ロシア連邦

令和6年5月13日

日本センターについて

  1. 日本国政府は、1994年以降、ロシアの市場経済改革支援の一環としてロシア連邦内6都市(注)に日本センターを設置し、将来のロシア経済を担い、日露経済関係の分野で活躍することが期待される人材を発掘し育成するため、経営関連講座・日本語講座等様々な技術支援を行ってきた。日本センターによる経営関連講座及び訪日研修の実施は、1997年7月にエリツィン大統領(当時)が発表したロシア「企業経営者養成計画」に対する日本国政府による協力とも位置づけられており、ロシア側のニーズを踏まえた研修を実施するために、毎年、ロシア側との間で協議を行い年次事業計画を策定してきた。

    (注)現在、ハバロフスク(1994年11月)、ウラジオストク(1996年4月)、サハリン(1996年9月)、モスクワ(2001年1月)、サンクトペテルブルク(2001年3月)、ニジニー・ノヴゴロド(2001年10月)に日本センターが設置されている。(括弧内は、開所式の年月)
  2. 日本センターの活動に関しては、2003年1月の小泉総理(当時)の訪露の際にプーチン大統領との間で採択された「日露行動計画」において、「両国は、両国間の貿易経済交流において果たし得るものを含むその機能を定める、日本センターの活動に関する新しい覚書の早期署名に向け作業を活発化する」と明記された。

     これを受け、2003年6月、川口外務大臣(当時)とフリステンコ副首相(当時)との間で、日本センターの活動に関する覚書が署名された。日本センターは、従来の技術支援事業に加えて、日露経済交流促進のための事業も実施してきた。

     また、2005年11月のプーチン大統領訪日の際、ロシア連邦の大統領プログラムである企業経営者養成計画等に対する日本国政府の協力の継続を確認する「協力プログラム」が署名され、その中で日本センター事業に関する日露両国間の協力の強化が謳われた。

日本センターの活動

1 巡回講座/訪日研修、OJT研修

 日本から派遣される専門家により、主に若手企業経営者・ビジネスマンを対象に、ロシア側のニーズを踏まえ、経営、金融、貿易、マーケティング等、市場経済の強化に必要な知識や実務の他、省エネ、環境技術、医療、観光等、日本とロシアとの経済交流促進に資すると考えられる分野の具体的なテーマを持った巡回講座を行ってきた(1回あたり3か所)。受講生のうち成績優秀者に対しては、日本の経済活動の実践を学び、日本の経済交流を促進する場として訪日研修の機会を与えてきた。また、2004年度以降は、ロシア側の要望に応え、OJT研修(on the job training:日本での企業視察と共に実務研修を行い、より効率的な習得効果を得ると同時に、日本との経済交流を強化することを目的とした研修)も実施してきた。

2 現地企画講座

 各地域のニーズ・特色に機動的に応えることを目的として、各日本センターの企画・主催で、現地行政府や教育機関、日本企業等の協力を得つつ、様々な経営関連講座や日露経済交流促進のための講座を実施してきた。

3 ビジネス日本語講座等

 日本に関心のある企業経営者を含め、主に将来日露経済関係の分野で活躍することが期待される社会人を対象に、ビジネス日本語講座等を実施している。また、現地公館等主催の様々な日本文化紹介行事や交流行事にも日本センターは協力している。

4 日露経済交流の促進に向けた事業

 日本センターは、巡回講座/訪日研修及びOJT研修を受講した経験のある企業経営者やビジネスマンにより組織されている同窓会の人的ネットワークを活用しつつ、日露双方の個別企業や経済ミッション等の訪問の際には相手企業との交流の場をアレンジする等、積極的にビジネス・マッチングに取り組んできた。
 また、2004年6月以降、日本センターは日露貿易投資促進機構の日本側機構のロシアにおける支部としての活動(制度・企業等に関する情報提供、ビジネスサポート等のコンサルティング業務、紛争処理支援の3つの機能を持つ)を行ってきた。このほか、日本センターは、2016年5月の日露首脳会談で安倍総理がプーチン大統領に提示した8項目の「協力プラン」のうち「(3)中小企業交流・協力の抜本的拡大」のため創設された中堅・中小企業分野における協力のための日本側プラットフォームの関係機関として、我が国の中小企業の対ロシアビジネス支援、日露の中小企業のビジネス・マッチング等を行ってきた。

5 日本企業支援事業

 ロシアに所在する日本企業の各種支援を行っている。
 2022年2月のロシアによるウクライナ侵略を受け、当面の間、上記日本企業支援事業及び日本語講座等以外は、原則見送りとしている。

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