果である「俳句」の作品を発表すると,安倍総理夫人は一人一人と握手し,励ましの言葉をかける等,温かい交流の場となりました。安倍総理夫人より,端午の節句に因み子供の健やかな成長を願う「五月飾り」を贈ることが発表されると,生徒達からお礼の言葉が述べられました。また,安倍総理夫人は日本の建築,芸術,絵画を中心に選んだ書籍を「昭恵文庫」として図書館に寄贈し,同書籍を通じて日本語とともに日本文化に親しみながら日本とフランスの架け橋となる立派な青年に育ってほしいとの願いを伝えました。贈られた「五月飾り」と「昭恵文庫」に対し,校長からも同校の新しい宝物として大切にしていきたいと深い謝意が述べられました。
また「昭恵文庫」は,パリ日本人学校にも寄贈されました。
(4)パリ市内保育園視察

安倍総理夫人は,パリの中でもアフリカ,中東からの移民が多く居住する11区にある保育園を視察しました。同保育園施設長の案内で保育園内を視察した後,安倍総理夫人は子供達の輪の中に入り,同保育園への贈呈品として持参した日本製の木製のおもちゃで一緒に遊びながら,子供達と交流の時間を過ごしました。また,子供達を迎えに来た様々な出身国の保護者との間で懇談の輪が広がり,移民の多い地区での保育園の役割や母親支援のあり方,それぞれの母親の事情などについて率直で活発な意見交換を行いました。
(5)「ハッピー・ファミリーズ」(民間育児支援施設)視察

安倍総理夫人はパリ4区にある民間の育児支援施設「ハッピー・ファミリーズ」を視察しました。同施設は子供を育てる両親や家族も幸せに,楽しく育児ができるようにとの新しいコンセプトで作られており,睡眠不足に悩まされる母親が子供を預けて安心して睡眠をとることができるスペース,なかなか行くことのできないスパやヘアサロン,ヨガ教室,さらにカフェ・サロンを併設した新しい施設です。同施設は,保護者の子育ての苦労を軽減するとともに,保護者同士の自然な交流の場をも提供しています。安倍総理夫人は,働く女性のキャリア・コンサルティング企業代表でもある同施設のガランス・イヴェルノー女史と弟のバスティアン・イヴェルノー氏から,女性が輝く社会の実現を目指す上で克服すべき課題を中心に,有意義な意見交換を行いました。また,同施設を利用しに訪れたフランス人の母親3名を交え,フランスにおける子育ての優れた側面やこれからの課題等について率直な意見交換を行いました。
(6)アニエス・シュヴァイツァー日仏パートナーシップ外相特別代表夫人との会談

安倍総理夫人は宿舎内レストランで,日仏パートナーシップ外相特別代表夫人であり,医学関係専門の弁護士としても活躍しているシュヴァイツァー夫人と会談しました。日仏経済・文化交流の立役者であるシュヴァイツァー氏を夫に持ちながら,パリ・オペラ付属の非営利団体「Association pour le Rayonnement de l'Opera de Paris」の事務局長,さらに,女性の職場復帰,起業支援等を行う団体「Force Femmes」の事務局長も兼任するシュヴァイツァー夫人からは,フランスの女性支援制度の歴史や概要について説明があり,有意義な意見交換が行われました。
(7)聖フランシスコ・ザビエル教会視察・献花(6日)
安倍総理夫人は,パリ7区にある聖フランシスコ・ザビエル教会を訪れ,同教会に眠る聖マグダレナ・ソフィア・バラの棺に献花を行いました。同女史は聖心会の創立者として,世界における女性教育に大きな影響を与えた先駆者の一人です。また,パイプオルガン演奏の中,同教会の神父の案内により教会内や「最後の晩餐」の画などを視察しました。
(8)JETAA(JETプログラム同窓会)関係者との懇談

安倍総理夫人はフランス訪問中の最後の行事として,フランス各界で活躍するJETプログラム経験者9名との意見交換を行いました。JETAAは,過去約25年間(1989年以来)で,延べ258名ものJETプログラム参加者を輩出し,日仏文化交流に貢献しています。当日集まったJETAA関係者はアジア食品輸入会社「FOODEX」管理局長であるシューキット元JETAA会長をはじめ,日仏通訳,JR東日本パリ事務所,ウェブ制作会社等,様々な分野で活躍しています。日本での経験を生かしながら様々な業界で活躍している各メンバーの近況を聞きながら,安倍総理夫人は一人一人に言葉をかけるなど,温かい交流の場となりました。JETAAの活動状況,日仏の女性の社会進出などについて意見交換を行い,最後に,安倍総理夫人からJETAAメンバーに対して,日本とフランスの架け橋としてさらなる活躍をしてほしいとの期待が表明されました。
6 ベルギー(5月6日~7日)


(1)ベルギー王立美術館訪問(6日)
安倍総理夫人は,ブリュッセル市内の王立美術館を訪問し,日本人初の王立美術館公認解説者である森耕治氏の案内で美術館を見学しました。美術館では,ルーベンス,ブリューゲル等,ベルギーが誇るフランドル絵画を中心とした作品を鑑賞しました。安倍総理夫人は,古典美術に精通した美術史家である森氏に対し,日ベルギー二国間の芸術・文化交流分野で引き続き活躍してほしい旨述べました。
(2)ブラッセル日本人学校訪問及び「昭恵文庫」寄贈(7日)

安倍総理夫人は,ブラッセル日本人学校を訪問しました。安倍総理夫人は小旗を振る児童生徒らの出迎えを受けた後,学校関係者と懇談し,その後小学生の授業を参観しました。小学2年生の教室では,現地校児童との交流プログラムが行われており,鯉のぼりや兜を一緒に製作している日本人児童と地元の児童とも交流しました。引き続き行われた歓迎・図書贈呈式典では,「昭恵文庫」として図書を贈呈しました。式典での挨拶では,児童・生徒たちに対し,様々な国の人々と交流を深め,ここでの経験を生かして立派な大人に成長することを願っている旨を伝えました。
(3)王立音楽院訪問
安倍総理夫人は,王立音楽院を訪問しました。学長他による出迎えを受けた後,学長,王立音楽院客員教授であるバイオリニスト・堀米ゆず子氏他との懇談を行いました。その後,日本人留学生4名によるバイオリンの演奏と王立音楽院関係者もボランティアとして関与してきている東日本大震災支援のための震災復興コンサートのビデオ映像を鑑賞しました。引き続き,日本人留学生,日本人講師,震災復興コンサート関係者と懇談を行い,日本人留学生に対して,人に感動を与えるような素晴らしい芸術家になられることを願っている旨伝えました。
(4)ファン=ロンパイ欧州理事会議長夫人との懇談

安倍総理夫人は,EU理事会庁舎において開催されたヘールトライ・ファン=ロンパイ欧州理事会議長夫人主催の昼食会に出席しました。両夫人は,女性の社会進出や文化交流等に関して意見交換を行いました。安倍総理夫人は,ファン=ロンパイ夫人からの質問を受け,茶道の概要等について説明しました。ファン=ロンパイ夫人は,2010年に初めて訪日した際のアルバムを持参して写真を示しながら日本での思い出を語るなど,両夫人の会話は終始和やかな雰囲気の中で行われました。
(5)ブルージュ視察
- ブルージュ市庁舎
- ベギナージュ
安倍総理夫人は,ベルギーの古都ブルージュを訪問しました。市庁舎でフィリップ・ピエーリンス副市長の出迎えを受け,歴史や産業などの解説を受けながら,市庁舎内及びブルージュ市内を視察しました。また,ベルギーのフランダース地方に残り世界遺産となっている「ベギナージュ(ベギン会修道院)」を視察しました。ベギナージュは,かつて敬虔な生活を送りつつ,自身で生計を立て,自立的な生活を営んだ女性たちの共同生活の場であったところで,現在はベネディクト派の修道女たちの祈りと生活の場所になっており,ベルギーの女性の歴史や生活について説明を受けました。
(注)昭恵文庫
安倍昭恵総理夫人は,訪問国における日本語学習や日本文化の更なる普及や交流の促進に役立つようにとの願いから,関連団体の協力を得て,海外訪問先の日本人学校や日本語,日本文化のプログラムを実施する学校や大学に日本関連書籍や日本語教材を寄贈しています。