英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)

令和3年5月3日
第9回日英外相戦略対話の様子 第9回日英外相戦略対話

 英国を訪問中の茂木敏充外務大臣は、5月3日午前10時35分(日本時間3日午後6時35分)から、計2時間30分間、英国外相公邸「チーヴニング・ハウス」(ケント州)において、ドミニク・ラーブ英国外務・英連邦・開発大臣兼首席大臣(The Rt Hon Dominic Raab MP, Secretary of State for Foreign, Commonwealth and Development Affairs and First Secretary of State of the United Kingdom)と日英外相戦略対話を実施したところ、概要は以下のとおりです。

  1. ラーブ外相から、昨年8月以来の茂木大臣の訪英を歓迎する旨述べたのに対し、茂木大臣から、再会を喜ぶとともに、エディンバラ公フィリップ殿下薨去について、謹んで哀悼の意を表したい旨述べました。
  2. (1)茂木大臣から、英国が「安全保障、防衛、開発及び外交政策の統合的見直し」において「インド太平洋地域への傾斜」を表明したことを歓迎し、両大臣は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて協力していくことを再確認しました。
  • (2)ラーブ外相から、英空母打撃群の日本寄港を含むインド太平洋地域派遣について説明があり、茂木大臣から、英空母打撃群のインド太平洋地域への展開は英国の同地域へのコミットメントを象徴するものであり、同空母打撃群の日本寄港を歓迎する旨述べました。

  • (3)また、両大臣は、防衛装備・技術協力やサイバーセキュリティを含む経済安全保障についても意見交換を行いました。
  1. (1)両大臣は、日英包括的連携協定(日英EPA)が両国の経済関係強化の基盤であることを確認し、その着実な履行を通じ、貿易・投資の更なる促進につなげていくことで一致しました。
  • (2)茂木大臣から、英国のEU離脱につき、日系企業にとって予見可能性と法的安定性が不可欠であり、英EU将来関係協定を遵守するよう求めました。

  • (3)ラーブ外相から英国のTPP11加入申請について言及したのに対し、茂木大臣から改めて歓迎する旨述べました。

  • (4)茂木大臣から、本年が東日本大震災から10年となること及び英国のEU離脱を踏まえ、日本産食品輸入規制の早期撤廃を求めました。
  1. (1)両大臣は、東シナ海・南シナ海の情勢について意見交換を行い、海警法を含む最近の中国の動向や一方的な現状変更の試みの継続・強化について深刻な懸念を改めて共有し、日英及び同志国で緊密に連携していくことで一致しました。また、両大臣は、香港情勢、新疆ウイグル自治区の人権状況について深刻な懸念を共有しました。
  • (2)両大臣は、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄の実現に向け、安保理決議の完全な履行が不可欠であることを改めて確認しました。また、茂木大臣から、拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を求め、ラーブ外相から支持を得ました。

  • (3)両大臣は、ミャンマー情勢について、国際社会の度重なる呼びかけにもかかわらず、多数の死傷者が発生し続けている状況を強く非難しました。また、両大臣は、ASEANリーダーズ・ミーティングの成果を対話に向けた前向きな一歩として歓迎し、引き続き、関係国と緊密に連携しつつ、ミャンマー国軍に対し、民間人に対する暴力の即時停止、被拘束者の解放、民主的な政治体制の早期回復を強く求めていくことで一致しました。
  1. (1)茂木大臣から、日本は2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向け挑戦を続ける旨公表したことに言及しつつ、COP26議長である英国と協力していきたいと述べました。これに対し、ラーブ外相から、日本の目標発表への歓迎を表明しました。
  • (2)両大臣は、新型コロナ対応におけるWHOを含む多国間主義の重要性及びWHOによる検証・改革の重要性を改めて確認しました。茂木大臣から、日本が6月にGaviと共催予定の「COVAXワクチン・サミット」に向けて英国の協力を求め、ラーブ外相から支持を得ました。

  • (3)両大臣は、途上国への教育支援を含む、その他のグローバルな課題についても意見交換を行いました。

英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)へ戻る