軍縮・不拡散・原子力の平和的利用

平成27年10月9日

1 概要

(1)11月10日から14日まで,ジュネーブにて,特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)締約国会議(注)が開催された。我が国からは,佐野軍縮代表部大使を団長として,外務省,防衛省関係者が出席した。
(注)締約国会議は毎年1回開催され,条約の運用,翌年の専門家会合の設置及び権限等につき検討を行う。

(2)今次会議においては,自律型致死兵器システム(LAWS:Lethal Autonomous Weapons Systems)に関し,2015年4月13日から17日まで,第2回非公式専門家会合を開催することが決定された。また,履行支援ユニット(ISU)が作成した報告書(条約の普遍化の促進,自律型致死兵器システム,スポンサーシップ・プログラム,履行支援ユニット)が提出され,これに基づいて議論が行われた。

(3)主要な論点の一つとして,対車両地雷(MOTAPM)に関する議論が行われた結果,2015年のCCW締約国会議では「MOTAPMを含むCCWの枠組みにおける課題」とする議題を残し,議論を継続することが決定された。これに加え,地雷・ブービートラップ及び他の類似の装置を規制する改正議定書IIの枠内で,即席爆発装置(IED:improvised explosive devices)に関する議論が行われ,昨年に続き,2015年4月にIED等について議論する専門家会合を開催することが決定された。

2 評価

(1)人道的配慮と安全保障の双方の観点から通常兵器の使用の規制を検討するCCWの枠組みにおいて自律型致死兵器システム(LAWS)に関する第2回非公式専門家会合の開催が決定されたことは,有意義であった。

(2)普遍化行動計画及びスポンサーシップ・プログラムの強化などの具体的措置について合意が得られ,CCWの実効性の強化のために一定の成果が得られた。

(3)MOTAPMに関しては,CCWの枠組みで,2002年から2006年の間,実質的な規制の策定に向けた議論が行われていたが,推進国と慎重国との間に大きな立場の相違があり,合意に至らなかった経緯がある。今回の締約国会でもこうした立場の相違が明らかになったが,議論を継続することが決定されたことは有意義であった。また,即席爆発装置(IED)に使用され得る物質の転用や不正使用に対処するためのベスト・プラクティスを引き続き策定することの重要性が認識されたことは有益であった。


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