エストニア共和国
日・エストニア首脳会談

(写真提供:内閣広報室)

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本8日,午後6時から約40分間,安倍晋三内閣総理大臣は,訪日中のターヴィ・ロイヴァス・エストニア共和国首相(H.E. Mr. Taavi Roivas, Prime Minister of the republic of Estonia)と首脳会談を行いました。概要は以下のとおりです。

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1 冒頭
(2)これに対して,ロイヴァス首相からは,今回の訪日では,新経済連盟主催の会議に出席すると共に,多くの国会議員やビジネスマンとお目にかかった,両国は共にIT分野の先進国であり,ビジネスのポテンシャルは大きい旨発言がありました。
2 二国間関係
(1)安倍総理大臣から,エストニアを訪れる日本人の増加に触れつつ,二国間関係の進展,特にマイナンバー制度導入,2020年東京オリンピック・パラリンピック開催等を受けて重要性が増大しているICT・サイバーセキュリティ分野において,サイバー協議の開催等の二国間協力が進展していることを歓迎するとともに,引き続き,知見の共有やサイバー防衛演習の推進等を通じた,具体的な協力を強化していきたい旨を述べました。
これに対し,ロイヴァス首相は,日本は大国として世界に先駆けてマイナンバー制度を導入した国であり,日本政府の政治的リーダーシップを評価する旨述べた上で,サイバーセキュリティ分野の協力を歓迎する,2007年に大規模なサイバー攻撃を受けたエストニアはサイバーセキュリティの強化に取り組んでいる,NATOサイバー防衛協力センターを通じた有志国間の協力も不可欠である旨述べました。
(2)安倍総理大臣から,昨年成立した平和安全法制(PDF)により,PKOや後方支援を通じた国際社会の平和と安定への一層の貢献が可能となる旨を説明したのに対し,ロイヴァス首相から,ご説明の点は重要であるとした上で,国連安保理非常任理事国及びG7議長国である日本の努力を歓迎する旨の発言がありました。
(3)安倍総理大臣から,日本企業のエストニアへの進出等を通じた二国間の経済関係の活性化を歓迎するとともに,二国間の投資・経済交流の更なる促進の観点から,エストニアとの租税条約を早期に締結したい旨述べました。これに対し,ロイヴァス首相は,租税条約の締結は両国の企業にとって重要であり,近い将来に締結したい旨述べ,歓迎の意を表明しました。
3 日・EU関係
両首相は,日EU経済連携協定(EPA)及び戦略的パートナーシップ協定(SPA)について,本年のできる限り早い時期の大筋合意を目指すことで一致しました。
4 北欧バルト8か国(NB8)+日本
両首相は,二国間関係を補完するものとして,「NB8+日本」の枠組での協力の推進について一致しました。
5 地域情勢

(写真提供:内閣広報室)

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(1)両首脳は,アジアや欧州における力による一方的な現状変更の試みは容認できず,法の支配が重要であることを確認しました。
特にウクライナ・ロシア情勢について,両首脳は,ロシア・ウクライナ双方がミンスク合意を完全に履行する必要がある点で一致するとともに,ウクライナについては国内改革を進めていくことが重要であり,そのようなウクライナの努力を支援していく必要があること,ロシアとの関係では,ロシアによるクリミア併合は認められないという点を明確にしつつ,同時にロシアとの対話を行っていく必要がある点で一致しました。
(2)両首脳は,北朝鮮の核・ミサイル開発は安保理決議への明白な違反であり,断じて容認できず,国連安保理決議の履行をしっかりと行っていく必要がある点で一致しました。