大洋州

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日・IRENA共催ワークショップ
「太平洋島嶼国における再生可能エネルギーの普及促進 ~課題への挑戦~」
結果概要

平成24年5月27日

  • (写真)第日・IRENA共催ワークショップ
「太平洋島嶼国における再生可能エネルギーの普及促進 ~課題への挑戦~」

 5月25日(金曜日)及び26日(土曜日)に沖縄県で開催された第6回太平洋・島サミット(PALM6)の機会を捉えて,26日(土曜日)に沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて,日本政府及び国際再生エネルギー機関(IRENA)の共催により,「太平洋島嶼国における再生可能エネルギーの促進 ~課題への挑戦~」が開催されました。

 IRENAは,太平洋島嶼国を重点地域に指定しており,我が国も,太平洋島嶼国に対して,再生可能エネルギー分野に関する様々な支援を行ってきています。また,開催地である沖縄県も,米国ハワイ州との間で「クリーン・エネルギー分野における沖縄ハワイ協力」を推進し,再生可能エネルギーを積極的に導入しています。このことを踏まえ,本ワークショップでは,太平洋島嶼国のエネルギー当局関係者を(局長級)招待し,我が国(特に沖縄県),及びIRENA加盟国やその関連機関・民間企業の島嶼地域における先駆的取組等を紹介しつつ,太平洋島嶼国における再生可能エネルギーの普及促進について,政策面及び技術面から議論を行いました。

1.開会の挨拶

 冒頭,主催者であるIRENAからアドナン・アミン事務局長,日本政府からは西塔雅彦外務省経済局審議官が開会挨拶を行い,続いて,後援の米国政府よりマーク・ナッパー国務省日本部長,沖縄県より,平良敏昭商工労働部長が挨拶を行いました。

 その際,アミン事務局長よりは,本ワークショップの開催に関する日本政府の支援と協力への謝意が表明されるとともに,日本は,長年に亘り太平洋島嶼国に対して支援を行っており,再生可能エネルギーの主要なプレイヤーであることから,本ワークショップの開催地としてふさわしく,その成功を祈念する旨の発言がありました。あわせて,太平洋島嶼国に関するIRENAの活動や今後の支援の方向性について紹介がありました。

2.議論の骨子

 本ワークショップでは,IRENA第2回総会の前日に開催された「大洋州リーダーズ会合」で今後の主な課題として言及された,太平洋島嶼国での再生可能エネルギー導入にあたっての電力系統の安定性の確保や,運輸部門での再生可能エネルギーの活用に特に焦点を当て,太平洋島嶼国の今後の政策面・技術面における取組について,具体的な議論を行いました。

 議論に当たり,IRENA事務局,大洋州地域のエネルギー関連機関,各太平洋島嶼国の代表等からは,各太平洋島嶼国の再生可能エネルギー政策やその現状と課題,そして我が国によるPEC基金や政府開発支援等を通じた成功事例等が報告されるとともに,鈴木正規環境省地球環境局長をはじめとする我が国(特に沖縄),ハワイ,ドイツ,フランスの政策担当者や研究機関,民間企業等からは,上記の課題についての先駆的事例等が紹介されました。これら,約20の報告を通じて,太平洋島嶼国を含む参加者たちが,様々な知見・経験を互いに共有しました。

 その上で,太平洋地域における再生可能エネルギーの今後の可能性や,IRENAをはじめとする国際社会の支援の方向性について,意見交換を行いました。

3.太平洋島嶼国首脳夫人一行によるワークショップの一部見学

 PALM6の夫人プログラムの一環として,OISTに訪問した首脳夫人は本ワークショップも一部見学し,野田総理夫人およびプナ・クック諸島総理夫人より,再生可能エネルギーは,日本と太平洋島嶼国を含む国際社会にとって重要な課題であるため,本ワークショップのテーマは大変有意義であり,実りあるものとなるよう心からお祈りする旨の挨拶がありました。その際,太平洋島嶼国からの本ワークショップ参加者と首脳夫人たちが,互いに駆け寄り挨拶を交わす場面もありました。

4.閉会の挨拶

 閉会にあたり,中野譲外務大臣政務官は,数時間前に発出されたPALM6の首脳宣言において,太平洋島嶼国における再生可能エネルギーを含むエネルギー源の多様化の重要性が確認され,本ワークショップに関する日本のイニシアティブが歓迎された旨を報告しました。また,同政務官は,東日本大震災を受けて,太平洋島嶼国が直面する再生可能エネルギーに関するチャレンジは,日本自身のチャレンジでもあり,日本としては,自身が直面するチャレンジへの取組で得た最先端のモデルを世界に発信し,大洋州地域を含む国際社会に貢献していきたい,そのための最良のパートナーが,IRENAであると確信する旨発言しました。

 ワークショップ後に開催された記念レセプションでは,竹内春久沖縄担当大使から冒頭挨拶が,ビニー・グラハム・タランギ・ニウエ首相府補佐官から乾杯の挨拶があり,参加者たちはワークショップに続いて意見交換を行いつつ,交流を深めました。

5.参加者からの評価

 太平洋島嶼国の参加者からは,これまで再生可能エネルギーの導入目標を掲げても,そこに至る道のりが見えなかったが,島嶼地域を中心とする先駆的事例から多くのことを学びヒントが得られた,早速,直接連絡して更に知見を得たい等の感想が述べられました。また,IRENA加盟国政府や関連機関・民間企業からは,太平洋島嶼国政府のエネルギー担当者が一堂に会し,大洋州地域の再生可能エネルギーの現状や課題を共に議論できたことは,極めて貴重な機会であり非常に充実していた,これを機に意見交換の場や人脈を育てていきたい旨の評価が寄せられました。

 外務省としては,今回のワークショップの成果が,大洋州地域を重点地域とするIRENAの一連の活動にいかされていくことを希望するとともに,引き続き,同地域への再生可能エネルギーの推進に向けて,IRENA等と連携を図っていきたいと考えています。

【太平洋島嶼国からの参加者】

クック諸島:
タンギタマイティ・テレアピイ首相府再生可能エネルギー開発局長
ミクロネシア連邦:
ヒューバート・ヤマダ資源開発省次官補
フィジー共和国:
ペゼリ・ナカブレブ公益事業・土木・運輸省エネルギー局長
キリバス共和国:
シアオン・アウキシノ公共事業省エネルギープロジェクト・エンジニア
マーシャル諸島共和国:
トーマス・キチナー資源開発省次官
ニウエ:
ビニー・グラハム・タランギ首相府補佐官
パラオ共和国:
グスタフ・アイタロー国務省国際貿易・技術協力局長
パプアニューギニア独立国:
イダウ・コピ石油エネルギー省エネルギー局政策・計画課長
サモア独立国:
ティレ・レイア・ツイマレアリイファノ電力公社総括管理者
ソロモン諸島:
ジョン・イシドロ・コリニホナ鉱業・エネルギー・地方電化省エネルギー局長
トンガ王国:
アカウオラ・トンガ・エネルギー・ロードマップ実行委員会暫定委員長
ツバル:
ビトリ・ファアオンガ・イオセファ運輸・通信・公共事業省公共事業次官補

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