フィンランド共和国

平成28年3月10日
ニーニスト・フィンランド大統領を出迎える安倍総理大臣 (写真提供:内閣広報室)
儀じょう隊の前を歩く両首脳 儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょう (写真提供:内閣広報室)
両首脳の様子 儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょう (写真提供:内閣広報室)

 本10日午後6時50分から午後7時30分まで、安倍晋三内閣総理大臣は、訪日中のサウリ・ニーニスト・フィンランド共和国大統領(H.E. Mr. Sauli Niinisto、President of the Republic of Finland)と首脳会談を行いました。概要は以下のとおりです。

握手を交わす両首脳 (写真提供:内閣広報室)
日・フィンランド首脳会談 (写真提供:内閣広報室)
共同記者発表に臨む両首脳 (写真提供:内閣広報室)
共同記者発表 (写真提供:内閣広報室)

 また、今次首脳会談に際し、両首脳は「アジアと欧州におけるゲートウェイとしての日本国とフィンランド共和国との間の戦略的パートナーシップに関する共同声明骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」を発出し、政治・安全保障、経済、北極等の幅広い分野における戦略的な協力を推進していくことを確認しました。

1 冒頭

  • (1)安倍総理大臣から、ニーニスト大統領の訪日を歓迎するとともに、日本は、法の支配等の普遍的価値を共有し、女性の活躍など、我が国が重視する政策課題で優れた知見と実績を有するフィンランドとの関係を重視しており、ニーニスト大統領の訪日を通じて、両国の戦略的な協力関係を大きく発展させたい旨を述べました。
  • (2)これに対し、ニーニスト大統領は、90年代にフィンランド経済が苦境に直面していた際の日本からの支援に謝意を表明した上で、両国は、共通の価値観、考え方を有しており、戦略的パートナーシップに基づき、イノベーションや技術を始め、幅広い分野で協力を拡大していきたい旨述べました。
  • (3)両首脳は、両国関係を「アジアと欧州におけるゲートウェイとしての戦略的パートナーシップ」と位置づけ、北極を始め、国際社会において協力関係を大きく発展させていくことを確認しました。

2 政治・安全保障

  • (1)安倍総理大臣から、我が国の安全保障政策について説明したのに対し、ニーニスト大統領からは、「積極的平和主義」を支持する、日本が国際社会で更なる役割を果たすことを評価する旨の発言がありました。
  • (2)両首脳は、PKOに関する知見を共有していくことを確認すると共に、安全保障・防衛分野での対話と協力を強化していくことで一致しました。

3 経済

  • (1)両首脳は、日EU経済連携協定(EPA)及び戦略的パートナーシップ協定(SPA)のそれぞれの交渉の早期妥結に向けて協力していくことを確認しました。
  • (2)両首脳はまた、両国が、各々の企業にとってアジアと欧州の事業の拠点となり得るとした上で、今回の大統領訪日にフィンランド企業が同行していることに触れつつ、両国企業間の協力が進展することに期待を表明しました。また、両首脳は、ビジネス環境の一層の改善のため、できる限り早期に社会保障協定を締結することは重要であるとの点で一致し、社会保障協定の政府間交渉の早期妥結の重要性を確認しました。

4 地域情勢

  • (1)両首脳は、北朝鮮に関し、本日の弾道ミサイル発射に触れつつ、こうした行為は地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものとして強く非難しました。
  • (2)両首脳は、東シナ海及び南シナ海での一方的な現状変更の試みは容認できず、法の支配が重要であることを確認しました。
  • (3)両首脳はまた、ロシアについても意見交換を行い、ウクライナ情勢に関連した対露措置を継続していく必要性を確認する一方、中東を始めとする諸問題の解決にはロシアの建設的な関与が必要であり、対話を継続していくことが重要である点で一致しました。
     また、安倍総理大臣から、適切な時期にロシアを訪問し、プーチン大統領と議論する考えである旨述べたのに対し、ニーニスト大統領から、安倍総理大臣がロシアを訪問してプーチン大統領と直接対話を行うことを支持する旨の発言がありました。

5 国際社会での協力

  • (1)両首脳は、北極海航路やバレンツ地域の開発等が両国に大きな経済的機会をもたらし得るとした上で、フィンランドが北極評議会の次期議長国を務めることを踏まえ、環境、安全保障等、北極について幅広く協力していくことを確認しました。
  • (2)両首脳はまた、二国間関係を補完するものとして「NB8+日本」の枠組みでも協力を進めていくことを確認しました。
  • (3)ニーニスト大統領から、欧州における難民流入をどのようにコントロールするかは非常に難しい問題である旨の発言がありました。安倍総理大臣からは、基本的価値を共有するパートナーとして連帯の意を表明した上で、国際社会の責任ある一員として貢献していく旨述べ、日本の支援策について説明しました。

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