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平成21年4月20日
4月20日(月曜日)午後6時20分頃より午後7時25分頃まで、麻生太郎内閣総理大臣は、公賓として来日したノン・ドゥック・マイン・ベトナム共産党中央執行委員会書記長と総理官邸において会談を行ったところ、概要は以下のとおりです(会談後発表された「アジアにおける平和と繁栄のための戦略的パートナーシップに関する日本・ベトナム共同声明」(骨子及び全文)を別添)。
(1)双方は、これまでの幅広い分野での日越関係の進展により日越間で構築された「アジアにおける平和と繁栄のための戦略的パートナーシップ」を共に発展させていくことで一致した。具体的には、首脳レベルの訪問を毎年実現するとともに、日越協力委員会などの既存の枠組みを強化することで一致。さらに、政府間のみならず、国会、党、地方、及び国民レベルの交流も一層促進していくことが重要であるとの認識で一致した。
(2)麻生総理より、本年2月の皇太子殿下のベトナム御訪問におけるベトナム側の心温まる持てなしに感謝する、また、福岡でのベトナム総領事館の設立を歓迎する旨述べた。
(3)マイン書記長より、天皇・皇后両陛下及びその他の皇族のベトナムへの御訪問、並びに麻生総理のベトナム訪問を招待する旨述べたのに対し、麻生総理より、天皇・皇后両陛下及びその他の皇族の御訪問については関係者に伝えたい、また、自分自身の訪問については都合の良い機会に喜んで訪問したい旨述べた。
(イ)双方は、ODAの効果的な実施とODAに係る腐敗の根絶のため、共に努力していくことで一致した。
(ロ)麻生総理より、ベトナムの経済発展のため日本として引き続き協力していきたい、ベトナムが腐敗防止に真剣に取り組んでいることは評価しているが、ODAに係る腐敗が再発すれば、ベトナムへのODAに深刻な影響を及ぼすこととなる、両政府が合意した再発防止策を双方が着実に実施することが重要である旨述べた。
(ハ)これに対し、マイン書記長より、日本のODAを高く評価しており、心から感謝する、引き続きベトナムの発展に対するODA等の日本の効果的な支援をお願いしたい旨述べた。また、同書記長より、日越ODA腐敗防止合同委員会が取りまとめた措置を厳格に実施していく、ベトナムの党、政府及び国民は腐敗防止に高い関心をもち、努力している旨述べた。
(イ)麻生総理より、先般延期となったASEAN関連首脳会議で表明する予定であった、アジア諸国の取組を後押しするため、最大3000億円規模の緊急財政支援円借款を含む、最大2兆円規模(約200億ドル相当)のODAを始めとする日本の貢献策について説明した。
(ロ)これに対し、マイン書記長より、ベトナムは日本の対アジア協力策を歓迎しており、現下の金融・経済危機への対応のための日本の積極的な貢献を歓迎し、高く評価している旨述べた。
(イ)冒頭、マイン書記長より、ベトナム経済の現状について説明があった。
(ロ)双方は、両国の経済関係を一層活発化させるため、日ASEAN包括的経済連携協定及び先に署名された日越経済連携協定の円滑な実施、日越共同イニシアティブ等の着実な実施に向け共に努力していくことで一致。その際、マイン書記長より、日本企業が長期・安定的にベトナムに投資できるよう投資環境整備に努力していく、そのために、日越共同イニシアティブを着実に進めていきたい旨述べた。
双方は、本年の日メコン交流年の機会も捉え、メコン地域の持続的発展と、日メコン関係の強化を図っていくことで一致した。その際、麻生総理より、メコン地域における物流整備の重要性を強調した。
(イ)麻生総理より、朝鮮半島の非核化が重要である、先般の北朝鮮のミサイル発射に関する国連安保理議長声明の履行に向けベトナムと協力していきたい、また、拉致問題に関する日本の立場についてベトナムの理解と協力を得たい旨述べた。
(ロ)これに対し、マイン書記長より、ベトナムも朝鮮半島の非核化を希望しており、日本を含めた関係国と協力したい、また、六者会合の早期の再開を希望する旨述べた。また、日本人拉致問題に関する日本国民の気持ちを理解する旨述べた。