APEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)

平成30年5月26日
(写真1)貿易担当大臣会合集合写真(APEC事務局ホームページより) 貿易担当大臣会合集合写真(APEC事務局ホームページより)
(写真2)閣僚記者会見 閣僚記者会見

 5月25日及び26日,パプアニューギニア・ポートモレスビーにおいて,APEC貿易担当大臣(Ministers Responsible for Trade: MRT)会合が開催された。APEC21エコノミーの貿易担当閣僚等が参加し,我が国からは西銘恒三郎経済産業副大臣及び堀井学外務大臣政務官が出席した。今次会合では,多角的貿易体制の支持,持続可能で包摂的な成長の促進,地域経済統合と連結性の深化,2020年以降のAPECのビジョン等について議論が行われ,声明骨子(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)及び「多角的貿易体制の支持に関する議長声明(骨子(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」がとりまとめられた。

(注) 議長声明:APECエコノミーの太宗の(prevailing)見解の評価であるとの議長の判断を反映したもの。

1 我が国(堀井学外務大臣政務官)からの発言概要

  • (写真3)発言する堀井政務官
    発言する堀井政務官
  • APECが目標として掲げる自由貿易は,平和と繁栄の礎。日本は自由貿易の旗手としてこれを引き続き力強く推進。保護主義は決して便益をもたらさない。
  • 国際的なルールに則り,貿易・投資の自由化と連結性の強化によって繁栄するアジア太平洋地域は,日本が志向する自由で開かれたインド太平洋戦略の重要な一部。
  • WTOを中心とする多角的貿易体制を支持。レベル・プレイング・フィールドの確保や市場歪曲的措置の是正に取り組むことが重要。
  • 地域経済統合については,質の高い,包括的なFTAAPの将来的な実現に向け,必要な取組を進める必要がある。
  • グローバル・バリュー・チェーンが発達したアジア太平洋地域が包摂的に成長し,繁栄するため,連結性の強化が重要。そのためには,量のみならず,国際スタンダードに則った質の高いインフラの整備が必要であり,G7伊勢志摩原則に加え,「開放性」の確保も必要。
  • APECの将来ビジョンについては,APECがアジア太平洋地域の成長と繁栄のために大きな役割を果たしてきたこと,特に,産業界と連携しつつインキュベーターとして先進的な取組を進めてきたことを踏まえ,デジタル貿易等の時代に即した課題に果敢に挑戦し,同地域の更なる成長を促すことを期待。また,WTOがこれらの課題に取り組むことができるよう後押しすべき。自由で開かれた地域協力は,地域全体の繁栄をもたらす。アジア太平洋地域が引き続き世界の成長センターとして輝き続けるよう,2020年以降もAPECはこのような地域協力を促すフォーラムとなるべき。

2 評価

  • 我が国の主張が反映され,多角的貿易体制の重要性,保護主義及び貿易歪曲的措置への対抗等が明記された議長声明と,質の高いインフラ,女性の経済的エンパワーメントの強化等の重要性が明記された共同声明がとりまとめられた。
  • 11月のAPEC首脳会議・閣僚会議に向けた一連のプロセスの一環として,よい議論のスタート台となった。

(参考:今後の予定)

11月16日 APEC閣僚会議(パプアニューギニア・ポートモレスビー)

11月18日 APEC首脳会議(同上)


APEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)へ戻る