26日,公式実務訪問賓客として訪日中のアキノ大統領は,東日本大震災の被災地である石巻市を訪問したところ(山口外務副大臣が同行),概要以下のとおり。
1 仙台市長による仙台駅出迎え
奥山恵美子仙台市長は,仙台駅においてアキノ大統領を出迎え,大統領と短時間懇談した。奥山市長から東日本大震災の被害に関する写真集を贈呈したのに対し,アキノ大統領は謝意を示し,震災に対するお見舞いと共に,一日も早い復興をお祈りしている旨を述べた。
2 石巻市役所訪問・寄附の発表
アキノ大統領は,石巻市役所において亀山紘石巻市長ほかの歓迎を受けた後,亀山市長から石巻市における震災の状況や復興の取組について説明を受けた。アキノ大統領は,お見舞い及び同情の念を示した後,石巻市に対して100万米ドルの寄附を行う旨の書簡を亀山市長に手渡すとともに,フィリピン政府及び国民は石巻市の一日も早い復興を願っており,石巻市の復興に役立ててほしいと述べた。亀山市長は,寄附に対する謝意を示し,石巻市の再建に使わせていただきたいと述べた。
3 門脇小学校(被災地)訪問
アキノ大統領は,東日本大震災による津波及びその後の火災によって損壊・延焼した門脇小学校を視察し,亀山市長から石巻市の震災被害等について説明を受けた。アキノ大統領は,損壊・延焼した校舎前にて献花を行い,震災被害者に対する弔意を示した。
4 フィリピン人コミュニティーとの懇親会
アキノ大統領は,石巻カトリック教会において,東北地方各地から集まった在日フィリピン人コミュニティーの約150名との懇親会に参加した。フィリピン人コミュニティーの代表4名は,大統領の訪日及び石巻市訪問に対する歓迎の意を示し,自らの震災の被害状況について述べ,母国のフィリピン政府及び地域のフィリピン人コミュニティーの支援と励ましは心強く,大きな助けとなったことに感謝していると述べた。これに対して,アキノ大統領は,今回石巻市を訪問できたことは大変喜ばしいと述べるとともに,これまでの日本からの支援への恩返しとして,被災地救援のために石巻市に寄附を行うことを報告した。また,彼らの祖国フィリピンのために,自らも一層努力することを約束し,震災にくじけず苦難を乗り越えてほしいとして,被災した在日フィリピン人を勇気づけた。
5 避難所訪問
アキノ大統領は,門脇中学校の避難所を視察し,避難所の状況について石巻市役所職員の説明を受けた。アキノ大統領は,避難所の人々に対し,今回の震災に対するお見舞いを述べ,一日も早い復興を祈っていると述べた。また,これまでの日本のフィリピンへの支援に対する恩返しをすべく,できる限りの支援を行っていきたい,と言葉を掛けた。
6 宮城県副知事による仙台駅見送り
若生正博宮城県副知事は,仙台駅においてアキノ大統領と短時間懇談し,同大統領の仙台駅出発を見送った。若生副知事から,大統領の宮城県訪問に謝意を示したのに対し,アキノ大統領一行から石巻市の印象を述べつつ,宮城県の一日も早い復興を心から願っていると述べた。