リトアニア共和国
日・リトアニア首脳会談及びワーキング・ディナー
令和4年10月26日



10月26日、午後7時5分から約40分間、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中のイングリダ・シモニーテ・リトアニア共和国首相(H.E. Ms. Ingrida ŠIMONYTĖ, Prime Minister of the Republic of Lithuania)と会談を行うとともに、引き続き、午後8時10分から約1時間、ワーキング・ディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。
また、両首脳は、日・リトアニア戦略的パートナーシップに関する共同声明を発出しました。
1 二国間関係
- (1)岸田総理大臣から、日・リトアニア友好100周年にシモニーテ首相が訪日したことを歓迎するとともに、日本とリトアニアは基本的価値を共有する重要なパートナーであり、また、杉原千畝氏の「命のビザ」の温かい絆を含め、様々な協力を積み重ねてきており、この機会にリトアニアとの関係を戦略的パートナーシップに格上げできることをうれしく思う旨述べました。
- (2)また、岸田総理大臣から、国際社会が歴史を画するような様々な課題に直面している中で、ロシアによるウクライナ侵略への対応や「自由で開かれたインド太平洋」の実現において、リトアニアと一層緊密に連携していきたい旨伝えました。また、リトアニアが毅然とした外交を展開していることを評価する旨述べるとともに、両国間で新たに安全保障対話を立ち上げることとした旨述べました。
- (3)これに対し、シモニーテ首相から、日本は国際社会において重要な役割を果たしており、日本がG7の議長となる来年にはますます日本のリーダーシップが必要となる、戦略的パートナーとなった日本との協力を一層強化していきたい旨述べました。
- (4)また、岸田総理大臣から、大阪・関西万博へのリトアニアの参加を歓迎する旨述べ、両首脳は、連結性を始めとする様々な分野で両国経済関係を一層発展させていくことで一致しました。岸田総理大臣から、EUによる日本産食品への輸入規制措置の早期撤廃に向けたリトアニアの協力を求めました。
2 地域情勢
- (1)岸田総理大臣から、ウクライナ情勢に関して、ロシアによるミサイルやドローンなどによる攻撃及び違法な「併合」は、ウクライナの主権と領土一体性を侵害し、国際法に違反する行為である旨述べました。また、岸田総理大臣から、ロシアがウクライナにおける核兵器の使用を示唆していることは極めて憂慮すべき事態であり、広島と長崎に原爆が投下されて77年間、核兵器が使用されていない歴史をないがしろにすることがあってはならない点を強調しました。その上で、両首脳は、ロシアによる核兵器使用の威嚇が、国際社会の平和と安全に対する深刻かつ容認できない脅威であるとしてこれを非難し、いかなる核兵器の使用も明白な国際的非難及び断固とした対応を受けることを強調しました。
- (2)両首脳は、中国や北朝鮮等の地域情勢についても議論し、極めて高い頻度で行われている弾道ミサイル発射を始めとする核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
- (3)両首脳は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調しました。
3 国際場裡における協力
両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略も踏まえ、安保理改革を含む国連の機能強化が重要であるとの認識で一致しました。また、両首脳は、NPT体制の維持・強化を含め、「核兵器のない世界」の実現に向けて引き続き連携していくことを確認しました。さらに、両首脳は、経済的威圧や不透明・不公正な開発金融に対して連携して対応していくとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて協力していくことで一致しました。