イタリア共和国

令和5年1月10日
テーブルにつき、会談を行う、両首脳の様子 日伊首脳会談 (写真提供:内閣広報室)
正面を向き、握手を交わす、両首脳の様子 共同記者発表 (写真提供:内閣広報室)

 現地時間1月10日12時44分(日本時間20時44分)から計2時間20分間、イタリアを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、ジョルジャ・メローニ・イタリア共和国首相(H.E. Ms. Giorgia Meloni, President of the Council of Ministers of the Italian Republic)と首脳会談及びワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 二国間関係

 岸田総理大臣から、昨年末に発表された日伊英3カ国による次期戦闘機の共同開発合意を歓迎しつつ、両国は基本的価値を共有するG7のメンバーとして国際社会をリードしていく責務を負っている旨述べました。両首脳は、日伊関係を「戦略的パートナー」に格上げすることで一致しました。
 岸田総理大臣から、日本が先月策定した新たな国家安全保障戦略について説明し、同志国である日本とイタリアが連携を一層強化していきたい旨述べ、メローニ首相から理解と歓迎を得ました。両首脳は、外務・防衛当局間の協議を立上げ、安全保障分野での連携を更に推進することで一致しました。
 両首脳は、水素、鉄道、素材、宇宙等の分野での協力が進展していることを歓迎しました。岸田総理大臣から、EUによる日本産食品への輸入規制措置の完全撤廃に向けたイタリアの協力を改めて求めました。
 また、両首脳は、日伊映画共同製作協定交渉が大筋合意に至ったことを歓迎し、最終合意に向け作業を加速化させることで一致しました。

2 G7広島サミット

 岸田総理大臣から、G7広島サミットでは、力による一方的な現状変更の試みや核兵器による威嚇、その使用を断固として拒否し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持するG7の強い決意を示すこと、エネルギー・食料安全保障を含む国際社会の諸課題にG7が積極的に対応していくこと、また、アジアで開催されるサミットということからインド太平洋についてもしっかり議論することを説明しました。メローニ首相から、イタリアはできる限りの協力を惜しまない旨述べ、両首脳は、本年と来年のG7の議長国である日伊両国がG7広島サミットの成功に向けて緊密に連携していくことを確認しました。

3 地域情勢・国際場裏での協力

 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略への対応に関して、G7が結束して、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していく必要があるとの点で一致しました。また、岸田総理大臣から、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核の威嚇は断じて受け入れられず、ましてやその使用はあってはならない旨述べました。加えて、日本の当面のウクライナ支援として、約300台の発電機と約8万台のソーラー・ランタンの供与を順次実施し、更なる発電機の供与も検討している旨述べました。
 両首脳は、東シナ海及び南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みへの反対を表明しました。また、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調しました。北朝鮮についても議論し、核・ミサイル問題に対する深刻な懸念を共有し、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、緊密に連携して対応していくことを改めて確認しました。


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