欧州
「中央アジア+日本」対話・第6回専門家会合
クリーンエネルギー開発と中央アジアの新たな可能性の実施(結果)
令和3年3月24日
- 3月18日、外務省と一般財団法人・日本エネルギー経済研究所の共催により、「中央アジア+日本」対話・第6回専門家会合「クリーンエネルギー開発と中央アジアの新たな可能性」が開催され、中央アジア5か国(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン)と日本の専門家との間で意見交換が行われました。
- 德田修一中央アジア担当外務省特別代表による冒頭挨拶及び本会合の意義と「中央アジア+日本」対話の取組に関する説明に続き、伊藤庄一日本エネルギー経済研究所戦略研究ユニット研究主幹による基調講演では、中央アジアにおいて、クリーンエネルギー開発を実現することは、域内の持続可能な成長をもたらすだけでなく、世界の低炭素化に対する能動的・積極的な貢献に結び付くことについて、データを交えて説明がありました。また、アフガニスタンの安定や水資源の平和利用を含む地政学的な問題の解決は、中央アジア全体の長期的な利益にとり不可欠であると述べた上で、問題意識を共有する専門家や政策決定者、その他のステークホルダーから成るネットワークの拡充や必要な人材育成に向けた動きが今後強化されることを期待するとの発言がありました。
- パネルディスカッション・セッション1「中央アジア諸国のクリーンエネルギー政策の現況と課題」では、中央アジア5か国の出席者がそれぞれ自国におけるクリーンエネルギー開発の取組等を紹介した後、中央アジアにおける再生可能エネルギー開発の今後の見通しなどに関する議論が行われました。
- パネルディスカッション・セッション2「中央アジアの鉱物資源ポテンシャルとクリーン且つ持続可能な発展に向けて」では、秋田大学国際資源学研究科の稲垣文昭講師から、クリーンエネルギー開発において鉱物資源をいかにクリーンに活用していくかが極めて重要となることについて説明がありました。続いて同研究科の川村洋平教授から、秋田大学国際資源学教育研究センター(ICREMER)における海外とのネットワーキングの取組について紹介がありました。その後、中央アジア5か国の出席者がそれぞれ自国における鉱物資源開発の状況について説明し、中央アジアの鉱物資源政策について議論が行われました。
- 最後に総括として、伊藤研究主幹から、「中央アジア+日本」対話のテーマとしてクリーンエネルギーを議論することは時宜にかなっていること、また、世界的に低炭素化を進めていく上で鉱物資源をクリーンに活用していく取組が進められる中で、「中央アジア+日本」対話の枠組みも活用しつつ、中央アジアの鉱物資源の重要性についてさらに議論を深めていく必要があるとの総括を述べた上で、日本と中央アジアが協力して透明性など市場のグローバル・スタンダードを示していくことが双方の利益につながるとの発言がありました。