欧州連合(EU)

平成27年1月20日
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 1月19日17時20分から18時05分(現地時間)まで,ブリュッセルを訪問中の岸田文雄外務大臣は,フランス・ティマーマンス欧州委員会筆頭副委員長と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,ティマーマンス筆頭副委員長は前オランダ外相であり,岸田大臣とは旧知の仲ですが,今回の会談は,昨年11月1日の筆頭副委員長就任後初めての会談となります。

1.冒頭

 岸田大臣から,ティマーマンス筆頭副委員長の就任に祝意を述べるとともに,昨年4月のNPDI外相会合以来の再会を嬉しく思う旨述べました。また,岸田大臣から,日本は,戦後70年,先の大戦の反省の下,不戦を誓い,平和国家として国際社会の平和,安定及び繁栄のために大きく貢献し,この歩みは今後も揺るがないこと,EUは我が国にとり共に行動し,互いに信頼できる重要なパートナーであり,新体制の下でも日EU関係の更なる強化に向け緊密に協力したい旨述べました。
 これに対し,ティマーマンス筆頭副委員長から,岸田大臣の再任に祝意を表明する,オランダ外相としてNPDI外相会合のため広島を訪問したことは自らの外相時代の最も重要な思い出の一つであった,戦後70年にあたる本年初めの安倍総理のメッセージを注意深く読んだ,自由,民主主義,法の支配及び人権といった基本的価値は日EUが共有しており,共に擁護すべきものである旨述べました。

2.日EU関係

(1) 岸田大臣とティマーマンス筆頭副委員長は,昨年5月の第22回日EU定期首脳協議での首脳間の合意を踏まえ,安全保障,経済及びグローバル課題の各分野で具体的なフォローアップが進められていることを確認するとともに,次回日EU定期首脳協議を本年前半に開催すべく早急に日程調整を行うことで一致しました。
(2) 岸田大臣から,日EU・EPAについて,昨年11月の日EU首脳会談で一致したとおり,本年中の大筋合意を目指し,共に交渉を加速させていきたい旨述べました。
 これに対し,ティマーマンス筆頭副委員長から,日EU・EPAは貿易面のみならず戦略的パートナーシップの観点からも重要であり,この面からも取組んでいきたい旨述べました。
(3) また,岸田大臣から,幅広い分野での日EU協力の基礎となる戦略的パートナーシップ協定(SPA)は,日EU関係をより持続的かつ高次元なものとするため重要であり,早期妥結に向け,引き続きEU側と共に努力したい旨述べました。
(4) さらに,岸田大臣から,福島第一原発事故に係るEUによる日本産食品等に対する輸入規制に関し,科学的根拠に基づく規制の緩和・撤廃を働きかけました。
 

3.地域・国際情勢

 岸田大臣とティマーマンス筆頭副委員長は,アジア情勢及びロシア・ウクライナ情勢についても率直な意見交換を行いました。ウクライナ情勢については,岸田大臣から,ウクライナ問題の解決や,同国の改革と経済の近代化といった点についてのEUの取組を高く評価する,我が国としてはG7の結束を重視しつつEUとも連携し,ウクライナ情勢の好転に向けて積極的に取り組んでいく旨述べました。
 これに対し,ティマーマンス筆頭副委員長から,EUの取組について説明を行った上で,引き続き日本と連携していきたい旨述べました。

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