ペルー共和国
高村外務大臣政務官のペルー訪問(結果)
5月15日から20日まで、高村外務大臣政務官は、ペルー(リマ及びアレキパ)を訪問しました。
ペルーでは、APEC貿易・女性担当大臣合同会合及びAPEC貿易担当大臣会合に出席したほか、各国政府要人との会談等を行いました。概要は以下のとおりです。
1 各国政府要人との会談
(1)エリック・アンデルソン・マチャド・ペルー外務省官房長(副大臣代行)

16日、高村政務官は、エリック・アンデルソン・マチャド・ペルー外務省官房長(外務副大臣代行)(H.E. Mr. Eric Anderson Machado, Secretary General of the Ministry of Foreign Affairs of the Republic of Peru)との会談を行いました。
高村政務官から、昨年は外交関係樹立150周年を機に両国の友好関係が一層深まり、本年は日本人のペルー移住125周年に当たり、二国間関係の更なる強化を図りたい旨述べた上で、本年、ペルーのAPEC議長としてのリーダーシップに感謝し、戦略的パートナーであるペルーとの協力は重要である旨述べました。
これに対し、アンデルソン官房長から、高村政務官のペルー訪問を歓迎するとともに、戦略的パートナーである日本との間で、二国間のみならずマルチにおける協力を深化させたい旨述べ、日本の大きなプレゼンスがあるペルーの経済・商業分野において、先般両国が署名したアマソナス州におけるG2G(政府間合意)幹線道路整備事業は、日本がペルーの発展に貢献していることを示す良い例であり、引き続き協力していきたい旨述べました。
両者は、日本とペルーの関係を一層強化すべく、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
(2)ルイス・アルトゥロ・アレグリア・ガルシア・ペルー日本友好議員連盟会長

16日、高村政務官は、ルイス・アルトゥロ・アレグリア・ガルシア・ペルー・日本友好議員連盟会長(Hon. Mr. Luis Arturo Alegría García, President of Peru-Japan Parliamentary Friendship Association)との会談を行いました。
高村政務官から、ヘルバシ前外相が訪日した際に、日本に寄港したペルー海軍帆船ウニオン号での式典に日ペルー友好議連を代表して出席するなど、議員としても両国関係の強化に携わってきた旨述べるとともに、世界的なサプライチェーンの強靱化に向けて、鉱物資源の生産国としてのペルーの重要性に注目している旨述べました。
これに対し、アレグリア・ペルー・日本友好議連会長から、両国の間には、歴史や日系人に加え、食を始めとする文化的なつながりを含め、様々な分野で強い結びつきがあり、ペルーにとって日本は重要な国である旨述べ、今後も日本との交流促進に取り組みたい旨述べました。
両者は、引き続き緊密に連携し、議員交流の活性化に向けて協力していくことで一致しました。
(3)アンヘラ・エルナンデス・カホ・ペルー女性社会的弱者大臣

16日、高村政務官は、アンヘラ・エルナンデス・ペルー女性社会的弱者大臣(H.E. Ms. Ángela Teresa Hernández Cajo, Minister of Women and Vulnerable Populations of the Republic of Peru)との会談を行いました。
高村政務官から、昨年は外交関係樹立150周年に当たり、佳子内親王殿下のペルー御訪問や外相の相互訪問が実現し両国の友好関係が一層深まった旨述べ、本年は日本人のペルー移住125周年に当たり、両国の交流が更に活発になることを期待する旨述べました。また、開発協力に関して、ペルーにおいて男女間の就業機会の格差が深刻な社会課題になっていることを念頭に置いた支援を実施していきたい旨述べました。さらに、国際社会の平和と安定、反映を実現する上で、法の支配や人権といった価値・原則のみならず、女性・平和・安全保障(WPS)の視点も重要であり、日本は主要外交政策の一環としてWPSを推進していることを紹介し、WPSの主流化ついて連携したい旨述べました。
これに対し、エルナンデス大臣から、今次APECでは女性と経済をテーマに多くの会合を実施する予定であり、デジタル分野における女性や子どものエンパワーメントを推進していく、特に日本とは自然災害の多い国であるという共通点を有することから女性と防災というテーマについて、日本の知見を共有してほしい旨述べ、両者は、女性の活躍を含む幅広い分野で日本とペルーの関係を一層強化すべく引き続き連携していくことで一致しました。
(4)ズルキフリ・ハッサン・インドネシア商業大臣

17日、高村政務官は、ズルキフリ・ハッサン・インドネシア共和国・商業大臣(H.E. Mr. Zulkifli Hasan, Minister of Trade of the Republic of Indonesia)と会談を行いました。
高村政務官から、日本が議長国を務めた昨年のG7貿易大臣会合でのズルキフリ大臣の貢献に感謝の意を示すとともに、昨年は、日インドネシア外交関係開設65周年で、日ASEAN友好協力50周年という歴史的な節目の年であり、二国間関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げできたことは意義深い旨述べました。また、本年、インドネシアにおいて大統領選挙・総選挙が円滑に実施されたことに祝意を表すとともに、新政権との間で二国間関係を更に発展させていきたい旨述べました。
これに対し、ズルキフリ大臣から、G7での日本の配慮に感謝の意を表すとともに、大統領選挙が平和的にまた民主主義的に行われたことは喜ばしい旨述べました。また、新政権下でも、独立当初から多大な支援を受けている日本との友好関係は変わらず、更に絆を強めていきたい、特に日本との貿易投資関係の一層の拡大を図っていきたい旨述べました。
両者は、日インドネシアEPA(経済連携協定)改正議定書の早期署名や自由で開かれたインド太平洋の実現に向け緊密に連携するとともに、OECDやWTOを含むマルチにおける協力を強化していくことで一致しました。
(5)ティム・エアーズ豪州貿易・製造業補佐大臣

17日、高村政務官は、ティム・エアーズ・オーストラリア貿易・製造業補佐大臣(The Honourable Tim AYRES, Assistant Minister for Trade and Manufacturing)との会談を行いました。
高村政務官から、国際情勢がますます厳しく複雑化する中、両国が戦略的課題について緊密に意思疎通することは一層重要になっており、同志国連携の中核である豪州と引き続きしっかり連携していきたい旨述べるとともに、APEC、CPTPP、OECD、WTO等における国際場裡での協力を一層強化していきたい旨述べました。
これに対し、エアーズ大臣から、防衛や戦略的課題への対応はもちろん、自身の所掌のエネルギー・貿易においても日本は重要なパートナーであり、これからもあり続ける旨述べるとともに、鉱物資源や水素等の分野においても両国間の協力を強化したい旨述べました。また、AI分野においては日本が議論を牽引しており、岸田総理が出席したOECD閣僚理事会において日本が示したリーダーシップに感銘を受けた旨述べ、日本が国際社会で果たしている役割を高く評価する旨述べました。
両者は、二国間関係に加え、地域・国際社会の諸課題に関して連携を強化していくことで一致しました。
(6)テレサ・ステラ・メラ・ゴメス・ペルー共和国・通商観光省通商副大臣

18日、高村政務官は、テレサ・ステラ・メラ・ゴメス通商観光省通商副大臣(H.E. Ms. Teresa Stella MERA GÓMEZ, Vice-Minister for Foreign Trade of the Ministry of Foreign Trade and Tourism of the Republic of Peru)との会談を行いました(石井経済産業大臣政務官も同席)。
高村政務官から、昨年は、外交関係樹立150周年に当たり、佳子内親王殿下がペルーを御訪問されるなど両国の友好関係が一層深まったことは喜ばしい旨述べました。また、本年のAPEC議長としてのペルーのリーダーシップに感謝するとともに、APEC初の試みとして、貿易と女性の担当大臣の合同会合を開催されたことを歓迎する、11月の首脳会議の成功に向けて緊密に協力したい旨述べました。
これに対し、メラ副大臣から、今回アレキパにおけるAPEC貿易大臣会合及び合同会合に出席していただいたことに感謝するとともに、11月の首脳会合に向けて引き続き連携したい旨述べました。また、日本からはこれまでに多くの支援を受けており、日本との間ではCPTPPや二国間のEPA等の経済的枠組みがある、貿易や投資の面に加えて、安全保障、防災、農業等の幅広い分野において一層の関係強化を図っていきたい旨述べました。
両者は、現下の厳しい国際情勢の中、自由や民主主義といった価値や原則を共有する「戦略的パートナー」として、両国間で引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
(7)グレース・フー・シンガポール持続可能性・環境大臣兼貿易関係担当大臣

18日、高村政務官は、グレース・フー・シンガポール持続可能性・環境大臣兼貿易関係担当大臣(H.E. Ms. Grace FU Hai Yien, Minister for Sustainability and the Environment and Minister-in-charge of Trade Relations)との会談を行いました。
高村政務官から、ウォン新首相及び新内閣の誕生に祝意を表するとともに、2年連続で両国首脳の要人訪問が実現するなど、緊密な往来・交流ができており、2026年には日・シンガポール外交関係樹立60周年を迎えることを視野に、経済や人的交流に加えて、デジタル、気候変動、安全保障を含む幅広い分野において二国間関係を強化するとともに、WTOやIPEF等を通じた国際場裡における連携を強化していきたい旨述べました。
これに対し、フー大臣から、シンガポールは金融を始めとする分野で日本の投資の恩恵を受けている旨述べるとともに、日本とシンガポールは人口や経済の規模は異なるものの多くの共通点を有しており、外交関係樹立60周年を念頭に両国間で議論を深め、今後も、グリーンエコノミーの推進、気候変動対策、脱炭素化等の多岐にわたる分野で日本と協力していきたい旨述べ、貿易面での方向性を共有する同志国として、自由貿易推進の機運を高めていきたい旨述べました。
両者は二国間関係の更なる深化や地域・国際的な課題への対応に向けて、引き続き連携していくことで一致しました。
2 視察等
(1)ペルー日系人協会訪問


16日、高村政務官は、ペルー日系人協会を訪問し、日ペルー文化会館において日系人代表との懇談を行いました。高村政務官から、日本人のペルー移住125周年を迎える本年に、両国間での行事やイベントを通じて、交流が更に活発になることを期待している旨述べました。
これに対し、フランシスコ・オカダ・ペルー日系人協会会長から、日本人のペルー移住125周年という特別な年に、高村政務官を迎えることができたことに謝意を述べました。両者は、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
その後、高村政務官は、日本人ペルー移住史料館を視察し、125年の歴史を有するペルー日系人社会の歴史について説明を受けました。
(2)日系企業関係者との懇談

16日、高村政務官は、日系企業関係者と懇談し、ペルーでのビジネスの現状や日ペルー経済関係の今後の展望等について意見交換を行いました。
(3)全米日系人博物館

19日、高村政務官は、米国ロサンゼルスにおいて、米国で最大の日系人博物館である全米日系人博物館(JANM)を訪問し、博物館関係者の説明を受けつつ、日系米国人の歴史についての展示を視察しました。JANMは、ロサンゼルス市リトル東京の一角にあり、1992年に開館し、日系米国人の歴史と体験を伝える重要な役割を果たしています。