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平成20年6月27日
高村大臣は、27日午後4時50分より約1時間、京都迎賓館にて、G8京都外相会合に出席するため訪日中のライス国務長官と日米外相会談を行ったところ、概要以下のとおり。
冒頭、ライス長官より、高村大臣と京都の人々に対し、G8京都外相会合開催のアレンジと温かいもてなしに感謝する旨述べた。また両外相は、同会合で大変良い議論を行うことができ、特にアフガニスタン及びジンバブエに関し良いステートメントを出すことができたとの認識で一致するとともに、G8北海道洞爺湖サミットの成功に向け、引き続き日米間で協力していくことで一致した。
(1)両外相は、日米同盟は極めて重要であり、この同盟の一層の強化に向けて引き続き緊密に連携していくことで一致した。
(2)またG8北海道洞爺湖サミットの際に行われる日米首脳会談に関し、高村大臣より、日米同盟の深化、「日米同盟とアジア外交の共鳴」との考えに基づいたアジア外交、北朝鮮情勢を始めとする地域情勢、気候変動を始めとするグローバルな課題等につき議論を行ってはどうかと述べたのに対し、ライス長官より、北海道洞爺湖サミットの際の日米首脳会談は重要な会談であり、高村大臣が述べた議題について議論を行うことは有意義である旨述べた。
(3)また米軍再編について両外相は、ロードマップに基づいて着実に実施していくことで一致した。
(1)拉致問題に関し、
(イ)高村大臣より、北朝鮮のテロ支援国家指定解除の意図の議会通告により、「家族会」を含め日本国内には、拉致問題が置き去りにされるのではないかとの心配がある旨述べ、昨26日にブッシュ大統領が拉致問題を含む日朝関係に関する日本政府の立場への揺るぎない支持を表明したことに謝意を表明。また、先般日朝実務者協議が開催され、北朝鮮側は拉致問題の再調査等を表明したが、未だ「言葉対言葉」の段階にとどまっており、早急に「行動対行動」の段階に進める必要がある旨述べ、ライス長官に対し、引き続き北朝鮮に対する米国の最大限の働きかけを行っていくよう要請した。
(ロ)これに対してライス長官より、ブッシュ大統領は拉致被害者家族との会談で大変心を動かされていた、米国は拉致被害者のことを決して忘れない旨述べた。またライス長官より、米国は拉致問題に関し日本の立場を支持しており、今後も北朝鮮がこの問題を解決するようあらゆる機会を捉えて働きかけていくとの立場にいささかも変更はない、米国にとっても拉致問題が解決されることは大きな重要性を有している旨述べた。またライス長官は、米国は依然、北朝鮮と交渉していく上で非常に多くのレバレッジを維持しているし、人権侵害、2006年に行った核実験、核の拡散等に対して課せられている対北朝鮮制裁や、国連安保理決議が課している制裁は依然として有効である旨述べた。
(2)また非核化の問題に関し、
(イ)高村大臣より、北朝鮮が申告を行ったことは一定の前進であったが、今後申告の内容をしっかり確認していくことが重要であり、六者会合で検証のメカニズムにつき早期に合意できるよう、米国と緊密に連携して対処していきたい旨述べた。また高村大臣より、第3段階においては、核兵器の放棄を含め、完全な核放棄が実現するようなロードマップを策定したいと考えている旨述べた。
(ロ)これに対しライス長官より、北朝鮮にとっての次の重要なステップは、究極の目的である核兵器及び核開発計画の完全な放棄に向けて前進することができるよう、北朝鮮が提出した申告の完全性と正確性の検証に完全に協力することである、と述べた。
(3)両外相は、非核化及び拉致問題を含む日朝関係の双方で前進が得られることが重要であること、また北朝鮮が提出した申告をしっかり検証して、最終的に核の放棄につなげていかなければならないとの認識で一致し、日米で緊密に連携していくことで一致した。
両外相は、気候変動問題につき、北海道洞爺湖サミット及びその際に行われる主要経済国会合(MEM)で成果を上げられるよう、日米で引き続き緊密に連携し、協力していくことで一致した。