リトアニア共和国
茂木外務大臣のリトアニア訪問
令和3年7月3日


リトアニアを訪問中の茂木敏充外務大臣は、現地時間7月3日午前10時30分(日本時間3日午後4時30分)から2時間30分間、ガブリエリウス・ランズベルギス・リトアニア共和国外務大臣(H.E. Mr. Gabrielius LANDSBERGIS, Minister of Foreign Affairs of the Republic ofLithuania)との間で外相会談を行いました。
その後、同日午後13時(日本時間午後7時)から30分間、イングリダ・シモニーテ・リトアニア共和国首相(H.E. Ms. Ingrida SIMONYTE, Prime Minister of the Republic of Lithuania)を表敬しました。
一連の会談及び表敬の概要は以下のとおりです。
- 茂木大臣から、日本は、杉原千畝氏の「命のビザ」を始めとする歴史的絆と、基本的価値を共有するリトアニアとの関係を重視しており、昨年は「命のビザ」発給80周年、来年は「友好100周年」というタイミングで、日本の外務大臣の15年ぶりのリトアニア訪問を実現でき嬉しい旨述べました。これに対し、リトアニア側から、茂木大臣の初訪問に歓迎の意を表し、経済関係を始め更なる二国間関係発展への期待を述べました。双方は、今次訪問及び来年の友好100周年を機に、政治、経済、文化など幅広い協力関係を一層進展させることで一致しました。
- 茂木大臣は、リトアニアが「日本との戦略的パートナーシップに向けたロードマップ」を策定したことを歓迎し、リトアニアのインド太平洋地域におけるEUや日米を始めとする同志国の結束を重視する姿勢と、日本との関係強化に対する意欲を高く評価する旨述べました。リトアニア側から、インド太平洋地域の同志国の中で日本は最も重要なプレーヤーであり、日本との戦略的パートナーシップを構築していきたい旨述べました。また、茂木大臣からEUによる日本産食品の輸入規制について、撤廃に向けた協力を要請しました。
- 双方は、再生可能エネルギーや医療分野等における協力を強化していくことで一致しました。また、茂木大臣から、欧州大陸電力ネットワークへの接続事業などリトアニアを含むバルト三国の広域インフラ事業に、高い技術力を持つ日本企業が更に貢献できると考えている旨述べ、双方は、このような欧州統合強化に資する協力を進めていくことで一致しました。
- 茂木大臣から、4月の「インド太平洋における協力のためのEU戦略」を、EUのインド太平洋への関与の強い意思として歓迎するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けEUとの協力を進めていきたい旨述べ、リトアニア側から「自由で開かれたインド太平洋」への力強い支持が表明されました。
- 東アジア情勢についても、双方は海警法を含む東シナ海・南シナ海における力による一方的な現状変更の試みの継続・強化、香港・新疆の状況に対する深刻な懸念を共有し、基本的価値を共有する同志国が結束して、ルールに基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくことの重要性について一致しました。双方は、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄に向け、安保理決議の完全な履行を確認するとともに、茂木大臣から、拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を求め、リトアニア側の支持を得ました。また双方は、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ等の情勢に加え、日NATO協力についても意見交換しました。
- リトアニア側から、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催への支持が表明されました。