生物・化学兵器

令和2年1月6日

 2019年11月25日~11月29日,化学兵器禁止条約(CWC)第24回締約国会議がオランダ・ハーグにおいて開催され,我が国を含む締約国155か国が参加しました。我が国からは,堀之内 秀久駐オランダ大使を団長とする代表団が出席しました。

1 概要

  • (1)アリアス化学兵器禁止機関(OPCW)事務局長は,ステートメントにおいて,イラク,マレーシア,シリア,英国における化学兵器使用事案が示すように,化学兵器使用禁止という国際的規範に対する挑戦は深刻であり,OPCWは,化学兵器の再出現に対する防波堤として機能することが求められており,その任務が増大していると述べました。また,全世界の申告済のストックパイル(保有)化学兵器の97.3%の廃棄が検証された旨述べました。
  • (2)第4回特別締約国会合にて決定された化学兵器使用者の調査・特定チーム(IIT)の活動経費を計上した2020年OPCWプログラム予算案が採択されました。
  • (3)2018年3月に英国で使用された新型神経剤ノビチョクを規制対象とするため,CWC発効後初めて,CWCの化学物質に関する附属書の技術的改正に関する決定が行われました。
  • (4)また,我が国は,今回の会議のサイドイベントとして,中国遺棄化学兵器(ACW)廃棄事業に関するパネル展及びレセプションを主催し,アリアスOPCW事務局長を始めとする多くの関係者が出席しました。

2 評価

  • (1)今次締約国会議においては,第4回特別締約国会合にて決定された化学兵器使用者の調査・特定チーム(IIT)の活動経費を計上した2020年OPCWプログラム予算案が採択され,昨今頻発する化学兵器使用事案という深刻な脅威に対処するOPCWの取組への支援の重要性が再確認されました。
  • (2)また,2018年3月に英国で使用された新型神経剤ノビチョクを規制対象とする,CWCの化学物質に関する附属書の技術的改正に関する決定は,化学兵器使用という深刻な脅威に対処するCWC体制の強化につながる重要なものです。
  • (3)我が国は,今後もCWCの主要締約国(日本は米国,中国に次ぎ第三位の分担金拠出国)として,引き続きOPCWの諸活動に積極的に参画していく考えです。

3 今後の予定

 2020年においては,3回のOPCW執行理事会(3月10~13日,7月7~10日,10月6~9日)及び第25回CWC締約国会議(11月30~12月4日)が開催される予定です。


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