経済外交
G7 ブリュッセル・サミット
(概要:初日夕食会)
平成26年6月4日
6月4日夜(現地時間),G7サミット初日の夕食会がブリュッセルで開催され,午後8時過ぎから約2時間40分程度,ウクライナを中心に外交政策について首脳間で率直かつ活発な議論が行われたところ,会合の概要以下のとおり。会合後に,外交政策に関するコミュニケが発出された(コミュニケ骨子/仮訳/英文)。
5日には,外交政策について更に議論されるほか,世界経済,エネルギー・気候変動,開発について議論が行われ,既に発出された外交政策以外の項目についてのコミュニケが発出される予定。
なお,外交政策に関するコミュニケに関しては,時間の都合上,4日の夕食会で議論がなされなかった部分についても,夕食会の中で案文が首脳間に配布され,内容につき合意した上で,発出されることになった。
出席者
EU:ファン=ロンパイ欧州理事会議長及びバローゾ欧州委員会委員長,独:メルケル首相,伊:レンツィ首相,加:ハーパー首相,仏:オランド大統領,米:オバマ大統領,英:キャメロン首相,日本からは,安倍総理が出席。
1 ウクライナ
ポロシェンコ次期大統領の歓迎,ウクライナ支援の重要性,ロシアに対する外交的解決の呼びかけ等につき一致し,引き続き,G7として一致団結して対応していくことを確認。安倍総理からは,(1)ウクライナの安定確保,(2)ロシアとの関係を中長期的に検討する必要性を提起。前者については,ウクライナによる改革努力を後押ししていく必要性等を指摘した。後者については,力を背景とする現状変更は許されず,ロシアの行為は許されないとした上で,ロシアを国際社会の諸問題に責任ある立場で関与させていく必要性を指摘した。また,この問題はアジアを含むグローバルな情勢に影響を有するものであり,日本として積極的に議論に参加していくことを表明した。
2 東アジア情勢(航行・飛行の自由)
安倍総理が議論をリード。安倍総理から,航行・飛行の自由に関し,東シナ海,南シナ海における緊張の高まりを紹介し,世界のどこであっても「力を背景とした現状変更」を許してはならないことを訴え,先般シンガポールで総理が表明した3原則,すなわち,いかなる主張も,(1)国際法に基づくべきであり,(2)力による威嚇は許されず,(3)平和的に解決されるべき,との原則を説明し,G7各国から強い支持を得た。また,G7首脳は,全ての当事者に対し,領土又は海洋に係る権利の主張を国際法に基づいて明確にし,追求することを求めることで一致した。