ドイツ連邦共和国
日独首脳会談
令和4年4月29日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
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4月28日、午後6時40分から、テタテ(一対一)の会談を含め約70分間、岸田文雄内閣総理大臣は、実務訪問賓客として訪日中のオラフ・ショルツ・ドイツ連邦共和国首相(H.E. Mr. Olaf Scholz, Chancellor of the Federal Republic of Germany)と首脳会談を、また、午後8時55分から約85分間、夕食会を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭
- (1)岸田総理大臣から、ショルツ首相がアジア初の訪問国として日本を選んだことを緊密な日独関係の表れとして歓迎する旨述べるとともに、日本とドイツは、普遍的価値を共有する戦略的パートナーであり、国際社会が多くの困難な課題に直面する中で、二国間協力の更なる強化や、本年と来年にドイツと日本が各々議長国を務めるG7の枠組みでの緊密な連携について協議したい旨述べました。
- (2)これに対して、ショルツ首相は、岸田総理大臣による歓迎に対して感謝を述べるとともに、本年と来年のG7議長国として、日独間で連携していきたい旨述べました。
- 二国間関係
- (1)安全保障協力と「自由で開かれたインド太平洋」
岸田総理大臣から、ドイツがインド太平洋への関心と関与を強めていることを高く評価した上で、日独情報保護協定の締結、日独「2+2」の開催、独海軍フリゲート艦の日本寄港など、日独間の安全保障協力は飛躍的に深化した旨述べました。また、両首脳は、第二回目の日独「2+2」の早期開催を含め「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、引き続き、日独間で緊密に連携していくことを確認しました。 - (2)経済安全保障
岸田総理大臣から、経済安全保障を重視し、優先課題の一つとして取り組んでおり、現在、経済安全保障を強化するための法案を国会で審議している旨紹介しました。両首脳は、この分野においても日独で連携していくことで一致しました。 - (3)西バルカンでの日独協力
両首脳は、西バルカン地域が、普遍的価値に基づき、平和と繁栄を実現していくためには、EU加盟こそ最善の道であるとの認識を共有し、日独両国の協力により、今月、セルビア南部のコミュニティ・センター改修案件が実現したことを歓迎するとともに、引き続き、日独協力を推進していくことで一致しました。 - (4)政府間協議の立ち上げ
両首脳は、日独が幅広い分野で協力を推進していくために、新たに首相及び複数の閣僚が参加する政府間協議を立ち上げ、来年の開催を目指すことで一致しました。
3 国際情勢
- (1)岸田総理大臣から、ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがすものであり、日本はドイツを含む各国と協調し、強力な対露制裁を実施するとともに、ウクライナへの支援を強化していること、また、欧州とインド太平洋の安全保障を切り離すことはできず、力による一方的な現状変更は世界のどこであれ断じて許されない旨を述べ、ショルツ首相ともこれらの点について一致しました。両首脳は、G7が引き続き結束・連携して対応していくことの重要性を改めて確認しました。なお、日本国民から駐日ウクライナ大使館に寄せられた支援物資を、ドイツ側の協力により、ドイツの政府専用機で輸送することとなりました。
- (2)両首脳は、東シナ海及び南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対しました。また、北朝鮮の核・ミサイル活動の活発化への深刻な懸念を共有し、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き連携していくことを確認しました。
- (3)気候変動問題について、岸田総理大臣から、日本は2050年カーボン・ニュートラルの実現及びそれに整合する野心的な2030年目標の達成に向け、あらゆる政策を総動員して取り組んでいる旨述べました。両首脳は、世界のカーボン・ニュートラル実現に向け協力していくことを確認しました。
- (4)両首脳は、アフガニスタン、イラン等、その他の地域・国際情勢についても率直な意見交換を行いました。