安倍総理大臣

平成26年3月24日
オランダのルッテ首相と握手する安倍総理大臣 (写真提供:内閣広報室)
日・オランダ首脳会談 (写真提供:内閣広報室)

 23日(日)19時より約50分間,核セキュリティ・サミット出席のために,オランダ訪問中の安倍総理は,ルッテ・オランダ首相と日オランダ会談を実施したところ,概要以下のとおり。

1. 冒頭発言

(1)冒頭,ルッテ首相より,安倍総理の訪問を歓迎するとともに,日蘭関係の更なる発展についてこの機会に議論したいと述べた。これに対し,安倍総理は,核セキュリティ・サミットに向けたルッテ首相のリーダーシップを高く評価するとともに,サミットの成功に日本としても最大限協力をしたい,日本は,唯一の戦争被爆国として軍縮・不拡散分野を重視しており,NPDI,またIAEA等でもオランダと協力していきたいと述べた。
(2)安倍総理とルッテ首相は,両国は共に海洋国家であり,法の支配等の基本的価値を共有する戦略的パートナーとして協力していきたいと考えている旨を確認し合った。
(3)ルッテ首相より,アベノミクスについて,経済にダイナミズムを与えるものとして注目している,そうしたことが日蘭の相互の関係もダイナミックになることに繋がっていくよう期待している旨述べた。
(4)ルッテ首相より,日蘭関係は400年の歴史があり,150年の外交関係があり,これから更に日蘭関係が深化していくことを期待している旨の発言があった。

2.安全保障

 安倍総理より,国際法分野で世界をリードするオランダから,「法の支配」を基盤とする「積極的平和主義」への理解と支持を頂きたいと述べたところ,ルッテ首相より,日本の国際社会での積極的な取組に深い理解が示された。

3.二国間関係

(1)安倍総理より,ウィレム・アレキサンダー国王同妃両陛下の早期訪日を期待する旨表明した。
(2)安倍総理より,過去に真摯に向き合いつつ,未来志向の外交を進めることを重視しており,「日蘭平和交流事業」の下で元戦争被害者等の心の和解と,相互理解を継続したい旨発言したところ,ルッテ首相から日本の取組を高く評価する旨発言があった。
(3)安倍総理とルッテ首相は,日蘭間で更なる経済関係拡大の潜在力があること,日EU・EPAの早期締結の重要性について確認した。
(4)安倍総理より,日本の,「攻めの農林水産業」を掲げた農政改革について説明し,オランダは,ITを活用した高付加価値の施設園芸により,農産物輸出額が世界第2位であると指摘し,自分もグリーンポートを視察する予定であり,オランダの知見に学びたい旨述べた。
(5)ルッテ首相より,両国間の関係の経済面での協力分野として,(ア)園芸分野,(イ)スマートシティ・風力等のエネルギーIT分野,(ウ)両国とも高齢化に直面しており,今後は高齢化対策はある意味で新しい産業のチャンスであり,そういった分野での協力を進めていきたい旨述べた。
(6)安倍総理より,本年秋に日本で開催予定の「女性が輝く社会」に向けた国際シンポジウムへの貢献を依頼したところ,ルッテ首相より,オランダとしても協力していきたい旨の発言があった。

4.地域情勢

(1)ウクライナ情勢

 安倍総理より,ロシアによるクリミアの併合は明らかな国際法違反であり,日本としてもこれを非難しており「力を背景とする現状変更」は決して容認できないこと,また今回の事態は一地域の問題ではなくグローバルな問題であること,日本としても相応のウクライナに対する支援を表明する予定であることを述べた。これに対して,ルッテ首相より,安倍総理の考えには全く同感であり,事態がこれ以上拡大・悪化させないようにすることが重要である旨の説明があった。

(2)東アジア情勢

 安倍総理より,東アジア情勢につき述べたところ,ルッテ首相より,北朝鮮の問題は大変深刻であり日本の立場をよく理解している,日米韓の対話がこの核セキュリティ・サミットの機会に行われると聞いているが,大変歓迎するところであり,日本・中国,あるいは日本・韓国の対話がより一層進むことが重要である旨の発言があった。



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