通常兵器の軍縮及び過剰な蓄積禁止に関する我が国の取組
対人地雷禁止条約(オタワ条約)第16回締約国会議
昨年12月18日から21日まで,ウィーン(オーストリア)にて,対人地雷禁止条約(オタワ条約)の第16回締約国会議が開催されたところ,概要以下のとおり。我が国からは,髙見澤將林・軍縮会議日本政府代表部大使を首席代表とする代表団が出席した。
1 全体
本件会議は,オタワ条約第11条に基づいて開催された会議であり,2014年6月に開催された第3回検討会議(5年に1度開催される,条約の運用や締結状況等を検討する会議)において採択された「マプト行動計画(条約の普遍化,地雷の廃棄・除去,被害者支援,国際協力等の各分野の課題について,2015年~2020年の5年間に締約国が実施するべき行動指針を記したもの)」の進捗状況等について確認された。82の締約国(条約未発効のスリランカを含む),14のオブザーバ国・地域(未締結国・地域),国際機関及びNGOの代表が参加した。
2 貯蔵弾廃棄・敷設地雷除去
(1)貯蔵弾廃棄
2016年に開催された第15回締約国会議以降,新たにベラルーシが条約第4条に基づく貯蔵弾廃棄義務の履行完了を宣言した。
条約発効以降,締約国によって,5,100万個以上の貯蔵地雷が廃棄され,貯蔵弾を所有しない締約国の数は159か国となった。
(2)敷設地雷除去
2016年の締約国会議以降,新たにアルジェリアが条約第5条に基づく地雷除去義務の履行完了を宣言した。
現在,31の締約国が,第5条に基づく地雷除去義務に取り組んでいる。
今次会議において,アンゴラ,エクアドル,イラク,タイ及びジンバブエが除去期限の延長申請を行い,同申請内容の分析結果が提示されたところ,5か国全ての延長申請が承認された。ウクライナは,第5条の履行期限を超過した状態にあるところ,可能な限り早期に延長申請のために必要な措置を行うよう勧告を受けた。
3 普遍化
2015年の締約国会議以降,スリランカが条約に新規加入し,会議開催時点での締約国の数は163か国(ただし,スリランカについては条約未発効)。貯蔵弾保有国を含む34か国・地域が本条約を未締結である。
4 その他
今次会合において,オタワ条約署名解放から20年間で達成した成果と教訓を確認するパネル・ディスカッションが開催され,オタワ条約を成功に導いた政府と市民社会とのパートナーシップを回顧しつつ,「2025年までに地雷のない世界の実現」という目標を達成するための主要課題及び戦略の特定について議論された。また会合では,被害者支援に関するパネル・ディスカッションが開催され,(1)オタワ条約がいかにして被害者支援に関する条項を条約に含めることに成功したのか,(2)被害者支援がどのように達成されてきたのかについて議論された。
5 今後の会合
2018年の会期間会合は6月7日及び8日に,第17回締約国会議は11月26日~30日にそれぞれジュネーブ(スイス)で開催されることとなった。