ロシア連邦

岸田外務大臣のロシア訪問(結果)

平成27年9月23日

英語版 (English)

  • ラヴロフ外務大臣と握手する岸田外務大臣
  • 共同記者会見

 9月20日から22日までモスクワを訪問した岸田外務大臣は,21日17時20分(現地時間。以下同じ)から約2時間20分,ラヴロフ外相との間で日露外相会談を行い,共同記者会見を挟んで23時過ぎまでワーキングディナーを行った。
 22日には,シュヴァロフ第一副首相との間で,貿易経済に関する日露政府間委員会第11回会合を22日10時から約4時間半(ワーキングランチを含む)を行った。それぞれの会合の概要は以下のとおり。

【ポイント】

  • 北方領土問題について,外相間で突っ込んだ議論を行い,事実上一時中断していた平和条約締結交渉を再開。10月8日に次官級の平和条約締結交渉の実施を確認。
  • 国際会議等の機会を活用するなど,様々な形で首脳・外相間の直接の対話を継続することで一致。
  • 経済(都市環境,医療,農業等),実務・当局間協力(漁業,科学技術等),人的交流(青年・大学間交流等)等の分野での進捗状況を確認。
  • ウクライナ,シリア,北朝鮮といった喫緊の国際問題,地域情勢について意見交換。国連,軍縮不拡散,中東の各分野で外交当局間の協議を行っていくことで一致。

1 日露外相会談(ワーキングディナーを含む)

  • 日露外相会談

(1)領土問題

(ア)岸田大臣から北方領土問題に関する日本の立場を明確に説明し,両外相間で突っ込んだ議論を行い,事実上一時中断していた平和条約締結交渉を再開した。

(イ)この議論の中で岸田大臣から,昨今の北方四島をめぐるロシアの一方的な行動や発言が繰り返されていることは極めて遺憾であり,受け入れられないと改めて述べ,抗議をした。

(ウ)岸田大臣からは,歴史的,法的議論に関するロシア側の従来の主張に対し,日本側として認識に相違があり,それ故に日露間では平和条約が締結されていない旨を明確に反論した。

(エ)外相間の厳しいやり取りを経て,2013年4月に安倍総理とプーチン大統領との間で合意したとおり,双方で受け入れ可能な解決策を作成する作業を再確認した。そのための議論を行っていく必要性を岸田大臣から指摘し,10月8日にモスクワで杉山外務審議官とモルグロフ外務次官との間で次官級の平和条約締結交渉を行い,本日の議論をフォローしていくことで一致した。

(2)政治対話

 今後,双方が出席する国際会議の機会を活用することを含め,様々な形で首脳間,外相間での日露の直接の対話を続けていくことで一致した。

(3)二国間の実務分野

(ア)漁業

 岸田大臣から,ロシア水域でのさけ・ます流し網漁を禁止する法律がロシアにおいて制定されたことは残念である旨述べた上で,代替漁業の在り方に関する議論を含め両国の実務者で協議していくなど,日露の漁業分野の協力に前向きに取り組んでいくことを双方で確認した。

(イ)四島交流,北方墓参等

 本年度に一部の事業で問題が発生した四島交流や北方墓参等を円滑に実施するため,実務的な協議を行い,来年度の四島関連の交流事業に向けて早くから準備を進めていくことで一致した。

(ウ)人的往来の活性化

 人的往来の活性化に向けて意見交換を行っていくこと,その一環として領事当局間の協議を近々行うことを確認した。

(エ)シベリア抑留

 岸田大臣から,戦後70年を迎え,日本において抑留中死亡者を含む戦没者の遺骨収集等に対する関心が高まっている中で,シベリア抑留に関連する資料提供等に関するロシア側の取組を多としつつ,引き続き協力を求めた。

(オ)アフガニスタン・中央アジア麻薬対策に関する日露協力

 両外相は,アフガニスタンの麻薬対策で日露両国が有益な協力を実施していることを指摘するとともに,今年秋以降もこの協力を発展させていくことで一致した。

(4)国際情勢

 喫緊の国際問題,地域情勢について両外相間で意見交換を行い,国連,軍縮不拡散,中東といった分野で,今後外交当局間の協議を行っていくことで一致した。

(ア)ウクライナ

 岸田大臣から,停戦の継続や武器撤収を含め,ミンスク合意の完全な履行に向けてロシアが建設的役割を果たすよう強く求めた。

(イ)シリア

 両外相は,情勢の安定化に向けて努力していくべきとの認識で一致した。岸田大臣から,現地における更なる混乱を招かぬよう,ロシアが,関係国の関心や懸念に配慮しつつ,透明性をもった対応をしていくよう強く促した。

(ウ)北朝鮮

 「人工衛星」の打ち上げと称する長距離弾道ミサイル発射の話がある中で,仮にそのような動きがあれば明確な安保理決議違反であり,両外相として北朝鮮に対し,挑発行為の自制と,安保理決議や六者会合共同声明の遵守を求めていく必要があることで一致した。岸田大臣から,拉致問題についてのロシアの引き続きの理解と協力を求め,ラヴロフ外相から支援・支持していくとの意向が示された。

2 貿易経済に関する日露政府間委員会

(1)少人数会合では,岸田大臣から,昨今の世界の経済情勢やロシアを取り巻く環境にもかかわらず,日本企業がロシアとのビジネスに関心を有していることを紹介し,今後,政治面及び経済面において双方が満足するような前進や成果が得られるよう,シュヴァロフ第一副首相ともよく話し合い,準備をしていきたい旨を伝えた。

  • シュヴァロフ第一副首相との会談
  • シュヴァロフ第一副首相との会談

(2)続いて行われた全体会合・ワーキングランチでは,都市環境,医療,農業等の分野での協力を含め,様々なテーマについて意見交換を行い,約3年前に行われた前回会合以降の日露経済関係の進捗状況をレビューした。

  • 貿易経済に関する日露政府間委員会第11回会合

(3)同時に,我が国からは,日本企業が直面するビジネス面での問題,貿易投資環境の改善に向け働きかけを行った。また,同委員会に出席した日本のビジネス界の代表からも,今後日露経済関係を進めていく上で有益な見解が示された。ロシア側からは,日本側のこうした指摘を真剣に受け止めるとともに,各分野での協力を促進したいとの趣旨の見解が示された。

  • ドンスコエ日本人墓地献花
  • ドンスコエ日本人墓地献花

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