G7
G7プーリア・サミット
セッション1「アフリカ、気候変動、開発」概要
令和6年6月13日


現地時間6月13日11時30分(日本時間18時30分)から約80分間、岸田文雄内閣総理大臣は、G7プーリア・サミットのセッション1「アフリカ、気候変動、開発」に出席したところ、概要は以下のとおりです。
- 岸田総理から、世界が複合的な危機に直面している中、昨年のG7広島サミットで強調した、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の堅持、グローバルサウスを始めとするG7を超えた国際的なパートナーへの関与の強化という二つの視点は、我々がロシアによるウクライナ侵略の継続や中東情勢の緊迫化などの新たな挑戦に直面している中で一層重要である旨述べました。岸田総理は、こうした視点が本年のG7伊議長下でも引き継がれていることを歓迎し、国際社会が直面する諸課題への対応をG7が主導するとの姿勢を改めて世界に示したいと述べました。
- アフリカ
- 岸田総理から、アフリカ側の声に寄り添った協力の拡充の重要性を強調し、グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)を始めとした取組をアフリカのニーズに沿う形で一層推進しつつ、G7各国の取組を連動させて相乗効果を発揮すべきである旨述べました。また、日本はアフリカを共に成長するパートナーとして位置付け、かかる観点に立って30年以上にわたりアフリカ開発会議(TICAD)プロセスでアフリカを支援してきていることを紹介しました。更に、来年8月に開催予定の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)においてアフリカ諸国との連携を一層強化したい旨述べ、今回のG7での成果をTICADにも繋げていきたいと強調しました。
- 岸田総理から、南アフリカが次期議長を務めるG20への対応も重要な課題である旨述べ、G20にはアフリカ連合(AU)も正式加盟し、従来以上にアフリカの声を聞く必要があることを強調しました。また、G20の主要課題ともなっているグローバル・ガバナンス改革はアフリカの要請でもあることを指摘し、9月の未来サミットや来年の国連80周年に向け、安全保障理事会の改革を含めた国連の機能強化にG7としてコミットし、具体的に貢献する姿勢を示すべきである旨述べるとともに、多国間開発金融機関(MDBs)改革へのアフリカの期待も大きく、共に取り組んでいきたい旨述べました。
- 気候変動
- 岸田総理から、アフリカにとり気候変動に起因する洪水、干ばつ、海面上昇等は深刻かつ切迫した脅威となっており、こうした災害や自然環境の変化は国内避難民や国外への移民発生にもなっていることを指摘し、こうした状況への対応も含め、日本は様々な支援をアフリカに行ってきていることを説明しました。
- 岸田総理から、アフリカの持続可能な開発を確保する観点からも、世界全体で気候変動対策を推進する必要があり、G7が引き続き先頭に立ちつつ、主要排出国も排出削減を実行することが重要である旨述べました。また、岸田総理から、アフリカを含む脆弱国に対する適応及び強靱性強化のための支援に戦略的に取り組む必要があると述べた上で、気候資金の世界的取組に関して、日本の取組も紹介しつつ、先進国以外の主要経済国も然るべく貢献するような枠組の設定が必要である旨指摘しました。
- 開発
岸田総理から、上記の取組を進めるにあたり、人間の尊厳や人間の安全保障を重視しつつ、SDGs達成に向けて引き続き注力することが重要であると指摘しました。また、引き続きMDBs改革の進展を通じ、途上国に譲許性の高い開発資金を効果的に配分するなど、目に見える成果を示していきたい旨述べました。 - ジェンダー
岸田総理から、昨年のG7広島サミットではジェンダー主流化の推進を確認し、日本は幅広い分野でジェンダー平等についての議論に注力してきたことを説明し、こうしたG7のコミットメントを示し続けていきたいと述べました。また、世界中で武力紛争や自然災害等が頻発している今、女性・平和・安全保障(WPS)の推進は一層重要である旨指摘し、特にアフリカを含め危機的な状況下での女性及び女児の権利の擁護が必要であり、G7の取組を更に推進していきたいと述べました。 - G7首脳は、アフリカの声に寄り添いながら、気候変動や開発を始めとする諸課題への対応においてG7が一層緊密に連携していくことを確認しました。