欧州
安倍昭恵総理夫人のモンゴル・中央アジア訪問
平成27年10月22日から28日まで、安倍総理夫人は安倍総理とともにモンゴル及び中央アジア5か国を訪問し各行事を通じて、(1)日本語教育・日本文化の普及に携わる相手国市民・日本人関係者への支援、(2)各国における女性の社会進出への支援、(3)医療・福祉サービスへの応援、(4)相手国市民との相互理解・交流の促進を中心に、日本と訪問国との交流の進展に努めました。各国ごとの概要は以下のとおりです。
訪問先等一覧
- 1 モンゴル(10月22日)
- ボロルマー大統領夫人との懇談
- 2 トルクメニスタン(10月22日~24日)
- (1)アザディ名称世界言語大学日本語学科学生との懇談
- (2)絨毯博物館視察
- (3)ヌルベルディエヴァ国会議長との昼食会
- (4)母子健康保全学術医療センター視察
- 3 タジキスタン(10月24日)
- (1)タジキスタン国立言語大学関係者との昼食会
- (2)第28番学校・障がい児特別支援教室視察
- 4 ウズベキスタン(10月24日~26日)
- (1)カリモフ大統領夫人との懇談
- (2)ウズベキスタンで活躍する日本人との懇談
- (3)日本と関係の深い若手ウズベキスタン人との昼食懇談
- (4)ウズベキスタン日本人材開発センター視察
- 5 キルギス(10月26日)
- (1)アタムバエフ大統領夫人との懇談
- (2)JICA技術協力「一村一品運動(OVOP)」直営店視察
- (3)国際機関地域代表を務める日本人女性との懇談
- 5 カザフスタン(10月26日~28日)
- (1)児童宮殿視察
- (2)国立博物館視察
- (3)日本語学習者との懇談
概要
1 モンゴル(10月22日)
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ボロルマー夫人及び「ボロル基金」の子供たちとの交流
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「ボロル基金」の子供たちによる歓迎の踊り
安倍総理夫人は、モンゴル大統領公邸においてボロルマー大統領夫人と懇談しました。
ボロルマー夫人からは、同夫人が代表を務める児童養護施設「ボロル基金」の活動や、モンゴルにおいて支援を必要とする子供たちについての説明がありました。その後、モンゴルの民族衣装を身につけた「ボロル基金」の子供たちは、この日のために練習してきたモンゴルの伝統音楽、民謡、踊りのほか日本の童謡を披露しました。演奏後、安倍総理夫人は子供たちと交流を行い、子供たちに対し、本日の交流をきっかけに日モンゴル関係発展の架け橋になっていって欲しい旨を伝えました。
2 トルクメニスタン(10月22日~24日)
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アザディ名称世界言語大学学生との懇談
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絨毯博物館視察
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母子健康保全学術医療センター視察
(1)アザディ名称世界言語大学日本語学科学生との懇談(10月23日)
安倍総理夫人は、トルクメニスタン外務省付属国際関係大学を訪問し、同大学の施設を視察後、アザディ名称世界言語大学日本語学科の日本語履修生をはじめとする学生と交流しました。
学生達は、安倍総理夫人に対して日本語で日本の着物やお祭りや和食などについて質問をしたり、日本での留学経験やトルクメニスタンにおいて日本語の普及に携りたいとの熱意などについて説明しました。安倍総理夫人も学生達に様々な質問を行い、「今回の訪問を機に、日・トルクメニスタン関係がますます深まるよう日本語を学ぶ皆さんに両国の架け橋となってもらえれば嬉しいです。」と伝え、日本語学習に役立つよう、「昭恵文庫」をアザディ名称世界言語大学へ寄贈しました。
(2)絨毯博物館視察(10月23日)
安倍総理夫人は、ヤズムハメドヴァ副首相(文化・マスコミ担当)の案内でトルクメニスタン国立絨毯博物館を訪問し、日・トルクメニスタンの友好関係発展を願う子どもの詩詠や絨毯製作時に歌われる伝統的な歌の歓迎を受けた後、ウールの手織り絨毯を中心とした様々な展示品や絨毯を制作する実際の工程、民族衣装などを視察しました。
(3)ヌルベルディエヴァ国会議長との昼食会(10月23日)
安倍総理夫人は、ヌルベルディエヴァ・トルクメニスタン国会議長主催の昼食会に出席し、ヌルベルディエヴァ国会議長から安倍総理夫人に対し歓迎の意が伝えられました。安倍総理夫人からは温かいおもてなしへの感謝を伝え、トルクメニスタンにおける女性の活躍などについて説明を受けました。
(4)母子健康保全学術医療センター視察(10月23日)
安倍総理夫人は、トルクメニスタン国立母子健康保全学術医療センターを訪問し、各種設備やセンターの主な取組に関する説明を受けながら、施設内を視察しました。同センター長からは、トルクメニスタンが保健医療の中でも特に母子保健を重視しており、日本製をはじめとする最新の医療機器を導入し、女性に対するがんの早期診断治療や小児医療の充実に注力しているとの説明がありました。また、トルクメニスタン初の施設として同センターに開設された3歳未満の要養護児を対象とした発育支援クラスを訪れ、医師と母子が一緒に遊ぶ形で行われる発育支援の様子を視察しました。
3 タジキスタン(10月24日)


(1)タジキスタン国立言語大学関係者との昼食会
安倍総理夫人は、タジキスタンで日本語専門課程を有する唯一の高等教育機関であるタジキスタン国立言語大学関係者と昼食懇談しました。
学生達からは歓迎の歌及びタジク民族舞踊が披露され、その後の懇談では、大学関係者からタジキスタンにおける日本語教育の充実に向けた取組などについて説明がありました。学生たちからは、日本語を勉強するようになったきっかけなどの個人的体験や思い出にも触れながら、日本語取得への熱意について話がありました。安倍総理夫人からは、タジキスタンにおける日本語学習環境がさらに高まり、日本とタジキスタンとの架け橋となる若い人々がたくさん巣立っていくことを期待する旨を伝え、同大学に対して「昭恵文庫」を寄贈しました。
(2)第28番学校・障がい児特別支援教室視察
安倍総理夫人は、ジャッボーリー副首相の案内で、日本から生まれた国際NGO「難民を助ける会」とタジキスタンのNGO「ロシュディ」が協力し合って障がい児支援に携わっている公立第28番学校の障がい児特別支援教室を訪問し、児童らによるタジク伝統楽器演奏と民族舞踊で歓迎を受けた後、学校概要及び活動の説明を受け、障がいを持つ子どものリハビリや補習授業を行う支援教室を視察し、リハビリを行う児童らと交流を行いました。
4 ウズベキスタン(10月24日~26日)
(1)カリモフ大統領夫人との懇談(10月25日)
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カリモフ大統領夫人との懇談
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大統領夫人の案内による伝統工芸視察
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大統領夫人の案内によるバザール視察
安倍昭恵総理夫人は、大統領公邸においてタチヤナ・カリモフ大統領夫人と懇談しました。
安倍総理夫人は、9年ぶりとなる日本の総理大臣訪問の機会にウズベキスタンを訪問できたことへの喜びの気持ちを伝えつつ、今回の訪問を通じて日本とウズベキスタンの方々との交流がより深まる機会となることを期待している旨伝えました。カリモフ大統領夫人は、安倍総理夫人の訪問に歓迎の気持ちを述べつつ、滞在中にウズベキスタンの伝統文化や生活により多く触れ、今回の訪問の良き思い出としてほしいと伝えました。その後、安倍総理夫人はカリモフ大統領夫人の案内で、ウズベキスタンの伝統工芸品や民族衣装の展示を視察したほか、首都タシケント市内のアライ・バザールを訪問し、ウズベキスタンの人々の日々の生活を支える市場を視察しました。
(2)ウズベキスタンで活躍する日本人との懇談(10月25日)
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ウズベキスタンで活躍する日本人との懇談
安倍総理夫人は、ウズベキスタンで活躍する日本人の方々と懇談しました。懇談には、菅野怜子タシケント国立東洋学大学日本語講座准教授、河村信宏ナボイ劇場フルート奏者、藤田忍日本センター・ビジネスコース講師、佐藤穣サッカー選手が参加しました。
安倍総理夫人からは、「当地における日本人の方々の真摯な仕事振りのおかげで、ウズベキスタンの方々に日本人に対する親近感や敬意を持っていただいているとうかがいました。日本から遠く離れた異国の地で活躍している皆さんに、改めて敬意を表します。」と伝え、参加者の様々な分野での活動を称えました。参加者の方々からは、日本語教育、音楽、サッカー、社会人教育というそれぞれの活動分野で、ウズベキスタンの現地の方々との温かい交流等について紹介がありました。
(3)日本と関係の深い若手ウズベキスタン人との昼食懇談(10月25日)
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日本と関係の深い若手ウズベキスタン人との昼食懇談
安倍総理夫人は、日本と関係が深い若手ウズベキスタン人との昼食懇談会を行いました。懇談には、エルドール・エルムロドフ名古屋大学ウズベキスタン事務所副所長、ムロド・ナザロフ「ムロド・ビルディング」社長、オリガ・キム茶道クラブ主宰者、ノジマ・ユルダシェヴァ・タシケント法科大学日本法教育センター日本語講師が参加しました。
冒頭、安倍総理夫人からは、「ウズベキスタンで日本についてより多くの人々に知ってもらう上で、皆さんの活動を通じて日本語や日本文化に対する関心が高まることは大変ありがたいと思っています。」と伝え、日本語学習経験を実際に活かしたそれぞれの活動に敬意を表しました。
出席者からは安倍総理夫人に対してそれぞれの活動の紹介が行われ、ウズベキスタンの人々が日本語や茶道を始めとする日本文化にとても高い関心を持っているとの説明がありました。
(4)ウズベキスタン日本人材開発センター視察(10月25日)
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ウズベキスタン日本人材開発センター視察
安倍総理夫人は、2001年に日本・ウズベキスタンによる共同事業として開設・運営されている日本センターを訪れました。開設後約15年間で延べ72万人以上のウズベキスタンの市民が利用する日本センターは、最新の経営ノウハウを学ぶビジネスコース、日本語や茶道等を通じた相互理解促進事業に取り組んでいます。
安倍総理夫人は、日本センター受講生有志によるウズベキスタンの民族音楽の演奏によって迎えられ、日本語コース受講生と日本語を交えて交流しました。また、日本センター・ビジネスコースに立ち寄り、日本のマーケティング手法を学ぶ受講生に対して、「皆さんがここで学んだ知識を生かしてビジネスで成功するとともに、ビジネスの分野においても、日本とウズベキスタンとの交流が一層進展することを願っています。」と挨拶しました。
5 キルギス(10月26日)
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アタムバエフ大統領夫人との懇談
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JICA一村一品運動直営店視察
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国際機関地域代表を務める日本人女性との懇談
(1)アタムバエフ大統領夫人との懇談
安倍昭恵総理夫人は、キルギス大統領公邸においてアタムバエフ大統領夫人と懇談しました。
アタムバエフ大統領夫人からは、2013年2月の訪日以来の再会を大変嬉しく思う旨が伝えられ、安倍総理夫人からは、現職の日本の総理大臣として初めてとなるキルギス訪問の実現は大変嬉しく、今回の訪問を契機に多くの日本の人々にキルギスのことを知ってもらえるよう期待する旨を伝えました。
懇談後、安倍総理夫人はアタムバエフ大統領夫人の案内で遊牧民族をルーツに持つキルギス民族の伝統工芸品であるフェルトを用いた工芸品等について説明を受けました。
(2)JICA技術協力「一村一品運動(OVOP)」直営店視察
安倍総理夫人は、アタムバエフ大統領夫人と共に、JICA技術協力「一村一品運動(OVOP)」の直営店を視察しました。原口JICA専門家から、「一村一品運動」の説明を受けた後、生産者による製造デモンストレーションが行われ、その運動の一環で生産された蜂蜜やジャムを試食しました。
その後、安倍総理夫人は、キルギス北西部のイシククリ湖周辺の農村地帯で活動する生産者等プロジェクト関係者3名及び原口JICA専門家と懇談しました。生産者らは、「地域の名産品や特質を活かした商品づくりは、近隣諸国や観光客からの需要もあり、「一村一品運動」のおかげで徐々に地域の活性化につながっています。「一村一品運動」という日本の経験を紹介していただき、その普及を支援いただき有り難く思っています。」と述べました。
アタムバエフ大統領夫人からは、「すでに142ものグループが「一村一品運動」に加わっていると聞き、皆さんの取組が成功することを心から願っております。日本がキルギスにおいて地方の活性化を支援していることは、日・キルギス関係にとっても重要なことです。これからも頑張ってください。」と伝えました。
(3)国際機関地域代表を務める日本人女性3名との懇談(10月26日)
安倍総理夫人は、平岡理恵ADB(アジア開発銀行)キルギス事務所代表、杢尾雪絵UNICEF(国連児童基金)キルギス事務所代表、篠原万希子UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)キルギス事務所代表と懇談し、これまでの経験やキルギスにおける活動、国際機関における女性の活躍や「女性が輝く社会」などについて意見交換が行われました。
6 カザフスタン(10月26日~28日)
(1)児童宮殿視察(10月27日)
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児童宮殿(マスコミ・クラブ訪問)
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児童宮殿(ダンス・クラブ訪問)
安倍総理夫人は、児童宮殿を訪問し、児童・生徒たちと交流しました。児童宮殿は、半日制の初等・中等教育が一般的なカザフスタンにおいて、放課後のクラブ活動を行う場として設立された施設です。
ブラタエヴァ児童宮殿副館長の出迎えを受けた安倍総理夫人は、まずマスコミ・クラブを訪問しました。マスコミ・クラブでは、子ども記者によるインタビューが行われ、安倍総理夫人は、子ども達から子どもの頃の夢や困難を克服する方法、日本人にとっての富士山や桜とは何かなどの多くの質問を受けました。その後、マスコミ・クラブの同行取材を受けながら、ダンス・クラブを訪問した安倍総理夫人は、子どもたちによるダンスの歓迎を受け、また、カザフスタンの民族舞踊や歌唱のレッスンなどが披露されました。
安倍総理夫人は交流の中で子どもたちに対し、今後もクラブ活動に取り組み、今回の訪問が日・カザフスタンの若い世代の交流が広がるきっかけとなれば嬉しい旨を伝えました。
(2)国立博物館視察(10月27日)
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国立博物館視察
安倍総理夫人は、カザフスタンの歴史や文化について展示する国立博物館を視察し、カザフスタンの歴史、カザフ民族の文化や美術、首都アスタナの歴史等について展示を見ながら説明を受けました。また、遊牧民の住民であるユルトに招き入れられ、遊牧民の生活スタイルや風習について説明を受けました。
(3)日本語学習者との懇談(10月27日)
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日本語学習者との懇談
安倍総理夫人は、「カザフスタン・日本人材開発センター(通称:日本センター)」アスタナ分室及びユーラシア大学国際関係学部日本語講座の日本語学習者と懇談を行いました。
安倍総理夫人の質問に対し、多くの学生が、今後も日本語の学習を継続し、留学や仕事で日本との関係に携わっていきたいとの希望を語り、安倍総理夫人からは、今回の交流をきっかけに日本語学習が益々盛んになるよう期待をこめてユーラシア大学及び日本センターに対して「昭恵文庫」が寄贈されました。
(参考)「昭恵文庫」
安倍総理夫人は、訪問国における日本語学習、そして日本文化の更なる普及や交流の促進に役立つようにとの願いから、関連団体の協力を得て、海外訪問先の日本人学校や日本文化のプログラムプログラムを実施する学校や大学に日本関連書籍や日本語教材を寄贈しています。