生物・化学兵器
2014年生物兵器禁止条約(BWC)締約国会合
平成26年12月25日
1.概要
- (1)2014年12月1日~5日,生物兵器禁止条約(BWC)締約国会合がジュネーブにおいて開催され,我が国を含む締約国110か国が参加しました。また,署名国3か国(コートジボワール,ネパール,タンザニア),未署名国2か国(イスラエル,モーリタニア)の他,国連軍縮部(UNODA),国連地域間犯罪司法研究所(UNICRI),欧州連合(EU),赤十字国際委員会(ICRC),化学兵器禁止機関(OPCW),国際獣疫事務局(OIE)がオブザーバーとして参加しました。
- (2)今次会合では第7回運用検討会議(2011年)で合意された,1)国際協力・支援,2)科学技術の進展のレビュー,3)国内実施強化,4)条約第7条(防護の支援)の実施強化の4つの議題について,シュミッド・スイス軍縮代表部大使を議長として議論が行われました。また,普遍化活動に関する議長報告,履行支援ユニット(ISU)の活動報告などが行われました。
- (3)締約国は,各議題にかかる関心事項について意見を交わし,来年以降の年次会合において本年の議論を踏まえて各国がとった措置につき情報提供することを促す報告書をコンセンサスにて採択しました。
2.評価
- (1)我が国は阿部生物・化学兵器禁止条約室長他が出席しました。冒頭にステートメント(英文)(PDF)
を実施した他,条約国内実施にかかる作業文書や効果的な輸出管理にかかる作業文書を他国と共同で提出するなど,議論に貢献しました。
- (2)今次会合は,2016年に開催予定の第8回運用検討会議(5年に1度開催されるもの)に向けて, 2012年と2013年の議論の積み重ねを反映しつつ,締約国の共通理解を効果的な行動の促進に繋げるためにどのような要素を報告書に盛り込むべきかが議論の対象になりましたが,議長の優れた采配により,コンセンサスで報告書が採択されたことは,条約の実施に向けた締約国間の今後の協力の姿勢を表すものであり,評価できます。
- (3)また,今次会合中,ミャンマーが条約に批准し,締約国が171か国となりました。ミャンマーの批准は,生物兵器を包括的に規制する唯一の国際法上の枠組みである本条約の普遍化を進めるものであり,歓迎されます。
3.今後の予定
2015年は,マレーシアの議長の下,専門家会合(8月10日~14日)及び締約国会合(12月14日~18日)が開催される予定です。