大洋州
太平洋諸島フォーラム(PIF:Pacific Islands Forum)概要
沿革
1971年8月、第1回南太平洋フォーラム(SPF:PIFの旧名称)首脳会議がニュージーランドのウェリントンにおいて開催されて以来、大洋州諸国首脳の対話の場及び地域協力の核として発展した。現在、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジーなど15か国・2地域が加盟し、フィジーに事務局を有する。また、1989年からは、援助国を中心とする域外国との対話を開始した。域外国対話の相手は、日、米国、英国、フランス、カナダ、中国(1990年から)、韓国(1995年から)、マレーシア(1997年から)、EU(2000年から)、フィリピン(2000年から)、インドネシア(2001年から)、インド(2006年から)、タイ(2004から)、イタリア(2007年から)、キューバ(2012年から)、スペイン(2014年から)、トルコ(2014年から)、ドイツ(2016年から)、2021年から、チリ、ノルウェー及びシンガポールが参加。2000年10月の総会より、太平洋諸島フォーラム(PIF)に名称を変更した。
加盟国・地域
オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジー、サモア、ソロモン諸島、バヌアツ、トンガ、ナウル、ツバル、ミクロネシア連邦、パラオ、マーシャル諸島、キリバス、クック諸島、ニウエ、仏領ポリネシア、ニューカレドニア(16か国及び2地域)。
特色
政治・経済・安全保障等幅広い分野において域内共通関心事項の討議を行う。PIFの決定は全てコンセンサスに基づき、毎年総会において、PIFとしての政策の意思・方向性がコミュニケの形で採択される。
機構
(1)会合
総会(年1回) | : | 加盟国・地域の首脳が出席し、議長は加盟国が1年ごとに持ち回りで務める。 |
最近の議長国等 | : | パプアニューギニア(1995年)、マーシャル(1996年)、クック諸島(1997年)、ミクロネシア(1998年)、パラオ(1999年)、キリバス(2000年)、ナウル(2001年)、フィジー(2002年)、ニュージーランド(2003年)、サモア(2004年)、パプアニューギニア(2005年)、フィジー(2006年)、トンガ(2007年)、ニウエ(2008年)、オーストラリア(2009年)、バヌアツ(2010年)、ニュージーランド(2011年)、クック諸島(2012年)、マーシャル諸島(2013年)、パラオ(2014年)、パプアニューギニア(2015年)、ミクロネシア(2016年)、サモア(2017年)、ナウル(2018年)、ツバル(2019-20年 注 新型コロナウイルスの影響により2019年に総会が開催されなかったため、翌年もツバルが議長を務めた。)、フィジー(2021年-2023年2月まで)、クック諸島(2023年2月-)(注)次期議長国はトンガの予定。 |
事務レベル委員会(年数回) | : | 総会の他に、分野別の専門家委員会が開催されている。 |
(2)PIF事務局
1973年、総会の事務局として「南太平洋経済協力機関」(South Pacific Bureau for Economic Cooperation:SPEC)が設立され、1988年に「南太平洋フォーラム事務局」(South Pacific Forum Secretariat)に改称、1999年には「太平洋諸島フォーラム事務局」(Pacific Islands Forum Secretariat)に再度改称。PIF事務局は、総会及び事務レベル委員会の実施機関として、地域政策の立案を手掛けるとともに域内協力の強化・促進を図る役割を果たしている。
本部 | : | スバ(フィジー) |
事務局長(任期3年) | : | ヘンリー・プナ 2021年就任 |
(3)関連機関
フォーラム漁業機関(FFA)、太平洋共同体(PC)、南太平洋観光機関(SPTO)、太平洋地域環境計画(SPREP)等
日本とPIFとの関係
(1)対PIF協力実績
1987年度 | : | SPECの運輸通信分野等の地域プロジェクトに80万米ドル拠出。 |
1987年度 | : | 産業開発アドバイザリー・サ-ビス計画に対し30万ドル拠出。 |
1988年度~毎年 | : | SPF事務局に資金協力(エネルギー開発プロジェクト他) |
1989年7月(~毎年) | : | 域外国対話に参加。 |
1989年8月 | : | 海運専門家のSPF事務局派遣を実施(~1991年8月) |
1991年~毎年 | : | 太平洋島嶼国ドナー国会合に参加 |
1993年8月 | : | 職業訓練用コンピュータ供与計画実施(草の根無償) |
1994年8月 | : | SPF会議訓練センター用器材供与計画実施(草の根無償) |
1994年度~ | : | 対日輸出産品開発事業開催(於:沖縄、フィジー等) |
1995年4月~10月 | : | 南太平洋経済交流支援センター設置に関する調査実施 |
1996年10月 | : | 太平洋諸島センター(正式名「南太平洋経済交流支援センター」)開設。 |
1997年10月 | : | 日・SPF首脳会議開催(於:東京) |
1998年11月 | : | 南太平洋総合展及び投資セミナー開催(於:東京) |
1998年11月 | : | SSPF諸国からの原子力施設視察団(含:首脳レベル)受け入れ(原子力産業会議主催、外務省後援) |
2000年4月 | : | 「太平洋・島サミット」開催(於:宮崎) |
2000年11月 | : | 第1次太平洋知的対話ミッションをミクロネシア地域(パラオ、ミクロネシア、マーシャル、ハワイ、グアム)に派遣 |
2001年2月 | : | 大阪シンポジウム「パシフィック・ウェイの共有」開催 |
2001年3月 | : | 第2次太平洋知的対話ミッションをポリネシア地域(フィジー、トンガ、サモア)に派遣 |
2001年6月 | : | 第3次太平洋知的対話ミッションをメラネシア地域(バヌアツ、パプアニューギニア)に派遣 |
2001年7月 | : | 第2回太平洋・学長サミット開催(於:琉球大学) |
2001年9月 | : | JETRO、JICA、PIF主催国際シンポジウム「太平洋島嶼国の持続可能な開発に向けた人材育成策」開催(於:フィジー) |
2002年3月 | : | シンポジウム「太平洋と日本ーグローバリズムとミクロネシアの伝統文化」開催(於:金沢) |
2003年3月 | : | 第3回日・PIF首脳会議準備会合(於:東京) |
2003年5月 | : | 第3回日・PIF首脳会議開催(於:沖縄) |
2006年3月 | : | 第4回日・PIF首脳会議準備会合(於:東京) |
2006年5月 | : | 第4回日・PIF首脳会議開催(於:沖縄) |
2008年3月 | : | 第5回日・PIF首脳会議準備会合(於:東京) |
2009年5月 | : | 第5回日・PIF首脳会議開催(於:北海道) |
2010年10月 | : | 太平洋・島サミット中間閣僚会合開催(於:東京) |
2012年5月 | : | 第6回太平洋・島サミット開催(於:沖縄) |
2013年10月 | : | 太平洋・島サミット第2回中間閣僚会合開催(於:東京) |
2015年5月 | : | 第7回太平洋・島サミット開催(於:福島) |
2017年1月 | : | 太平洋・島サミット第3回中間閣僚会合開催(於:東京) |
2018年5月 | : | 第8回太平洋・島サミット開催(於:福島) |
2020年10月 | : | 太平洋・島サミット第4回中間閣僚会合開催(テレビ会議方式) |
2021年7月 | : | 第9回太平洋・島サミット開催(テレビ会議方式) |
(2)PIF域外国対話への日本からの出席者
1989年 | : | 磯貝駐フィジー大使 |
1990年 | : | 都甲欧亜局長 |
1991年 | : | 鈴木外務政務次官 |
1992年 | : | 柿沢外務政務次官 |
1993年 | : | 堀駐フィジー大使 |
1994年 | : | 柳沢外務政務次官 |
1995年 | : | 福田外務政務次官 |
1996年 | : | 小川外務政務次官 |
1997年 | : | 高村外務政務次官 |
1998年 | : | 武見外務政務次官 |
1999年 | : | 東外務総括政務次官 |
2000年 | : | 浅野外務政務次官 |
2001年 | : | 小島外務大臣政務官 |
2002年 | : | 植竹外務副大臣 |
2003年 | : | 矢野外務副大臣 |
2004年 | : | 阿部外務副大臣 |
2005年~2008年 | : | 有馬政府代表 |
2009年 | : | 小原特別代表(亜洋局審議官) |
2010年 | : | 西村外務大臣政務官 |
2011年 | : | 山口外務副大臣 |
2012年 | : | 中野外務大臣政務官 |
2013年 | : | 鈴木外務副大臣 |
2014年 | : | 木原外務大臣政務官 |
2015年 | : | 中根外務大臣政務官 |
2016年 | : | 小田原外務大臣政務官 |
2017年 | : | 堀井巌外務大臣政務官 |
2018年 | : | 堀井巌外務大臣政務官 |
2019年 | : | 鈴木外務大臣政務官 |
(3)PIF議長の本邦招待実績
1987年8月 | : | ヴァアイ・西サモア首相 |
1988年12月 | : | ヴァエア・トンガ副首相代行 |
1991年3月 | : | リニ・ヴァヌアツ首相 |
1992年6月 | : | オルター・ミクロネシア大統領 |
1994年3月 | : | ドウィヨゴ・ナウル大統領 |
1995年3月 | : | ビルニー・オーストラリア開発協力・太平洋島嶼国問題担当大臣 |
1996年2月 | : | チャン・パプアニューギニア首相 |
1996年10月 | : | カブア・マーシャル諸島大統領 |
1997年10月 | : | ヘンリー・クック諸島首相 |
1999年1月 | : | ネナ・ミクロネシア連邦大統領 |
1999年12月 | : | ナカムラ・パラオ共和国大統領 |
2001年2月 | : | シト・キリバス共和国大統領 |
2002年10月 | : | ガラセ・フィジー諸島共和国首相 |
2004年8月 | : | ゴフ・ニュージーランド外務貿易相(議長代理。非招聘) |
2005年3月 | : | トゥイラエパ・サモア首相 |
2006年2月 | : | ナマリュー・パプアニューギニア外相(議長代理) |
2008年3月 | : | セベレ・トンガ首相 |
2009年3月 | : | タランギ・ニウエ首相 |
2010年10月 | : | ナタペイ・バヌアツ首相 |
2011年5月 | : | マカリー・ニュージーランド外相 |
2013年10月 | : | ムラー・マーシャル諸島共和国外相 |
2014年12月 | : | レメンゲサウ・パラオ共和国大統領 |
2015年12月 | : | オニール・パプアニューギニア首相 |
2017年10月 | : | クリスチャン・ミクロネシア連邦大統領 |
2018年5月 | : | トゥイラエパ・サモア首相 |