アジア

歴史問題Q&A

平成30年4月6日

英語版 (English)

問1 先の大戦に対して、日本政府はどのような歴史認識を持っていますか。

 日本政府の歴史認識については、これまで戦後50年にはいわゆる「村山談話」、戦後60年にはいわゆる「小泉談話」が出されていますが、それに加え、2015年8月14日、戦後70年目の節目に内閣総理大臣談話が閣議決定されました。談話の内容については,次のリンクを御覧ください。

問2 日本は戦争で被害を受けたアジア諸国に対して公式に謝罪していないのではありませんか。

  1. 先の大戦における行いに対する、痛切な反省と共に、心からのお詫びの気持ちは、戦後の歴代内閣が、一貫して持ち続けてきたものです。そうした気持ちが、戦後50年に当たり、村山談話で表明され、さらに、戦後60年を機に出された小泉談話においても、その反省とお詫びの気持ちは、引き継がれてきました。
  2. こうした歴代内閣が表明した反省とお詫びの気持ちを、揺るぎないものとして、引き継いでいきます。そのことを、2015年8月14日の内閣総理大臣談話の中で明確にしました。
  3. 他方、戦争とは何ら関わりのない、将来の世代が、謝罪を続けねばならないような状況を作ってはなりません。これは、今を生きる、現在の世代の責任であると考えています。

問3 日本は先の戦争で被害を受けた国や人々に対し、どのように賠償したのですか。

  1. 我が国は、終戦後、関係国との間で、賠償や財産、請求権の問題を一括して処理しました。そのような方式は、当時の国際社会によって一般的に受け入れられていたものでした。
  2. 具体的には、我が国は、関係国との間でサンフランシスコ平和条約、二国間の平和条約等を締結し、それらに従って賠償の支払い等を誠実に行ってきました。このように先の大戦に関する請求権等の問題については、これら条約等の当事国との間においては、法的に解決されています。
(参考1)サンフランシスコ平和条約に基づく戦後処理の例
フィリピンに対し5億5,000万ドル(1980億円)、ベトナムに対し3,900万ドル(140億4000万円)の賠償。
捕虜(POW)に対する償いとして赤十字国際委員会に対して450万ポンド(約45億4109万円)支払い。
在外財産の放棄(約236億8100万ドル:約3794億9900万円)。
(参考2)個別の平和条約等による戦後処理の例
ビルマに対し2億ドル(720億円)、インドネシアに対し2億2,308万ドル(803億880万円)の支払い。
ソ連:日ソ共同宣言(1956年)
ソ連は日本に対する賠償請求権を放棄し、日ソ双方は戦争の結果として生じたすべての請求権を相互に放棄。

問4 政府間における請求権の問題は解決済みでも、個人の請求権問題は未解決なのではないですか。

  1. 終戦後、我が国は、関係国との間で、賠償や財産、請求権の問題を一括して処理しましたが、その際、個人の請求権についても併せて処理しました。例えば、サンフランシスコ平和条約では、連合国国民及び日本国国民の相手国及びその国民に対する請求権はそれぞれ放棄されています。
  2. このように個人の請求権の問題についても、サンフランシスコ平和条約、二国間の平和条約等の当事国との間では、法的に解決されています。
(参考)サンフランシスコ平和条約
第14条(b)(抜粋)
「この条約に別段の定めがある場合を除き、連合国は、連合国のすべての賠償請求権、戦争の遂行中に日本国及びその国民がとった行動から生じた連合国及びその国民の他の請求権並びに占領の直接軍事費に関する連合軍の請求権を放棄する。」
第19条(a)
「日本国は、戦争から生じ、又は戦争状態が存在したためにとられた行動から生じた連合国及びその国民に対する日本国及びその国民のすべての請求権を放棄し、且つ、この条約の効力発生の前に日本国領域におけるいずれかの連合国の軍隊又は当局の存在、職務遂行又は行動から生じたすべての請求権を放棄する。」

問5 慰安婦問題に対して、日本政府はどのように考えていますか。

  1. 日本政府としては、慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であると認識しています。政府は、これまで官房長官談話や総理の手紙の発出等で、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からお詫びと反省の気持ちを申し上げてきました。
  2. この問題を含めて、先の大戦に係る賠償や財産、請求権の問題は法的に解決済みですが、政府としては、既に高齢になられた元慰安婦の方々の現実的な救済を図るため、元慰安婦の方々への医療・福祉支援事業や「償い金」の支給等を行うアジア女性基金の事業に対し、最大限の協力を行ってきました。
  3. アジア女性基金は平成19年3月に解散しましたが、日本政府としては、今後ともアジア女性基金の事業に表れた日本国民及び政府の本問題に対する真摯な気持ちに理解が得られるよう引き続き努力するとともに、慰安婦問題に関する日本の考え方や取組に対し、国際社会から客観的な事実関係に基づく正当な評価を得られるよう引き続き努力していきます。
  4. 2015年8月14日の内閣総理大臣談話においては、戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりませんとした上で、20世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を胸に刻み続け、21世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしていくとの決意が述べられています。
  5. 2015年12月28日には、ソウルにて日韓外相会談が開催され、本件につき妥結に至り、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されることが確認されました。同日後刻、日韓首脳電話会談が行われ、両首脳はこの合意に至ったことを確認し、評価しました。現在、日韓両国政府が合意の実施に向け努力しているところです。
(参考1)アジア女性基金による活動概要
慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であることから、日本政府及び国民のおわびと反省の気持ちをいかなる形で表すかにつき国民的な議論を尽くした結果、1995年7月19日に財団法人「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)が設立された。アジア女性基金は、総額約6億円の国民からの募金を集めたほか、政府も、この問題に対する道義的な責任を果たすという観点から、事業に必要な資金(計約48億円)を拠出した。
アジア女性基金は、政府等が元慰安婦の方々の認定を行っているフィリピン、韓国、台湾では、計285名(フィリピン211名、韓国61名、台湾13名)の元慰安婦の方々に国民の募金を原資とし日本国民の償いの気持ちを表す「償い金」(一人当たり200万円)をお届けするとともに、政府からの拠出金を原資とする医療・福祉支援事業(一人当たり300万円(韓国・台湾)、120万円(フィリピン))の支給等を実施(一人当たり計500万円(韓国・台湾)、320万円(フィリピン)。その際、日本政府を代表し、この問題に改めて心からおわびと反省の気持ちを表す内閣総理大臣の手紙が元慰安婦の方々に届けられた。
元慰安婦の方々の認定が行われていないオランダでは、「オランダ事業実施委員会」が実施する慰安婦問題に関する方々の生活改善支援事業に対し、3年間で総額約2億5,500万円を拠出、計79名の方に支援を実施。
元慰安婦の特定が困難であるとするインドネシアでは、同国政府の行う高齢者社会福祉事業に対して、1997年から10年間で総額3億8千万円規模の支援を行うことで合意、最終的には69か所の高齢者福祉施設が完成した。
なお、アジア女性基金はインドネシアの「償い事業」の終了に伴い、2007年3月をもって解散した。

問6 「南京事件」に対して、日本政府はどのように考えていますか。

  1. 日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています。
  2. 先の大戦における行いに対する、痛切な反省と共に、心からのお詫びの気持ちは、戦後の歴代内閣が、一貫して持ち続けてきたものです。そうした気持ちが、戦後50年に当たり、村山談話で表明され、さらに、戦後60年を機に出された小泉談話においても、そのお詫びの気持ちは、引き継がれてきました。
  3. こうした歴代内閣が表明した気持ちを、揺るぎないものとして、引き継いでいきます。そのことを、2015年8月14日の内閣総理大臣談話の中で明確にしました。

問7 極東国際軍事裁判に対して、日本政府はどのように考えていますか。

  1. 極東国際軍事裁判(東京裁判)は、戦後、連合国が日本人の重大戦争犯罪人を裁くために設置された裁判で、28名が平和に対する罪や人道に対する罪等により起訴され、病死または免訴となった者以外の25名が有罪判決を受けたものです。
  2. この裁判については様々な議論があることは承知していますが、我が国は、サンフランシスコ平和条約第11条により、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾しており、国と国との関係において、この裁判について異議を述べる立場にはないと考えています。
(参考1)サンフランシスコ平和条約第11条
「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。」

問8 ドイツに比べて、日本は過去の問題への取り組みが不十分なのではないですか。

  1. 日独両国ともに、「過去の問題」に対して誠実に対応してきています。
  2. 一方で、ドイツと日本では、先の大戦中に何が起きたのか、そして戦後どういう状況下で戦後処理に取り組んだのかといった歴史的経緯が全く異なります。例えば、日本は、当時の国際社会によって一般的に受け入れられていた方式に則り、サンフランシスコ平和条約等に従って国家間で賠償等の問題を一括処理しましたが、ドイツは戦後、東西に分断されていたことから、我が国のように国家間で賠償等の問題を一括処理することが出来なかったことなどにより、結果的にナチスの犯罪の犠牲者への個人補償という形をとったものと承知しています。
  3. このように、日本とドイツは、それぞれ異なる方式により戦後処理を行っており、両国の取組みを単純に比較して評価することは適当ではありません。
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