歴史関連

極東国際軍事裁判(「東京裁判」)について

平成27年9月18日

正式名称・概要:

 極東国際軍事裁判 International Military Tribunal for the Far East
 1946年5月3日に開廷し、1948年11月12日に刑が宣告された。

法的根拠:

 ポツダム宣言 第10項:
 「吾等は、日本人を民族として奴隷化せんとし又は国民として滅亡せしめんとするの意図を有するものに非ざるも吾等の俘虜を虐待せる者を含む一切の戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰加へらるべし」

 1946年1月19日 連合国軍最高司令官マッカーサー元帥は、極東国際軍事裁判所設立に関する特別宣言を発表し、同日、マッカーサー元帥により承認された同裁判所の条例が公布された。

 極東国際軍事裁判所条例:
 1946年1月に公表された。作成に際しては、ニュルンベルグ裁判のための国際軍事裁判所条例をモデルにしたとされる。裁判所の管轄に属する犯罪は、「平和に対する罪」「通例の戦争犯罪」「人道に対する罪」である。

 「平和に対する罪」:侵略戦争又は条約等に違反する戦争の計画、準備、開始、遂行やこれらのいずれかを達成するための共同謀議への参加等。
 「通例の戦争犯罪」:戦争の法規又は慣例の違反。
 「人道に対する罪」:戦前又は戦時中の殺人、せん滅、奴隷的虐使や政治的又は人種的理由に基づく迫害行為等。

裁判所の構成

 裁判官:米、英、仏、中、カナダ、豪州、オランダ、ニュージーランド、ソ連、インド、フィリピンから各1名ずつ、合計11名。裁判長は豪州の連邦高裁判事も務めたウェッブ氏。

 国際検察局(International Prosecution Section):米国のキーナン首席検察官を長とする連合国各国出身者から構成される検察局。

 弁護団:各被告につき数名の弁護人がついた。鵜沢総明氏が団長、清瀬一郎氏が副団長となり、「極東国際軍事裁判日本弁護団」を結成し弁護にあたったほか、ブレイクニー氏等米国人の弁護人も参加した。

被告

 極東国際軍事裁判に起訴された被告は合計28名であった。

判決

 土肥原賢二被告、広田弘毅被告、板垣征四郎被告、木村兵太郎被告、松井石根被告、武藤章被告、東条英機被告の7名が絞首刑。荒木貞夫被告、橋本欣五郎被告、畑俊六被告、平沼騏一郎被告、星野直樹被告、賀屋興宣被告、木戸幸一被告、小磯国昭被告、南次郎被告、岡敬純被告、大島浩被告、佐藤賢了被告、嶋田繁太郎被告、白鳥敏夫被告、鈴木貞一被告、梅津美治郎被告ら16名が終身禁固刑、東郷茂徳被告が禁錮20年、重光葵被告が禁錮7年。(計25名)
 なお、大川周明被告は精神障害により免訴。松岡洋右被告と永野修身被告は公判中に病死。

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