アジア

第9回日本・シンガポール・シンポジウムの開催(結果概要)

平成25年3月26日

 2013年3月25日(月曜日)及び26日(火曜日)、東京において、公益財団法人日本国際フォーラム(JFIR)及びシンガポール国立大学政策研究所(IPS)の共催、日本・シンガポール両国外務省の後援により、第9回日本・シンガポール・シンポジウムが開催されました。今回のシンポジウムでは、前回に引き続き、谷内正太郎内閣官房参与及びトミー・コーIPS特別顧問が共同議長を務め、両国の政府関係者のほか、政界、学界、経済界、メディア界の各界から両国のオピニオン・リーダーが出席しました(全パネリスト名簿(PDF))。シンポジウムの概要は、以下のとおりです。

1.日程

 3月25日(月曜日)
基調講演 グレース・フー首相府大臣兼第二外務大臣兼第二環境・水資源大臣
  第1セッション:「地域戦略環境の変化及び域内プレーヤーへの影響」
  昼食セッション:塩崎恭久衆議院議員によるスピーチ
「アベノミクスの三本の矢:日本経済の再生に向けて」
  第2セッション:「地域の海上安全保障上の問題及び海洋法秩序の構築に向けて」
  鈴木外務副大臣主催歓迎レセプション

 3月26日(火曜日
  第3セッション:「日・ASEAN関係:回想、展望、そして未来へのロードマップ」
  総括セッション

2.各セッションの概要

(1)第1セッション
2日間にわたるシンポジウムの1日目は非公開で行われ、セッション1では、「地域戦略環境の変化及び域内プレーヤーへの影響」というテーマの下で議論がなされました。報告者は、川島真東京大学大学院准教授及びニコラス・ファン・シンガポール国際問題研究所(SIIA)所長兼シンガポール指名国会議員が務め、また、討論者は、道下徳成政策研究大学院大学(GRIPS)准教授及びハン・フッククァン・シンガポール・プレス・ホールディングス英馬紙部門編集長が務めました。参加者は、現在のアジア太平洋地域における伝統的・非伝統的な様々な戦略的課題につき議論を行い、中国の急速な発展と国際場裡においてますます重要になるその役割について認識を共有するとともに、中国と建設的な協力を行い、対話その他の平和的手段によって互いの相違を管理することが非常に重要であるとの認識で一致しました。
 
(2)第2セッション
セッション2では、「地域の海上安全保障上の問題及び海洋法秩序の構築に向けて」というテーマの下で議論がなされ、報告者は、金田秀昭岡崎研究所理事及びロバート・ベックマン・シンガポール国立大学国際法センター(CIL)所長が務め、また、討論者は、宮家邦彦キヤノングローバル戦略研究所研究主幹及びラム・ペンアー・シンガポール国立大学東アジア研究所(EAI)主任研究員が務めました。参加者は、アジア太平洋地域の平和、安定及び繁栄を維持していくためには、域内諸国間での協力関係を維持・強化していく必要があることを確認するとともに、共に海洋国家である日本及びシンガポールにとっては、アジアにおける商業・貿易の発展のために海上交通路における航行の自由の確保に向けた協力を進めることが不可欠であり、それらの努力は、国連海洋法条約を含む関連国際法に従って、かつ、平等及び相互の精神で行われるべきであるとの認識を共有しました。また、参加者は、アジア太平洋地域における平和、安定及び繁栄の維持において、米国が果たす重要な役割についても再認識し、オバマ政権におけるアジアへのリバランシング政策は、政治、経済及び安全保障の観点から、アジア太平洋地域全体の発展につながるものであるとの認識で一致しました。
 
(3)第3セッション
セッション3は、シンポジウム2日目に公開で行われ、「日・ASEAN関係:回想、展望、そして未来へのロードマップ」というテーマの下で議論がなされました。報告者は、浦田秀次郎早稲田大学大学院教授及びマヌー・バスカランIPS客員主任研究員兼センテニアルグループ役員が務め、また、討論者は、白石隆GRIPS学長及びロー・イェンリン・シンガポール国会議員兼ビジネス・チャイナ会長が務めました。参加者は、2013年12月に日本で日・ASEAN友好協力40周年を記念して日・ASEAN特別首脳会議が開催されることを念頭に、今後の日・ASEAN関係の一層の強化に向けて何を達成すべきか、どのような新しいアイディアやイニシアティブを提示することができるか等について議論を行いました。具体的には、ASEANは日本にとって極めて魅力的な投資先であり続けており、投資の見返りについてもASEANは世界最高水準にあるが、ASEAN諸国のインフラストラクチャーやビジネス環境を更に整備し、法によるルール作りと良き統治を更に推進することができれば、ASEANは日本の投資先として、より魅力的なものとなるとの認識を共有しました。また、参加者は、ASEAN統合は、地域レベルだけでなく、より小さな地区レベルにおいても進んでおり、その統合の成果は実を結びつつあるとの認識で一致しました。日本側参加者からは、日・ASEAN関係は互恵的なものであり、それぞれにとって極めて重要であることから、日本はASEAN統合に対してこれまでも貢献しているが、今後もそのための支援を継続していく考えである旨表明し、双方は、ASEANに対する日本の経済戦略として、シンガポールをASEAN、アジア全体更には世界への一つのゲートウェイとするのも一案である等の議論を行いました。
 
(4)総括セッション
2日間にわたるシンポジウムを経て、双方の参加者は、日本とシンガポールの緊密な関係を再確認するとともに、ASEAN地域の安定的で平和な環境が、今日における同地域の急成長にとって不可欠であることを確認しました。また、参加者は、地域の平和、安定及び繁栄を実現するため、日本とシンガポールが共に協力しつつ、他のASEAN諸国やASEAN関連機関とも継続的に協同していくことの必要性を強調しました。さらに、日・シンガポール両国は、WTO、TPP及びRCEPに関係する交渉でも緊密に協力することを確認し、自由貿易と開放的な経済、グローバル化を支持することで一致しました。最後に、参加者は、12月に日本で開催される日・ASEAN特別首脳会議に関し、リー・シェンロン首相の出席を歓迎することを確認しました。


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