3. 平和の定着・グッドガバナンス [「人間の安全保障」の政治的側面]
TICADプロセスの下で今後5年間に取られる措置(横浜行動計画)
TICADプロセスは、特に以下の点に焦点を当てる。
- (1)紛争予防
- (2)人道・復興支援
- (3)治安の回復と維持
- (4)グッドガバナンスの促進
TICADプロセスの下における2009年2月までの主な実施事項
紛争予防
AU賢人パネルの第4回会合の開催をTICADプロセスの一環として支援。また、TICADプロセスは、紛争予防や人間の安全保障の強化に焦点をおきつつ、紛争予防のための訓練や意識啓発活動、紛争による被害や影響を受けた国々の経済状況の改善のための支援を実施。
人道・復興支援
基礎的社会インフラ及びサービスへのアクセス改善や、難民・国内避難民の帰還促進、社会への再統合支援、生計手段強化及び生産資本の回復、若年層への職業訓練、女性の自立支援、地雷処理支援や武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)支援を決定乃至実施中。人道・復興支援にあたる国連ミッションへのUNVボランティアの派遣を実施。
治安の回復と維持
アフリカの5つのPKOセンターに対し、施設の改修・整備、機材供与及び研修コース設置等を実施中。特にガーナ及びエジプトのPKOセンターには邦人講師(文民・自衛官)を派遣。また、平和構築に従事するNGOの能力向上プロジェクトを実施中。西アフリカ地域の国境管理や小型武器管理等の取組を支援。この他、東部アフリカ待機軍(ASF-EASBFIG)の能力強化支援等を準備中。
グッドガバナンスの促進
NEPAD-OECDアフリカ投資イニシアティブの3年間の延長を支援した。アフリカ相互審査メカニズム(APRM)国別審査報告書の行動計画の実施支援プロジェクトを実施中。
今後の課題
・AUの下でのアフリカ平和安全保障アーキテクチャー(APSA)に対する支援を一層強化することが重要。
・紛争中又/もしくは情勢が不安定化している国々に対し、人道状況の改善、平和の定着及びグッドガバナンスの促進のため、タイムリーかつ適切に、幅広い援助を継続することが必要。
・グッドガバナンスの促進のため、APRMにおける参加国の更なる拡大や国別報告書が迅速かつ完全に実施されることが重要。
・我が国の対アフリカ貿易・民間投資促進のためには、アフリカ諸国の一層のガバナンス改善の進展が不可欠。