アジア

第5回日本・メコン地域諸国首脳会議
「東京戦略2012」の中間評価

平成25年12月14日

 日本国、カンボジア王国、ラオス人民民主共和国、ミャンマー連邦共和国、ベトナム社会主義共和国の首脳及びタイ王国の副首相は、2013年12月14日に東京において、日・ASEAN特別首脳会議に続き、第5回日本・メコン地域諸国首脳会議のために一堂に会した。

 首脳は、本年6月の第6回日メコン外相会議及び本年8月の第4回日メコン経済大臣会合の議論も踏まえ、「東京戦略2012」に基づく日メコン協力のこれまでの進展について、下記のとおり中間評価を行った。また、改訂された「東京戦略2012の実現のための行動計画」を確認した。

 首脳は、2015年に向けて日メコン協力をさらに強化するとのコミットメントを再確認した。

1 総論

  • 首脳は、昨年の第4回日本・メコン地域諸国首脳会議で採択された、2015年までに実施される3本柱を含む「日メコン協力のための東京戦略2012」に基づき、メコン地域諸国及び日本との間の関係及び協力が実質的に進展したことに深い満足感をもって留意した。
  • また、メコン各国首脳は、本年安倍総理がメコン地域諸国全てを訪問したことを歓迎した。
  • メコン各国首脳は、昨年の第4回日本・メコン地域諸国首脳会議で日本が表明した2013年度からの約6、000億円のODAによる支援が、着実に実施されていることを歓迎した。
  • 首脳は、日メコン協力の下、日本とタイの間で現在行っている活動に謝意を表し、将来の活動に向けた継続するパートナーシップを歓迎した。
  • 昨年4月の第4回日本・メコン地域諸国首脳会議の際に、日本が提示した「主要インフラ案件リスト」について、日本はその改訂版を提示し、メコン各国首脳はこれを歓迎した。

2 日メコン協力

(1)連結性の強化

  • 首脳は、2015年のASEAN共同体構築に向け、メコン域内の連結性向上に向けた取組がASEAN全体の連結性の向上にとって重要であることを確認した。
  • メコン各国首脳は、メコン各国によって行われた東西経済回廊及び南部経済回廊におけるインフラ及び制度的連結性の開発の進捗を認識し、これらの回廊の開発への日本の協力に対し謝意を表明し、これら経済回廊への今後の支援に対する期待を表明した。
  • 首脳は、主要経済回廊のミッシング・リンク解消の重要性を確認するとともに、経済回廊周辺都市圏の多面的な開発の必要性を認識した。
  • メコン各国首脳は、日本がメコン各国を含むASEAN諸国に対して行っている通関システムの導入支援を含む税関近代化を通じた、貿易円滑化のための税関協力の進捗につき、メコン地域の制度的連結性向上に大いに資するものとして留意した。
  • 首脳は、メコン地域における情報通信技術(ICT)インフラ整備とその利活用による環境問題等の社会課題の解決のため、「ASEANスマートネットワーク」構想の推進の重要性を確認した。

(2)共に発展する

  • 首脳は、日メコン経済産業協力イニシアティブ(MJ-CI)のもと、第4回日メコン経済大臣会合で採択された「メコン開発ロードマップ」に基づき、メコン地域のハードインフラとともに「2020年のベトナム工業化戦略と行動計画」等の産業政策立案への能力支援が着実に進展していることを歓迎するとともに、第6回日メコン産業政府対話で示された、メコン地域大のバリュー・チェーン・ネットワークを強めるための中長期のメコン地域開発ビジョン策定の重要性に留意し、経済閣僚に対し当該ビジョンの策定を指示した。
  • ア メコン地域の投資環境向上
    • メコン各国首脳は、メコン地域への日本の投資が昨年来増加していることを歓迎した。首脳は、日ASEAN包括的経済連携協定の投資サービス章のルール交渉において実質合意に達したことを歓迎するとともに、日本とミャンマーの間で二国間投資協定が締結されることにより、日本と全てのメコン地域諸国の間で高い水準の投資の自由化及び保護に関する法的枠組みが整備されることになることを歓迎した。
    • 首脳は、投資協定やEPAに基づく共同委員会等を通じ、メコン地域諸国への更なる投資促進のため、投資環境改善に努力することで一致した。
    • メコン各国首脳は、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)、日本貿易振興機構(JETRO)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本貿易保険(NEXI)、海外産業人材育成協会(HIDA)等、日本の関連機関を通じた協力の着実な進展に対し謝意を表明した。特にJETROビエンチャン事務所の2014年中の開設が決定されたことを歓迎した。
  • イ グローバル市場経済へメコン諸国を組み込むための行動及び措置
    • 首脳は、本年2月のラオスのWTO加盟を歓迎し、多角的貿易体制の維持・強化に取り組む決意を表明した。
  • ウ CLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)開発及びCLV(カンボジア、ラオス、ベトナム)開発の三角地帯への支援を強化するための行動及び措置
    • 日本は、CLMV開発及びCLV開発の三角地帯への支援を引き続き行う旨表明し、メコン各国首脳はこれを歓迎した。
  • エ 文化交流及び観光を促進するための行動及び措置
    • 首脳は、日本が、日本と他のアジアの国で学び合う未来を創るため、互いの多様性を尊重しつつ、メコン地域を含むASEAN域内における芸術・文化・スポーツの双方向の交流と日本語学習支援を推進し、アジア域内の文化交流を抜本的に強化することを表明したことを歓迎した。
    • 首脳は、日本及びメコン地域諸国間の観光客が増加していることを歓迎した。メコン地域諸国首脳は、本年全てのメコン諸国に対し査証緩和を決定したことを歓迎した。首脳は、人的交流の促進のため、更なる努力を行うことで一致した。
    • 首脳は、更なる人的交流の促進のため二国間及び多国間での航空協定等の法的枠組みの更なる整備を後押しすることの重要性を確認した。
    • 首脳は、JENESYS2.0などの様々なプログラムを通じ、日本・メコン地域諸国間の青少年交流が活発に行われていることを歓迎した。
  • オ 官民協力促進のための行動
    • 首脳は、メコン地域において強靭なインフラの構築に向けて、官民連携プロジェクト(PPP)案件の推進などで協力していくことで一致した。
    • 首脳は、官民協力の枠組みの更なる強化のため引き続き日メコン官民協力・連携促進フォーラムを実施していくこと、また当該フォーラムと日メコン産業政府対話との連携強化を図ることを確認した。

(3)人間の安全保障及び環境の持続可能性確保

  • ア メコン地域諸国横断的な人間の安全保障の目標を達成するための行動及び措置
    • 首脳は、MDGs(ミレニアム開発目標)に沿って設けられた乳幼児、妊産婦の助命、エイズ、結核、マラリア死亡者削減のための数値目標について着実に進捗していることを確認した。
    • 首脳は、人間の安全保障の観点から、ポスト2015年開発アジェンダの策定に向けて協力することで一致した。
    • 首脳は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジと医療制度のガバナンス向上を推進する双方の取組を歓迎し、メコン各国首脳は、同分野での日本の技術支援を求めた。また、首脳は、感染症対策、母子保健協力、予防医療などの分野において協力を強化することで一致した。また、メコン各国首脳は、我が国の医療技術・サービスや保健人材育成(看護師等)での協力も歓迎した。
  • イ 環境及び気候変動課題のための行動及び措置
    • 首脳は、本年10月、タイと日本の共催によりバンコクにて行われた第2回グリーン・メコン・フォーラムにおいて、「『グリーン・メコンに向けた10年』イニシアティブに関する行動計画」に掲げられた協力分野について、政府関係者のみならず、非政府機関、地方自治体及び民間企業関係者も参加する形で知見の共有と意見交換が行われたことを歓迎した。
    • 日本は、ワルシャワでの気候変動枠組条約第19回締約国会合(COP19)で発表した「攻めの地球温暖化戦略」に基づき、気候変動分野における途上国支援について、今後もニーズを踏まえつつ支援を実施していく旨表明し、メコン地域諸国はこれを歓迎した。
    • 本年5月に東京で行われた第2回東アジア低炭素成長パートナーシップ対話に関し、日本は、共同議長を務めたカンボジアをはじめメコン各国からの出席と議論への貢献に感謝した。
    • 日本は、ジョイント・クレディティング・メカニズム(JCM)について、ベトナム及びラオスと本制度を既に創設していることを歓迎し、引き続きメコン地域においてこれを推進していく旨表明した。
    • 首脳は、メコン河の水及び関連資源の持続的管理・開発の死活的な重要性を再確認するとともに、地域及び国際機関、特にメコン河委員会(MRC)との協力を継続する。この点、MRCは、メコン河主流における水力発電事業の影響も含めたメコン河の持続的管理・開発に関する研究を迅速に進めることが奨励された。
    • 首脳は、環境問題及び防災のためのICT利用の協力を継続することを確認した。
  • ウ 防災協力のための行動及び措置
    • 首脳は、日ASEAN間での防災協力が進んでいることを歓迎すると共に、特に日本のメコン地域諸国における洪水、台風、サイクロン被害への支援を歓迎した。また、フィリピンにおける最近の災害を念頭に置いて、日本及びメコン地域諸国は、ASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)や各国防災機関の強化を含む防災協力を進めていくことで一致した。
    • 首脳は、2015年3月に日本の仙台で開催される第3回国連防災世界会議及び2014年6月にバンコクで開催される事前の地域会合である第6回アジア防災閣僚級会合に向けて協力していくことで一致した。
  • エ 食料安全保障のための行動及び措置
    • 首脳は、ASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)について、制度の構築が着実に進んでいることを歓迎するとともに、ラオスやフィリピンでの災害救済において重要な役割を果たしたことを確認した。

3 ミャンマー支援

  • 日本及びメコン各国首脳は、ミャンマー政府が全力を挙げて取り組んでいる民主化、法の支配の強化、経済改革、国民和解、開発協力といった取組みを支援していく旨表明した。また、メコン各国首脳は、日本の官民の総力を挙げたミャンマーの取組への支援について評価した。
  • また、これに関し、メコン各国首脳は、日本が本年5月に、ミャンマーに対し、合計910億円を2013年度末までに実施する旨表明したことを歓迎した。
  • 首脳は、2014年のASEAN議長国としてのミャンマーのリーダーシップへの信頼と支援を表明した。

4 2014年の日メコン協力

  • 首脳は、第6回日本・メコン地域諸国首脳会議が、2014年の適切な日に多数国間会議等の機会を利用して、日本とミャンマーの共同議長により開催されることを確認した。
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