1-3. 成長の加速化 - 農業・農村開発 -
TICADプロセスの下で今後5年間に取られる措置(横浜行動計画)
TICADプロセスは、以下の事項の実施のために「包括的アフリカ農業プログラム(CAADP)」アジェンダとの連携を図る。
- (1) 食料増産及び農業生産性向上のための能力向上
- (2) 市場アクセス及び農業競争力の改善
- (3) 持続可能な水資源の管理及び土地利用の支援
TICADプロセスの下における2009年2月までの主な実施事項
農業・農村開発全般
農業・農村開発分野において、5年間の無償資金協力・技術協力として表明した支援額(260億円)のうち、少なくとも44.20億円(約17%)を決定(交換公文ベース)。少なくとも3カ国4案件の貧困農民支援、5案件の無償資金協力プロジェクト、7カ国8案件の技術協力プロジェクトを実施。
食料価格高騰への迅速な対応
2008年5-7月に行うとした1億ドル規模の緊急食糧援助のうち、2008年12月末までに計153億円を決定。そのうち、アフリカ17カ国に対して二国間経由で6カ国、WFP 経由で11カ国、合計90.3億円の支援を決定。
また、2008年度の補正予算政府案に対アフリカ食料危機対応経費として、299億3,390万円を計上し、現在日本の国会にて承認され、2009年3月に拠出予定。
EUは途上国における食料価格の高騰に対する対策として、10億ユーロのファシリティを設立。この内、58%の支援全体がアフリカ向けであり、多くが30カ国のアフリカ諸国及び地域レベルに裨益する予定。
中長期的な食料供給増加への対策
2008年秋の世銀・IMF合同開発委員会において、世銀の信託基金を通じて、包括的なアフリカ農業支援のため、今後5年間で1億ドルの支援を実施することを決定。
中長期的な農業生産性向上のための対策
アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)の実施フレームワークにつき、合意。上記農業に関する無償資金協力・技術協力を含め、コメの生産量や農業生産性向上への支援として、(1)小規模灌漑、(2)農業技術の導入・普及、(3)水資源の管理、(4)土地利用等に関する能力向上、調査・研究開発、研修事業を実施中。また、南南協力として、いくつかのアフリカ諸国に対し、コメ・漁業・養殖等に関する技術協力を実施。
今後の課題
・農業関連セクターの持続可能な開発を支援するにあたり、農業活動が環境へ及ぼす影響を考慮すると同時に、主要な役割を担う女性の能力強化及び三角協力を含む南南協力の奨励も考慮することが必要。
・アフリカ諸国がNEPAD のCAADP の実施を引き続き強化するとともに、農業生産性や市場アクセスの向上を目指すための支援を推進することが重要。