英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
日英首脳会談
8日午前8時35分(現地時間)から約25分間,G7サミットに参加するためドイツ・エルマウを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,キャメロン英国首相(Rt Hon David CAMERON MP, Prime Minister of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)との間で日英首脳会談を行いました。その概要は以下のとおりです。
1 冒頭
(1)安倍総理から,先月英国で実施された総選挙での保守党の勝利に祝意を述べた上で,保守党による単独政権の実現で,英国は,より積極的に世界に貢献し得る,今後もキャメロン首相と一緒に日英関係の発展と,国際社会の諸課題の解決に向けて協力したい旨述べました。
(2)これを受け,キャメロン首相は,親友である安倍総理と一緒に協力できるのを楽しみにしている,本日発表された日本経済の指標が良好であることにお祝いを申し上げる,日英のパートナーシップを推進していくことを楽しみにしている旨応じました。
2 経済,日EU関係
(1)キャメロン首相から,日EU・EPAは,双方にとってウィン・ウィンの関係をもたらす旨発言がありました。
(2)安倍総理から,英国による日EU・EPAに対する支持に感謝を伝えた上で,EPAの本年中の大筋合意及び戦略的パートナーシップ協定(SPA)の早期妥結という目標に向け,英国の支援をお願いする旨述べました。また,英国は日本にとり,欧州市場のゲートウェーたる投資先であり,英国がEUの中で影響力を発揮すべく,キャメロン首相の指導力を期待すると述べました。
(3)キャメロン首相は,EPAに関する安倍総理の認識を共有する,年内の大筋合意は重要である旨述べました。両首脳は,早期妥結に向けて協力していくことを確認しました。また,キャメロン首相は日本からの投資に歓迎の意を表した上で,英国はEUの改革を促進する役割を果たしていきたい旨述べました。
3 安全保障
(1)安倍総理から,現在,国会で審議中の「平和安全法制」が成立すれば,英国との協力の余地が拡大する旨指摘した上で,英国が,グローバルなプレイヤーとして,経済及び安全保障の両面でアジア太平洋地域に関与し,その役割を果たすことを期待する旨述べました。また,特に,安全保障について日英間の対話が重要であるとして,担当部局間の意見交換を提案しました。
(2)キャメロン首相は,安倍総理の提案に賛意を表明した上で,特にアジア太平洋地域の安全保障について日本からのインプットを期待している,日英の協力は,大きな可能性を秘めている旨述べました。
4 その他
(1)キャメロン首相から,来年のG7で日本が議長国を務めることを楽しみにしている旨述べました。
(2)これを受け,安倍総理から,昨年,英国を訪問した際の歓迎に感謝の意を伝えた上で,来年のサミットも念頭に,できるだけ早く,キャメロン首相に日本でお会いできることを期待していると述べました。