APEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)

平成29年5月23日
APEC貿易担当大臣(MRT)会合1
APEC貿易担当大臣(MRT)会合2

 5月20 日及び21日,ベトナム・ハノイにおいて,APEC貿易担当大臣(Ministers Responsible for Trade: MRT)会合が開催された。APEC21エコノミーの貿易担当閣僚等が参加し,我が国からは世耕経済産業大臣及び薗浦外務副大臣が出席した。
 今般のAPEC貿易担当大臣会合では,多角的貿易体制の支持とWTO,地域経済統合の深化,零細・中小企業の競争力強化などについて議論が行われ,当該議論の結果として,議長声明骨子(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)及びAPEC貿易担当大臣会合アクションペーパー骨子(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)がとりまとめられた。

1 日本からの発言概要

 日本から概要以下のとおり発言し,議論に貢献した。

  • 「貿易を通じた経済成長の実現」に向けて,保護貿易を抑制するとのAPEC創設時の初心に基づき,APECは次の役割を果たし,包摂的かつイノベーション志向の自由貿易を目指すべき。
  • -自由貿易は経済成長と雇用の原動力であり,アジア太平洋地域において高いレベルの自由で公正な貿易ルールを形成していくべき。
    -貿易歪曲措置の是正とレベル・プレイング・フィールドの確保について改革を後押ししていく。
    -中小企業等がグローバル・バリュー・チェーンに参画することを促進することで成長の機会を作り出していくべき。

  • これも踏まえ,日本として次の具体的論点にも言及。
  • -「自由貿易の礎」としての多角的貿易体制を維持・強化することが重要,また,デジタルや環境等の今日的な課題に対応したWTOでのルールづくりが必要。
    -包括的で質の高いFTAAPの将来的な実現に向けて,まずはその道筋であるTPPとRCEPに取り組むことが必要。
    -地域経済統合には連結性の強化も重要であり,日本として「質の高いインフラ」においてアジア太平洋地域の国・地域と協力していく。
    -包摂的な経済を実現するために女性のエンパワメントが果たす役割は重要。

2 評価

  • アジア太平洋地域の貿易担当大臣が本年初めて一堂に会する場となった今次会合において,通商システムが抱える課題と今後の方向性について,率直な意見交換をすることができた。
  • 声明はエコノミー間で一致していないが,太宗の見解を示しているものとされており,多角的貿易体制の重要性、保護主義への対抗,レベル・プレイング・フィールドの確保など我が国の主張が反映された議長声明がとりまとめられた。
  • 11月のAPEC首脳会議・閣僚会議に向けた一連のプロセスの一環として,よい議論のスタート台となった。

(参考)

11月8日,9日 APEC閣僚会議(於:ベトナム(ダナン))
10日,11日 APEC首脳会議(於:ベトナム(ダナン))

APEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)へ戻る