1.訪日概要
(1)フィリピン側代表団
アキノ大統領に加え,デル・ロサリオ外務大臣,ロハス運輸通信大臣,プリシマ財務大臣,ドミンゴ貿易産業大臣など6閣僚を含む63人が随員として随行したほか,約100人のビジネス・ミッションも同行して来日。
(2)主要日程(9月25日(日曜日)~28日(水曜日))
- 25日午後:
- 来日
- 26日 :
- 宮城県石巻市訪問
- 27日午前:
- ビジネスマン等との個別会合
- 午後:
-
- 日・フィリピン首脳会談
- 署名式
- 「特別な友情の絆で結ばれた隣国間の『戦略的パートナーシップ』の包括的推進に関する日・フィリピン共同声明」(英語/仮訳)
- 円借款「森林管理計画」交換公文
- 野田総理主催夕食会
- 28日午前:
- 天皇陛下による御会見
- 昼:
- 宮中午餐
- 午後:
- 帰国
2.評価
- (1)両国は,基本的価値観と多くの戦略的利益を共有していることを確認し,両国関係を「戦略的パートナーシップ」として位置付けた。
- (2)「特別な友情の絆で結ばれた隣国間の『戦略的パートナーシップ』の包括的推進に関する日・フィリピン共同声明」(英語/仮訳)を発表し,同声明の中で,以下の点などを確認した。
【二国間関係】
経済分野
- 日・フィリピン経済連携協定の円満な実施・運用(看護師・介護福祉士候補者の受入れに係る協力の継続を含む。)。
- ODA・民間投資の積極的な活用によるフィリピンのインフラ整備・投資環境改善への協力。
- 重要なODA対象国であるフィリピンに対する支援の継続。
政治・安全保障分野
- 首脳・閣僚間の頻繁な対話,各種政策対話の実施(次官級戦略対話の立ち上げ。)。
- 海洋分野での協力(海上保安機関間・防衛当局間の交流・協力強化)。
- ミンダナオ和平プロセスに対する支援の継続。
人の交流
- フィリピン人学生400名を「東北友好親善大使」として招へい。
【地域・国際貢献】
- 本年11月のASEAN関連首脳会議(特に東アジア首脳会議(EAS)に向けた緊密な連携。
- 南シナ海の平和及び安定は国際社会の共通の関心事項。航行の自由,円滑な商業活動,確立された国際法規の遵守は両国及び地域全体の利益。
- 北朝鮮による核・ミサイル開発継続は重大な懸念。北朝鮮が拉致問題を含む人道上の懸念に迅速に取り込むよう要請。
- 日本の常任理事国入りについてのフィリピンの力強い支持。
- (3)アキノ大統領は,宮城県石巻市訪問で被災地の小学校及び避難所を訪問し,100万ドルの寄附を行う旨の書簡を亀山・石巻市長に手渡すなど,両国間の友情の絆と連帯を強く印象付けた。