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(仮訳)

第4回日・SAARCシンポジウム:
「エネルギー効率性及び再生可能エネルギーにおける地域協力」における提言
(ダッカ, 2011年3月30~31日)

英語版

 第4回日・SAARCシンポジウムの出席者は,2011年3月11日に日本において惨害をもたらした地震や津波の犠牲者に対して心より哀悼の意を表明した。

 同シンポジウムは,これまでの3回のシンポジウムに継続する形で,バングラデシュ工科大学(BUET)が開催した。「エネルギー効率性及び再生可能エネルギーにおける地域協力」のテーマに沿って,各セッションでの発表が行われた。

 シンポジウム初日,モハメッド・エマニュエル・ハック電力・エネルギー・鉱物資源大臣が,エネルギー効率性に関するシンポジウムの開会宣言を行った。

 シンポジウム2日目,ディプー・モニ外相が,再生可能エネルギーに関するシンポジウムの開会宣言を行った。ナズール・イスラムバングラデシュ工科大学長は,これらの著名な参加者を歓迎した。

 シンポジウムでは,SAARCの検討課題として,以下の提言がまとめられた。

  1. 地域内での再生可能エネルギーやエネルギー効率性事業の迅速な組成のための技術オプションや資金メカニズム,政策的介入の特定。
  2. 地域で利用可能な事業や取組みに基づく,または,地域内の諸国で実施中のものに適切な修正を加えた上で適用した,地域的標準・商標プログラムの策定及び実施。
  3. SAARC加盟国の試験設備及びプログラムの経験を共有し,試験手続や試験設備の性能の調和化に加え,最低限のエネルギー基準を設定すること。
  4. SAARCエネルギー・センター(SEC)は,再生可能エネルギーやエネルギー効率性に関するSAARC加盟国の機関,専門家の間の定期的な交流を円滑にし,革新的な解決策を促進する。
  5. SECは,南アジアの再生可能エネルギーやエネルギー効率性の政策の調和化を促進するために,SAARC加盟国の政策取組みに関するレビューを実施する。
  6. 次回SAARCエネルギー閣僚会議は,SAARC首脳会議での採択に向け,以下の提案を検討する。
    1. (1)SAARC加盟国が相互利益のために共同で組成した地域/準地域的な発電プロジェクトを少なくとも一件実施する。本提案は,SAARC事務局によるSAARC地域エネルギー貿易調査においても提案された。
    2. (2)公的及び民間機関による再生可能エネルギーやエネルギー効率性を含むエネルギー事業において,SAARC加盟国による越境投資に対して,内国民待遇を提供する。
    3. (3)SECは,SAARC開発基金(SDF)の資金により,地域/準地域に潜在的な利益をもたらすようなエネルギー技術事業の個別の研究を行う地域内の研究機関を特定する。
    4. (4)地域内エネルギー貿易を促進するために,SAARC加盟国間におけるエネルギー取引を促進する。
  7. 全ての層の人々,特に学生を教育するための啓発活動を通じた省エネルギーの必要性を強調するための共同の取組みを行う。
  8. 第3回日・SAARCシンポジウム(2010年にデリーで開催)で提案されたとおり,SAARC加盟国の積極的かつ定期的な参加を通じて,若い世代から将来のエネルギー専門家を育成する土台となる南アジア・エネルギー・クラブを設立する。
  9. 第3回日・SAARCシンポジウムで言及されたとおり,南アジアにおける地域協力や開発の文脈で,エネルギー問題の議論や討論,分析における,学界及びメディアを含む市民社会の役割は非常に重要かつ不可欠である。こうした市民社会の役割により,過去に多くの地域協力及び開発事業・構想が推進されてきた。様々なSAARC加盟国において地域的なシンポジウムやワークショップ,会議をより頻繁に開催することにより,このような南アジアの伝統を一層強固にする。
  10. SAARC加盟国は,本シンポジウムにおいてSECが提示した再生可能エネルギーに関する多様なミクロ・レベルでの取組みに示されるような成功事例を模倣することを検討する。(注)
  11. SAARCエネルギー・センターは,地域のエネルギー専門家のデーターベースを維持する。

(注)SAARCエネルギー・センター「南アジアにおける再生可能エネルギー事業成功のための決定的要因に関する調査」

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