G7/G8
G7首脳テレビ会議
令和4年10月12日

10月11日、午後9時(日本時間)から約90分間、本年のG7議長国ドイツの呼びかけによりG7首脳テレビ会議が行われ、岸田文雄内閣総理大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。今回の会議では、ヴォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領(H.E. Mr. Volodymyr ZELENSKYY, President of Ukraine)が冒頭に発言し、その後G7首脳間で議論が行われました。会合後、G7首脳声明が発出されました。
1 ロシア・ウクライナ情勢
- (1)岸田総理大臣は、昨日及び本日、ウクライナ各地への攻撃が行われ、多くの市民が犠牲になっていることを極めて深刻に受け止めている旨述べました。民間人や民間施設への攻撃は、いかなる理由であれ、断じて正当化できないものであり、ロシアを強く非難する旨述べました。また、岸田総理大臣は、先般のウクライナにおける「住民投票」と称する行為及びロシアによる違法な「併合」は、ウクライナの主権と領土一体性を侵害し、国際法に違反する行為であり、決して認められないと述べ、グローバル・サウスを含む各国がこれを決して承認することがないよう、国際社会に呼びかけていくことの重要性を訴えました。
- (2)岸田総理大臣は、我々が核兵器不使用の歴史を77年継続してきたことを指摘しつつ、ロシアによる核兵器の威嚇も、ましてや使用もあってはならず、ウクライナを新たな被爆地にしてはならないと改めて強調しました。岸田総理大臣は、強力な対露制裁とウクライナ支援を継続していくことが不可欠である旨述べ、日本としても、90のロシアの個人・団体への資産凍結措置を新たに講じたところであり、今後も更なる措置を検討していく旨表明しました。
- (3)議論の結果、G7首脳は、ウクライナの民主的で繁栄した未来を確保するために引き続きG7で結束していくことを確認しました。
2 軍縮・不拡散、北朝鮮
- (1)岸田総理大臣は、ロシアによる核使用の脅しや、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展は、核の脅威を改めて示していると提起しました。岸田総理大臣から、北朝鮮は極めて高い頻度でのミサイル発射を続けており、10月4日に日本上空を通過する形で発射されたミサイルは、過去最長の距離を飛翔した旨を紹介し、日本にとっての重大な脅威にとどまらず、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり、こうした暴挙は決して受け入れられない旨強調しました。
- (2)岸田総理大臣は、こうした中で核軍縮のモメンタムの維持・強化が極めて重要である旨述べ、来年のG7広島サミットも念頭に、日本が国連に提出する核兵器廃絶決議案や国際賢人会議などを活用しつつ、NPT運用検討会議で発表した「ヒロシマ・アクション・プラン」に沿って現実的かつ実践的な取組を一層強化していく意向を表明しました。
3 エネルギー
岸田総理大臣は、廉価なエネルギーへのアクセスはベーシック・ヒューマン・ニーズである旨述べつつ、G7を中心に国際社会が連携して、エネルギー価格の高騰に対処することの重要性を訴えました。また、岸田総理大臣は、危機への対応や市場の安定確保のため、OPECプラス等のエネルギー産出国への働きかけを続けていくことが必要である旨指摘しました。