ベネズエラ・ボリバル共和国

基礎データ

令和元年12月27日
ベネズエラ・ボリバル共和国国旗

一般事情

1 面積

912,050平方キロメートル(日本の約2.4倍)

2 人口

2,753万人(2019年,IMF)

3 首都

カラカス(首都圏人口290万人:2011年,ベネズエラ国立統計院)

4 民族

混血51.6%,白人43.6%,黒人2.9%,アフリカ系0.7%,その他1.2%(2011年,ベネズエラ国立統計院)

5 言語

スペイン語(公用語)及び先住民族の諸言語

6 宗教

国民の大多数はカトリック

7 略史

年月略史
1811年スペインより独立
1819年大コロンビア共和国成立
1830年同国から分離,ベネズエラ共和国として独立
1958年民主制復帰,以後選挙により大統領を選出
1999年12月新憲法発効により,国名がベネズエラ・ボリバル共和国となる
2013年3月14年間大統領を務めたチャベス大統領(ベネズエラ社会主義統一党)が任期途中で死去
2013年4月マドゥーロ大統領(ベネズエラ社会主義統一党)が就任
2019年1月マドゥーロ大統領就任式
グアイド国会議長が暫定大統領就任を宣誓

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

  • ニコラス・マドゥーロ・モロス大統領
  • (注)日本政府は,グアイド暫定大統領への支持を表明している。

3 議会

一院制(167議席,任期5年,連続再選可)

4 政府

  • (1)首相名 首相職無し
  • (2)外相名 ホルヘ・アレアサ外相

5 内政

 ベネズエラでは1958年以降,二大政党による民主的な政治体制が継続してきた。しかし,これら二大政党は,国内の貧困問題に対して効果的な政策を実施してこなかったことから,低所得者層を中心に国民の不満が高まっていた。

 1999年2月,低所得者層の高い支持を得てチャベス大統領が就任。チャベス大統領は,「21世紀の社会主義」建設を標榜し,新憲法の制定,低所得層支援の推進,ベネズエラ石油公社(PDVSA)の掌握を通じた経済活動の国家管理等を行い,体制を強化した。

 2012年12月,チャベス大統領は,自身の癌を理由にマドゥーロ副大統領を実質的な後継者として指名した。2013年3月,同大統領の逝去が発表された。

 2013年4月,大統領選挙が実施され,チャベス政権を継承するマドゥーロ与党候補がカプリレス野党統一候補との一騎打ちを演じた結果,2ポイント未満の僅差で勝利を収め,マドゥ-ロ政権が発足した。同政権は,チャベス大統領の政策路線を踏襲してきたが,治安や経済情勢の悪化が進み,国民の不満が高まる中,与野党支持層間で暴力的な衝突が発生するなど,情勢が不安定化した。

 2015年12月に行われた国会議員選挙では,野党が3分の2議席を獲得。2017年7月,憲法改正に向け制憲議会議員選挙を実施(野党連合は不参加)。同年8月,制憲議会が発足。

 2018年5月,主要野党不参加の中,大統領選挙が実施され,全国選挙評議会(CNE)がマドゥーロ大統領の勝利を発表。同大統領選挙プロセスの正統性に対してG7,中南米諸国,欧州諸国をはじめ国内外から疑義が呈される中,2019年1月10日に大統領就任式が実施された。2019年1月23日,グアイド国会議長(大衆意志党)は,憲法の規定に基づき暫定大統領就任を宣誓。これまでに55か国以上が同暫定大統領を承認・支持している。他方,政権側と野党側の間の対立は激化。グアイド国会議長(暫定大統領)は,同年2月,対ベネズエラ支援物資の搬入を試みたが,マドゥーロ政権側の阻止により失敗。また,同年4月,首都カラカス市内で国軍及び国民に反政府決起を呼びかけたが失敗し,野党の動きは沈静化。同年5月及び7月には,ノルウェーの仲介により与野党間交渉が実施されたが,交渉プロセスは中断し,同年9月,グアイド国会議長(暫定大統領)は,政権側が交渉継続を拒否したとして同プロセスの終了を発表。他方,同月,政権側は一部の少数野党との部分的合意の締結を発表し,与党国会議員が国会へ復帰。同年10月,与党は,2020年の国会議員選挙に向けた準備の開始を発表。同年11月,国会は,全国選挙評議会(CNE)委員の選出に向けたプロセスを開始。2014年以降,政治社会情勢やインフラ悪化によりベネズエラ国民の国外流出が増加。特に,2019年の一連の情勢悪化を背景に急増し,これまでに約450万人のベネズエラ国民が近隣諸国(特にコロンビア,ペルー,チリ等)に流出。

外交・国防

1 外交基本方針

 チャベス前大統領は,豊富な石油資源を活用して多極的な外交を展開し,中南米地域においては,中南米独自の統合構想として,米州ボリバル代替統合構想(ALBA)(現在の名称は米州ボリバル同盟)を創設し,キューバ,ボリビア,ニカラグア等が参加している。また,優遇条件で石油を提供する地域メカニズムとしてペトロカリベを創設し,多くの中米カリブ諸国が参加している。2012年7月31日に行われたメルコスール首脳会合において,ベネズエラは,メルコスールへ正式に加盟したが,メルコスール原加盟国との間で軋轢が生じ,2016年12月のメルコスール臨時外相会合においてベネズエラの資格停止が確認された。また,2017年8月のメルコスール外相会合において,民主主義条項の適用により加盟資格停止が決定。2017年5月,ベネズエラは米州機構(OAS)におけるベネズエラ情勢に関する外相協議会の決定を受け,OASからの脱退を表明。2019年4月,OASは,グアイド国会議長(暫定大統領)側が任命したグスタボ・タレ氏をOASベネズエラ常駐代表として受け入れる決議案を採択。同年9月,米州相互援助条約(TIAR)外相会合が開催され,ベネズエラの危機への対応について議論。同年12月,TIAR外相会合において,マドゥーロ政権関係者に対する査証制限・口座凍結等の制裁措置を承認。

 米国との関係については,チャベス政権以前の親米路線から一転して,チャベス政権及びそれを引き継いだマドゥーロ政権は,反米の急先鋒として度々米国批判を展開してきた。一方,米国は,2017年以降,対ベネズエラ経済制裁を実施。マドゥーロ大統領含めベネズエラ政府関係者等に対する個人制裁の他,2019年1月には,PDVSAと米国民との金融取引等又は米国内での金融取引等を禁止したほか,8月には,ベネズエラ政府と米国民との金融取引等又は米国内での金融取引等を禁止し,制裁を一層強化。ただし,経済面においては,減少傾向にあるものの,米国は依然としてベネズエラ産原油の最大の輸出先であり,石油を中心とする両国の経済関係は密接である。なお,2019年2月,マドゥーロ政権は,米国との外交関係の断絶を発表,同年3月,在ベネズエラ米国大使館閉鎖。

 域外国とは,イラン,ロシア等との関係を強化した他,近年は特に,経済・金融を中心に中国・トルコとの関係を強化している。2019年8月,北朝鮮にベネズエラ大使館を開設。

2 軍事力

  • (1)国防支出 約7.4億米ドル(2017年)
  • (2)兵役 なし
  • (3)兵力 123,000人(陸軍63,000人,海軍25,500人,空軍11,500人,国家警備軍23,000人)

The Military Balance 2019年)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

鉱業(石油,鉄鉱,ボーキサイト),石油化学,製鉄,アルミ製錬

2 GDP

3,117億ドル(2018年:IMF)

3 一人当たりGDP

2,548ドル(2019年:IMF推定値)

4 GDP成長率

-35.0.%(2019年:IMF推定値)

5 物価上昇率

200,000.0%(2019年:IMF推定値)

6 失業率

35.0%(2018年4月:IMF推定値)

7 総貿易額

  • (1)輸出 345億ドル(2018年:ベネズエラ中銀)
  • (2)輸入 128億ドル(2018年:ベネズエラ中銀)

8 主要貿易品目

  • (1)輸出 石油,有機・化学品,鉄鋼・アルミニウム(及び製品),鉱物製品,輸送機器等
  • (2)輸入 電気機器,化学品,鉄鋼・アルミニウム,畜産物,輸送機器等

9 主要貿易相手国(2017年)

  • (1)輸出 米国,中国,インド,シンガポール,スペイン
  • (2)輸入 米国,中国,メキシコ,ブラジル,コロンビア

10 通貨

ボリバル

11 為替レート

1米ドル=38,456ボリバル(2019年12月3日時点)(注)入札式の変動相場制により毎週入札にて決定。

12 経済概況

(1)資源

 べネズエラは,世界有数の石油産出国であり,同国経済は,石油収入に大きく依存している。原油の確認埋蔵量は,オリノコ川北岸の超重質油(オリノコタール)も含め,3,033億バレル(2018年,BP統計)と世界第1位を誇る。

 天然ガスの確認埋蔵量は6.3兆立方メートル(2018年,BP統計)と世界第6位で,この他にも,鉄鉱石,ボーキサイト,金,ダイヤモンド等を豊富に産出する。

(2)チャベス政権成立以降の動き

 チャベス大統領は,2001年11月以降,炭化水素法,土地及び農村開発法など,国家経済の根幹に関わる49の法律を制定して改革を推し進めた。これに対し,民間部門は強硬に反対し,大規模ゼネスト等が相次いで発生。その結果,2002年の経済実績は大幅に悪化した。その後は,石油価格の高騰に後押しされる形で,経済成長を遂げたものの,2008年後半からは,国際原油価格の急落や国際経済危機の影響を受けた。2014年に再び原油価格が急落し,経済が苦境に陥った。

 2006年以降,チャベス大統領は,ベネズエラ国営石油公社(PDVSA),セメント産業,鉄鋼会社等の国有化を推し進めた。

 2017年11月以降,ハイパーインフレーションが継続。GDPは2014年以降マイナス成長となり,マドゥーロ政権発足後,GDPは約60%減少し,2019年もマイナス成長になる見通し。

 不安定な経済運営もあり,南米で最も高いインフレ率や物資不足等の問題を抱えている。また,2019年を通じて各地で停電,断水が相次ぐなど,社会インフラの悪化が問題となっている。

経済協力(単位 億円)

1 日本の援助実績

  • (1)有償資金協力(2016年度まで) 実績なし
  • (2)無償資金協力(2016年度まで,ENベース) 13.71億円
  • (3)技術協力実績(2016年度まで,JICAベース) 111.75億円

2 主要援助国(2017年,DAC)

  • (1)スペイン
  • (2)米国
  • (3)ドイツ
  • (4)フランス
  • (5)EU
  • (6)英国

二国間関係

1 外交関係

1938年8月19日
外交関係開始
1941年
外交関係中断
1952年
外交関係再開

2 経済関係

対日貿易
貿易額(2017年)及び主要品目(出典:財務省貿易統計)
対日輸出 51億円(原油,カカオ,アルミニウム,化学製品)
対日輸入 103億円(大部分が自動車を含む機械及び輸送用機器)

3 文化関係

毎年1~2月にかけ,日本文化週間を実施。

4 在留邦人数

396人(2018年10月現在)

5 在日ベネズエラ人数

425人(2018年12月現在)

6 要人往来

(1)往(1984年以降)
年月要人名
1984年2月森下特派大使(大統領就任式)
1986年1月桜内衆議院議員,稲葉衆議院議員
1987年9月倉成外務大臣
1989年2月山下特派大使(大統領就任式)
1990年7月土屋参議院議長
1992年7月皇太子殿下
1992年9月小渕衆議院議員
1993年4月武藤外務大臣
1994年1月山下衆議院議員(日本・ベネズエラ友好議連会長)
1997年7月逢沢衆議院外務委員長
1999年2月平沼特派大使(大統領就任式)
2008年6月西村衆議院議員,山際衆議院議員,近藤衆議院議員
2008年11月西村外務大臣政務官
2009年10月内藤総務副大臣(総理大臣特使)
2010年4月武正外務副大臣
2011年2月松下経済産業副大臣
(2)来(1985年以降)
年月要人名
1985年ペレス元大統領
1987年5月アスプルア蔵相
1987年11月ウルタード投資基金総裁
1988年4月ルシンチ大統領訪日(国賓)(国交樹立50周年にあたる)
1989年2月テヘラ・パリス外相(大喪の礼)
1990年11月モラレス・ベージョ国会議長(即位の礼)
1991年4月ロドリゲス経企相
シスネロス勧業相
トーレス投資基金総裁
1991年10月シスネロス勧業相
1991年12月スクレ・ガイアナ開発公社総裁
1992年10月パラ・エネルギー鉱山相
1993年10月オチョア外相(外賓)
1995年10月マトス・アソカル蔵相
1996年8月ポレト投資基金総裁
イナティ・ガイアナ開発公社総裁
1997年2月ブレリ・リバス外相(外賓)
1997年10月ペトコフ経企相
ロハス・パラ通産相
1997年12月アリエッタ・エネルギー鉱山相
マルティネス環境天然資源相
1999年10月チャベス大統領(非公式)
2001年3月ガルシア・ベネズエラ日本友好議連会長一行
2002年9月ラミーレス・エネルギー鉱山相
2003年8月ロドリゲス・ベネズエラ石油公社(PDVSA)総裁
2004年5月ロハス・ベネズエラ石油公社(PDVSA)副総裁
2005年6月ファリア環境・天然資源相(博覧会賓客)
2009年3月ラミーレス・エネルギー石油相
2009年4月チャベス大統領,ラミーレス・エネルギー石油相他
2009年5月ラミーレス・エネルギー石油相
2009年7月チャコン科学技術・中工業相
2009年9月モレホン観光相
2010年2月ラミーレス・エネルギー石油相
2011年12月ラミーレス石油鉱業相
2012年4月ラミーレス石油鉱業相
2013年6月ラミーレス石油鉱業相

7 二国間条約・取極

  • 1988年4月 技術協力協定
  • 2000年10月 青年協力隊派遣取極
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