北大西洋条約機構(NATO)

令和5年4月5日
NATO本部における、NATO外相会合(NATOパートナー・セッション)会場内の様子

 現地時間4月5日午前11時20分(日本時間5日午後6時20分)から約2時間25分間、ベルギーを訪問中の林芳正外務大臣は、NATO外相会合に出席したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 林外務大臣は、NATOからの招待により、日本の外務大臣として初の出席となった昨年に続き、NATO外相会合に出席しました。林外務大臣が出席したNATOパートナー・セッションには、NATO加盟国31か国、加盟招待国(スウェーデン)及び招待を受けたパートナー(日本、豪州、韓国、ニュージーランド及びEU)の外相等が出席し、国際的な安全保障環境や日NATO協力等について議論が行われました。
  2. 林外務大臣は会合において、概要以下のとおり述べました。
  • (1)まず始めに、我が国は、昨日のフィンランドのNATO加盟を支持する。
  • (2)私(大臣)は、昨年、NATO外相会合おいて、欧州とインド太平洋地域の安全保障を切り離して論じることはできず、同志国の一層の連携が求められていることを強調。この1年間で、こうした認識がNATO加盟国やパートナー国の間で広く共有されていることを嬉しく思う。
  • (3)本年1月のストルテンベルグ事務総長の訪日に際しては、共同声明を発出し、日NATO協力を更なる高みに引き上げるという力強い意思を示した。
  • (4)日本とNATOは「国別適合パートナーシップ計画」(ITPP)改訂に取り組んでおり、ITPPを通じて、伝統的な協力分野に加え、サイバー、宇宙、偽情報、重要新興技術等の新分野でもNATOとの連携を飛躍的に強化していく考え。
  • (5)日NATO協力は様々な分野で着実に進展。先日のトルコ・シリア地震に際しては、日本の自衛隊機がNATO主導の災害救援物資の空輸オペレーションに史上初めて参加。これは、災害救援分野でのNATOとの初めての共同オペレーション。
  • (6)また、ウクライナ支援を巡っても、今般、NATOの包括的支援パッケージ(CAP)信託基金を通じた殺傷性のない装備品支援に3千万米ドルを拠出することを決定。先日の岸田総理のキーウ訪問に際し、この旨を、ゼレンスキー・ウクライナ大統領に伝達。
  • (7)ロシアによるウクライナ侵略のような力による一方的な現状変更の試みは、世界中のどこであっても許してはならない。こうした暴挙を一日も早く終わらせ、また、同様の試みが世界のどこかで再び起きることを抑止するためにも、NATO加盟国そして日本を含むパートナー国が結束し、ロシアに対する厳しい制裁と強力なウクライナ支援を継続していくことが重要。
  • (8)インド太平洋に目を向ければ、東・南シナ海において、力による一方的な現状変更の試みが継続・強化されている。さらに、北朝鮮は、我が国のEEZ内に落下したものも含めICBM級弾道ミサイルの発射を繰り返すなど、前例のない頻度と態様で弾道ミサイル発射を行っており、挑発をエスカレート。
  • (9)日本は、このような戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中、新たな国家安全保障戦略を策定。同戦略では、NATOを始めとする同盟国・同志国との協力を強化していく旨明確にした。
  • (10)また、先日、岸田総理は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のための新プランを発表した。その中で、歴史的転換期にある国際社会を分断や対立ではなく協調に導くために、FOIP協力を拡充していくことを明確にした。
  • (11)こうした我が国の取組は、我が国のみで成し遂げられるものではない。日本は、NATO及びNATO加盟国・パートナー国のインド太平洋への関与拡大を歓迎。
  • (12)本年のG7議長国として、日本は引き続き、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて、国際社会の取組をリードしていく決意。共に、また、その他のパートナーとも協働して、様々な取組を推進していくことを楽しみにしている。

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