安倍総理大臣

平成26年3月24日
イタリア共和国のレンツィ首相と握手する安倍総理 (写真提供:内閣広報室)
日伊首脳会談 (写真提供:内閣広報室)

 3月24日(月)午前11時40分(現地時間)から約45分間,核セキュリティ・サミットに出席するためオランダ訪問中の安倍総理は,レンツィ・イタリア首相と日・イタリア首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり。

1. 冒頭発言

(1)安倍総理から,レンツィ首相の就任及び新政権発足への祝意を伝えるとともに,レンツィ首相との信頼関係を深めたい旨,さらに,経済成長の実現を目指す日伊両国が互いの取り組みに学びあい,両国の経済再生を通じて,世界経済の成長に貢献したい旨述べた。
(2)これに対し,レンツィ首相から,アベノミクスによる日本の取組には前から注目しており,賃金上昇等の成果を上げていることは大変すばらしい,日本の取組からぜひ学びたい,そういう意味からも,ぜひ安倍総理にイタリアを訪問してほしい旨の発言があった。訪問招請に対し,安倍総理からは,早い機会での訪問を調整していきたい旨の発言があった。

2.今後の二国間関係

(1)今後の日伊関係について,安倍総理とレンツィ首相は,2016年は日伊修好通商条約締結150周年となることから,これを契機に両国間の交流を拡大し,国民同士の信頼関係を一層強化していくことで一致した。
(2)経済分野については,両国の成長戦略に貢献していくためにも,今後伸ばすべき協力分野として,中小企業の連携,あるいは革新的な技術開発,エネルギー分野などの連携について,議論を行った。
(3)また,安倍総理から,来年5月にミラノで万博が開催される機会に,食や観光等の分野での連携をさらに進めたい旨,特に昨年ユネスコ無形文化遺産に登録されたことから,和食の素晴らしさを発信したい旨の発言があった。これに対し,レンツィ首相から,和食はイタリアでもブームである,自分は元フィレンツェ市長であったが,フィレンツェ市内でも,日本食レストランが,最近とみに増えている旨の指摘があった。食を通じた協力を進めたい旨で同意したいとの話があった。
(4)安倍総理から,両国間の貿易投資を促進する措置として,2009年に署名された日伊社会保障協定の伊議会における早期批准を要請したところ,レンツィ首相は,できるかぎり対応していきたいと答えた。
(5)また,日EU・EPAに関して,安倍総理から,交渉の推進に向けて,伊政府及び同首相の支持を求めたところ,レンツィ首相から,EPAは活力をもたらすものであり,イタリアとしてこれを強く支持するとの発言があった。

3.ウクライナ情勢

 安倍総理から,力を背景とする現状変更は決して容認できず,引き続きG7として連帯していきたい旨,日本の立場を述べた。これに対し,レンツィ首相から,伊として危機の解決策を模索する必要がある旨,また,事態のこれ以上の悪化を防ぐことが必要であり,ウクライナへの力強い支援とともに,ロシアとの対話は引き続き重要であるとの発言があった。両首脳は,今後ともウクライナ情勢で緊密に協力することで一致した。



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