アジア欧州会合(ASEM)
AEBFクロージングセッション(安倍総理大臣発言)
平成26年10月16日
はじめに
本年5月に欧州を訪問した際、経済再生と財政健全化の両立こそが、グローバルに展開する企業の期待に適うと確信しました。
アベノミクスの「三本の矢」によって、日本を覆っていた暗い重い空気は一変しました。賃上げ率は過去15年間で最高、上場企業のROEは政権発足からの1年間で1.5倍となりました。出遅れていた企業の設備投資も動き始めています。内閣改造後も、私の最優先政策は引き続き経済再生です。
「チャレンジ、オープン、イノベーション。」これが私の成長戦略の一貫した基本理念です。国内の構造改革を進め、競争力を高める。同時に、経済連携によって広い経済圏に打って出る。この内外一体の改革は、深刻な人口減少に直面する日本が持続的成長を実現する唯一の道だ、と私は確信しています。
アベノミクスの「三本の矢」によって、日本を覆っていた暗い重い空気は一変しました。賃上げ率は過去15年間で最高、上場企業のROEは政権発足からの1年間で1.5倍となりました。出遅れていた企業の設備投資も動き始めています。内閣改造後も、私の最優先政策は引き続き経済再生です。
「チャレンジ、オープン、イノベーション。」これが私の成長戦略の一貫した基本理念です。国内の構造改革を進め、競争力を高める。同時に、経済連携によって広い経済圏に打って出る。この内外一体の改革は、深刻な人口減少に直面する日本が持続的成長を実現する唯一の道だ、と私は確信しています。
アベノミクスにおける3つの事例
1:より開かれた魅力的な市場へ変革
だからこそ、私は、アジアと欧州をつなげる日EU・EPA、そしてアジア太平洋で一つの経済圏を目指す、TPP、その先のFTAAPの実現に向けて、全力を注いでいます。日本は、攻めの農業改革を進めています。40年続いていた、いわゆる「コメの減反」を廃止し、これまで手を付けることすらタブー視されていた農協も、60年ぶりに抜本改革します。先日、私はオランダを訪問した際に、ITやエネルギーシステム技術を導入した先進的な農場を視察しました。東日本大震災ですっかり荒廃してしまった農地では、このオランダの高度な栽培技術を取り入れ、日本では全く新しい農業のビジネスモデルに取り組んでいきます。
来年の「2015年ミラノ博」のテーマは「食」です。無形文化遺産に登録された「和食」や、安全で優れた日本の食材、和食器等の伝統工芸品等のクールジャパンを、皆様の食卓にお届けしたいと考えます。
エネルギーも成長への鍵です。戦後60年続いた電力の地域独占を終わらせ、イノベーションが花開く、自由でダイナミックなエネルギー市場を創り上げていきます。エネルギー革命のフロントランナーとして、世界初の水素ステーションや燃料電池自動車の商業化、スマートコミュニティなど最先端技術によって、積極的に貢献していきます。この分野でも、東芝等の日本企業とイタリア都市や企業との共同事業に見られるように、海外との連携が更なるイノベーションの鍵になると思っています。
同時に、皆様が日本企業に投資しやすい環境を作ります。今年度から法人実効税率を2.4%引き下げました。来年度から数年間で20%台まで引き下げることを目指します。是非、日本に投資して頂き、一緒になって新しい日本を実感して頂きたいと思います。
2:女性を始め、全ての人が輝く社会へ変革
女性が輝く社会の実現も、私の成長戦略の柱です。我が国最大の潜在力である「女性の力」が十分に発揮されることは、人口減少・超高齢化社会において重要です。また、女性の参画により、多様性を持った企業や組織が、新たな付加価値を社会にもたらすものです。さらに、長時間労働の慣行の是正など、女性が働きやすい環境の整備は、労働生産性の向上にも資すると考えています。政権発足後、女性の就業者数が約82万人増加したことは誇れる成果です。
我が国では、すべての主要企業が女性活躍推進のための行動計画を策定するよう義務づけていきます。さらに、世界の女性の地位向上のため、ODAにより、教育・保健など様々なプロジェクトを支援していきます。
アジア・欧州が協力して改革を実現することで、だれもが輝く社会を共につくっていきます。
最後に
「チャレンジ、オープン、イノベーション」。この共通のキーワードに沿って、アジアと欧州が世界を潤す巨大な成長エンジンとなるために、日本は今後も、大きなインスピレーションとインパクトを与えてまいります。
(どうもありがとうございました。)
(どうもありがとうございました。)