科学技術

平成29年2月24日
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 平成29年2月16日から2月19日まで,岸輝雄外務省参与(外務大臣科学技術顧問)は,AAAS(米国科学振興協会)年次総会の機会に米国ボストンを訪問しました。岸顧問は,滞在中,科学技術外交顧問ネットワーク会合に出席し、カウンターパートである米国、英国、NZ、セネガル、ポーランドの外交当局における科学技術顧問と今後の活動や持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた科学技術の活用等について議論したほか,科学技術振興機構(JST)主催ワークショップに登壇しました。また,米国、英国、NZ科学技術顧問とはそれぞれにバイ会談を行い、現状の共有や今後の協力について意見交換を行いました。主な活動の概要は以下のとおりです。

1 在ボストン総領事館訪問

 16日,岸顧問は,在ボストン総領事館にて、ボストンで活躍する日本人研究者等と意見交換を行いました。意見交換では,海外からの留学生を日本に呼び込むと同時に、日本から海外へ向かう留学生を増やすことの重要性等について議論がなされました。

2 米国トレキアン顧問との会談

 17日,岸顧問は,トレキアン米国務長官科学技術顧問と会談し,日米二国間協力の重要性や科学技術外交顧問ネットワークのラテンアメリカやアジアへの拡大の可能性、SDGs達成に向けた科学技術の活用、AI等の最先端技術における協力等について議論を行いました。

3 JST主催SDGsワークショップへの登壇

 17日,岸顧問は,産学官を含めた世界の科学技術関係機関が如何にSDGs達成に向け連携できるかをテーマとしたJST(科学技術振興機構)主催ワークショップに登壇し、科学技術顧問としての活動および我が国におけるSDGsへの取組を紹介しました。また、SDGsの達成には科学技術が必要不可欠であり、大学やファンディング機関を含めた国内外のステークホルダーの連携が重要である旨強調しました。

4 科学技術外交顧問ネットワーク(FMSTAN: Foreign Ministries Science and Technology Advisors Network)会合への参加

 18日,岸顧問は,米国、英国、NZ、セネガル、ポーランドの外交当局における科学技術顧問等と共に科学技術外交顧問ネットワーク会合に参加しました。会合の前半においては、関心国の参加も得て,世界における科学者を政府部内に派遣するフェローシップに関する調査結果の紹介や人工知能(AI),エネルギー貯蔵についての発表がなされました。後半は,科学技術顧問およびオブザーバーのみに参加が限定され、政府科学顧問国際ネットワーク(INGSA)の今後のスケジュールおよびメカニズムの紹介、SDGsに関する国連STIフォーラムの紹介、SDGsの中で特に科学技術を活用できる分野についての議論がなされました。

5 英国グライムズ顧問との会談

 19日,岸顧問は,グライムズ英外務省首席科学顧問と会談を実施しました。英国が科学技術を外交のツールとして特に活用するために設けている仕組みや,英国のEU離脱による研究費への影響等について説明を受けるとともに、今後どのような協力ができるかにつき意見交換を行いました。

6 AAAS年次総会の視察

 本年のAAAS年次総会のテーマは「科学政策を通じた社会への貢献(Serving Society through Science Policy)」であり,岸顧問は,主に科学的助言に関するセッションをいくつか傍聴したほか、JSTやJSPS(日本学術振興会)、WPI(注)等も出展していた展示会場を視察しました。

(注)WPI(世界トップレベル研究拠点)
平成19年度から文部科学省の事業として開始されたもので、システム改革の導入等の自主的な取組を促す支援により、第一線の研究者が是非そこで研究したいと世界から多数集まってくるような、優れた研究環境ときわめて高い研究水準を誇る「目に見える研究拠点」の形成を目指している。


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