APEC(アジア太平洋経済協力、Asia Pacific Economic Cooperation)

平成27年7月2日

1.概要

 2015年3月18日(水曜日)、外務省、内閣府、復興庁の主催(協賛:Gender Action Platform、後援:経済産業省、OECD東京センター、オックスファム・ジャパン)により、第3回国連防災世界会議のパブリックフォーラムの一環として、APECワークショップ「災害復興時の女性の活躍~地域経済再生の視点から~」を開催した。2014年アジア太平洋経済協力(以下、APEC)首脳宣言において、「女性の経済参画を妨げる全ての障壁をなくす」かつ「女性の平等な機会、参加及び利益を確保するための具体的政策及び革新的措置をとる」ことへのコミットメントが示されたこと、また、APECの閣僚級会合「女性と経済フォーラム」において「女性の災害復興への参画促進の必要性」が確認されたことを踏まえ、今次ワークショップでは(1)女性の起業に関する優良事例の共有、(2)自然災害後の包括的で強靭なコミュニティや経済再構築における女性の果たす役割の重要性、及び(3)女性の活躍促進と起業の成功・阻害要因と効果的な支援メニューに焦点を当てた議論が行われた。

2.成果

 本ワークショップを通じ、女性の起業に関する優良事例を広く共有すると共に、自然災害後の包括的で強靭なコミュニティや経済再構築における女性の果たす役割の重要性、及び女性の活躍促進と起業の成功・阻害要因と効果的な支援メニューについて特に下記事項を導き出すことができた。

2.1 女性の活躍促進と起業の成功要因

(1)ジェンダー視点に基づいた包括的アプローチ:家庭内や地域社会における固定的性別役割分担、意思決定能力及び発言力の度合い等女性が置かれた状況を踏まえた上で、女性特有のニーズに対応した取組を実施。
(2)戦略的パートナーシップ:地域の中、地域の外の多様なアクター(行政、NGO/NPO、民間企業等)との協働体制を構築し、外部の資源を十分に活用しながら活動を実施。
(3)地元のオーナーシップ:災害前から地域で活動を行うなど女性たちの置かれた状況に精通し地域にネットワークを持つ団体、及び、災害後に共通の問題意識・課題を抱えた女性たちが組織化することにより設立された団体が主体的に活動。
(4)イノベーション:技術的スキルや知識に加え、フォローアップ・サービスを提供するなど、総合的なアプローチによる支援。また、固定的役割分担からの脱却を促すようなアプローチや従来の女性役割的な領域に縛られない発想での取組を実施。

2.2 女性の活躍促進と起業の阻害要因

(1)持続性:外部からの支援終了後も、どのように事業を持続させるかが大きな課題である。資金の確保、魅力的な商品の開発、販路の維持・拡大、人材育成、外部とのネットワーク構築等が事業の持続性を確保する上で重要。
(2)地域及び国レベルでの政策策定への参画:女性グループが単にサービス提供者として地域経済に貢献するのではなく、地域及び国レベルでの災害復興・防災に関する政策の策定において主体的かつ公式に参画し、よりレジリエントな社会の構築に貢献できるような仕組みづくりが重要である。


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