「中央アジア+日本」対話

令和7年3月6日
レセプションで挨拶をする松本政務官
プレゼンテーションを行う中央アジアからの招へい者
会場の様子

 3月5日、令和6年度「中央アジア+日本」対話(水分野専門家会合)が三田共用会議所で開催され、外務省により招へいされた中央アジア5カ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)の専門家、日本の政府機関・企業や国際機関の関係者等の100名以上が参加しました。本会合は、「中央アジア+日本」対話の一環として、中央アジア諸国の水資源管理に向けた日本との協力の拡大を目的として開催されました。

  1. 松本尚外務大臣政務官による開会挨拶
     開会挨拶において、松本外務大臣政務官から、本専門家会合は、日本が2004年に他国に先駆けて立ち上げた「中央アジア+日本」対話を通じた協力の一環として、水分野をテーマとして開催されるものであり、水資源の有効活用は人間の安全保障の観点から極めて重要である上、再生可能エネルギーとしての水力発電の整備は、産業や経済活動の発展にとっても欠かせない旨述べました。更に、本会合が中央アジア各国の現状とニーズ及び日本企業の技術について、相互に情報共有を行う機会となり、今回の会合の成果を踏まえ、日本企業の最先端の技術と経験が中央アジア各国のニーズに応じた具体的な提案につながることを期待する旨述べました。
  2. 各セッションの内容
    1. 第一セッション:水とエネルギーの効率的利用
       第一セッションでは、水とエネルギーの効率的利用について発表及び議論が行われました。日本側からは、外務省が実施した水分野における日本企業の中央アジアへの進出可能性に関する調査事業の結果報告が行われた他、国土交通省、経済産業省及び企業から、ダムや水力発電を含む日本の水資源に関する取組や技術、国際協力について発表がありました。中央アジア各国代表からは、各国における水とエネルギーの効率的利用に関する現状と課題、ニーズについて発表がありました。更に、国連開発計画(UNDP)代表者から、UNDPと日本との連携事業を含む中央アジアにおける水・気候・災害リスク軽減に関する発表が行われました。
    2. 第二セッション:水施設の整備(上下水道)
       第二セッションでは、上下水道施設の整備に焦点が当てられ、日本側からは、中央アジア地域における水・都市分野に関する国土交通省の調査結果及び今後の日本企業参画の展望について発表された他、企業から上下水道施設の管理に関連する技術が紹介されました。中央アジア側からは、各国における上下水道に関する課題とニーズの発表がありました。
       各セッションにおける日本企業の発表を通じて、日本企業の技術が中央アジアの水資源管理にどのように貢献できるかについての具体的なビジョンが共有されました。
  3. 質疑応答と閉会挨拶
     各セッションにおいて、中央アジア側・日本側双方の間で活発な質疑応答が行われました。最後に、石川誠己中央アジア担当外務省特別代表・大使が閉会挨拶を行い、本会合を通じて、中央アジア各国と日本が直面する水資源管理の課題について有意義な議論と情報交換が行われたことを歓迎した上で、日本政府としても、関係強化に向けた基盤づくりや人脈作りに貢献していきたい旨述べました。
  4. レセプション
     会合後にはレセプションが行われ、松本外務大臣政務官が冒頭の挨拶を行い、会合での発表を受けたネットワーク構築の機会として活用してほしい旨述べました。会合参加者はレセプションにおける意見交換を通じて、更に交流を深めることができました。

(参考)

  1. 「中央アジア+日本」対話は、平成16年8月、川口外務大臣(当時)により、中央アジア諸国との対話と協力の枠組みとして立ち上げられました。
  2. 「中央アジア+日本」対話の枠組みの中では、外相会合、高級実務者会合(SOM)、専門家会合、ビジネス対話、東京対話(有識者による公開シンポジウム)を実施しています。

「中央アジア+日本」対話へ戻る