ルクセンブルク大公国

基礎データ

令和6年2月2日
ルクセンブルク大公国国旗

一般事情

1 面積

2,586平方キロメートル

2 人口

65.7万人(2023年6月、IMF)

3 首都

ルクセンブルク

4 言語

ルクセンブルク語、フランス語、ドイツ語

5 宗教

国民の大多数はカトリック

6 略史

年月 略史
963年 ルクセンブルク領の誕生
1354年 ルクセンブルク公国に昇格。その後、他国による統治
1815年 大公国として自治を回復
1839年 領土が現在のルクセンブルク大公国とベルギー領リュクサンブール州に二分される(ロンドン条約)
1867年 永世中立国
1940年 ドイツによる侵攻(1944年解放)
1948年 中立政策を放棄、オランダ、ベルギーとともにベネルクス関税同盟を発足させる。
1949年 NATO(北大西洋条約機構)加盟
1952年 ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)加盟
1958年 EEC(欧州経済共同体、後の欧州連合)・EURATOM(欧州原子力共同体)加盟
1999年 ユーロ導入

政治体制・内政

1 政体

立憲君主制

2 元首

アンリ大公(2000年10月即位)

3 議会

一院制(定数60名、任期5年)

政党名 議席数
与党 キリスト教社会党(CSV) 21
民主党(DP) 14
野党 社会労働党(LSAP) 11
民主改革党(ADR) 5
緑の党(déi gréng 4
海賊党(Piraten 3
左派連合(déi Lénk 2
60

4 政府

  • (1)首相 リュック・フリーデン(キリスト教社会党)
  • (2)外務・対外通商相 グザヴィエ・ベッテル(民主党)(副首相兼開発協力・人道問題担当相を兼務)

5 内政

  • (1)1918年から2013年まで(1974~1979年を除く。)、キリスト教社会党(1944年に右派党から改称。)が単独で又は連立によって政権を担当。しかし、2013年夏、情報機関(SREL)の不祥事がユンカー首相(キリスト教社会党)の政治問題に発展してキリスト教社会党と社会労働党との連立の維持が困難となり、2013年10月に総選挙が前倒しで実施された。その結果、キリスト教社会党が第一党の座を守ったものの、第二党から第四党までに就いた民主党、社会労働党及び緑の党が三党連立を組み、ベッテル政権が発足した。ベッテル政権は政教分離や同性婚の法制化等を推進した。公共交通機関の無料化や新憲法の制定(国民議会の権限強化等)が行われた。2018年10月の総選挙でも連立政権を構成する三党が過半数を押さえて第二次ベッテル政権が成立した。
  • (2)2023年10月の総選挙において緑の党が大幅に議席を失ったことで、民主党、社会労働党及び緑の党による三党連立政権の維持が困難となり、この結果、第一党のキリスト教社会党と第二党の民主党の連立によるフリーデン政権が成立した。
  • (3)金融業を中心に高い経済力を誇り、高い生活水準が確保されている。現在、宇宙、ICT、物流、環境技術、バイオ・医療など、金融以外の産業多角化を優先課題としている。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)欧州連合(EU)の源流となる欧州石炭鉄鋼共同体の原加盟国であり、欧州統合の推進に積極的(欧州司法裁判所、欧州投資銀行等のEU関係機関が所在している上、これまでユンカー元首相等3人の欧州委員会委員長を輩出している。)。また、歴史的・地理的理由から、ベネルクス、仏、独の三極関係に配慮した立場を採っており、政治及び経済面でのべネルクス三国間の連帯の強化に積極的。
  • (2)国連創設以来の加盟国であり、多国間主義を推進。ODAの対国民総所得(GNI)比1%を目標としている(2022年の実績は1.03%)。EU及びNATOによる平和協力の強化を重視。小規模ながら国際平和維持活動にも貢献している(アフガニスタンにおけるISAFへ10名派遣)。また、人権や軍縮外交にも積極的で、例年国連核軍縮決議の共同提案国になっている。2013年から2014年までの間安保理非常任理事国を務めた。また、2015年後半はEU議長国を務めた。2019年から2020年まではルクセンブルクがベネルクス連合議長国を務めた。

2 軍事力

  • (1)予算 3.8億ユーロ(2023年)
  • (2)兵役 志願制
  • (3)兵力 総兵力1,128人(陸軍1,128人、海軍0人、空軍0人)(出典:2023年、ルクセンブルク防衛局)

経済

1 主要産業

金融業、鉄鋼業

2 GDP(2023年)

870億ドル(出典:IMF)

3 一人当たりGDP(2023年)

13.2万ドル(出典:IMF)

4 実質GDP成長率

  2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
実質GDP成長率(%) 1.2 2.9 -0.9 7.2 1.4

(出典:IMF)

5 物価上昇率

  2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
物価上昇率(%) 2.0 1.7 0 3.5 8.1

(出典:IMF)

6 失業率

  2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
失業率(%) 5.1 5.4 6.4 5.7 4.8

(出典:IMF)

7 総貿易額(2022年)

輸出 163億ユーロ
輸入 252億ユーロ
(出典:国立統計経済研究所)

8 主要貿易品目

  • (1)輸出 一次原材料製造品(23%)、機械(18%)、他の製造品(16%)等
  • (2)輸入 機械(15%)、化石燃料(14%)、車両(13%)等

(出典:国立統計経済研究所)

9 主要貿易相手国(2022年)

  • (1)輸出 ベルギー、ドイツ、フランス、オランダ、イタリア
  • (2)輸入 ベルギー、ドイツ、フランス、オランダ、イタリア

(出典:国立統計経済研究所)

10 通貨

ユーロ

11 経済概要

  • (1)ルクセンブルクは、1970年代初頭の石油危機以降それまで経済成長を支えてきた鉄鋼業中心の産業構造から、金融サービス業中心の産業構造への転換に成功し、今日の欧州の金融センターとしての地位を確立した。
  • (2)近年、同国は金融機関への過度な依存を脱するため、宇宙、情報通信技術(ICT)、電子商取引、ロジスティックス、自動車部品、医療技術、環境技術などの新しい産業の支援にも力を入れ、多くの企業が同国に進出している。
  • (3)堅調に成長してきたルクセンブルク経済は、世界経済危機の影響により2009年はマイナス成長に転じた。その後持ち直したものの、ユーロ圏債務危機の影響を受け2012年はマイナス成長となった。新型コロナの影響により2020年にもマイナス成長を記録したが、経済対策を講じ、2021年には回復。2022年以降はウクライナ情勢を受けたインフレやエネルギー価格の高騰が懸念事項。
  • (4)金融分野では、従来強みのある投資ファンド(投資ファンド資産残高が米国に次いで世界第2位。)、プライベート・バンキングといった分野に加え、最近ではグリーン・ファイナンスといった分野への積極的な取組を推進している。また、金融とICTの融合分野であるフィンテックにも力を入れてきている。
  • (5)宇宙分野では、小惑星等の地球近傍天体での資源の採掘を計画しており、関連民間企業の誘致、研究開発プロジェクトへの投資や、採掘した鉱物資源に係る所有権についての国内法の整備を行うなど、官民を挙げて積極的に取り組んでいる。

二国間関係

1 政治関係・要人往来

(肩書はいずれも当時のもの。)

  • (1)日・ルクセンブルク関係は、我が国皇室とルクセンブルク大公家との緊密な関係を礎に、全般的に良好。
  • (2)我が国は、1996年1月に在ルクセンブルク日本大使館を設置(ルクセンブルクは、1987年3月に在京大使館を設置。)。
近年の要人往来
(往)
年月
1997年5月 天皇皇后両陛下
2005年1月 秋篠宮同妃両殿下(前大公妃殿下国葬)
小野寺外務大臣政務官(日・EU市民交流年)
2005年5月 小泉総理大臣(日・EU定期首脳協議)
2009年7月 西村外務大臣政務官
2012年10月 皇太子殿下(ギヨーム皇太子婚礼式典)
2014年7月 牧野外務大臣政務官
2015年11月 岸田外務大臣(第12回ASEM外相会合)
2015年12月 安倍総理大臣
2016年9月 林日本・ルクセンブルク友好議員連盟会長
2017年7月 憲仁親王妃久子殿下
(来)
年月
1997年3月~4月 ユンカー首相(橋本総理大臣と会談、ゲベルス経済相が同行)
1998年2月 ジャン大公殿下、アンリ皇太子同妃両殿下(長野オリンピック)
1999年4月 ジャン大公同妃両殿下(国賓)
2001年12月 ヤコブス家族・社会連帯・青少年相
2002年1月 ベルジュ環境長官
2003年3月 ベルジュ環境長官
2003年9月 アンリ大公殿下(ポルファー外相同行)
2005年1月 ハルスドルフ内務・国土整備相(国連防災世界会議)
2005年4月 クレッケ経産相
2005年5月 アセルボーン副首相兼外務・移民相
2006年10月 フリーデン国庫・予算相
2007年10月 シルツ防衛相
2008年2月 ユンカー首相
2010年5月 ユンカー首相
2011年4月 アセルボーン副首相兼外相
2011年5月 ギヨーム皇太子殿下、クレッケ経産相
2012年7月 アセルボーン外相(アフガニスタン東京会合)
2012年10月 ユンカー首相、フリーデン財相(IMF・世銀年次総会)、ビルツェン通信メディア相
2012年12月 シュナイダー経産相
2013年11月 フェリックス王子同妃両殿下
2014年10月 ギヨーム皇太子同妃両殿下、シュナイダー副首相兼経済相、バウシュ公共事業相
2015年1月 グラメーニャ財相
2015年3月 ケルシュ内務相(第3回国連防災世界会議)
2015年7月 ベッテル首相、グラメーニャ財相
2016年1月 グラメーニャ財相
2017年1月 グラメーニャ財相
2017年4月 シュナイダー副首相兼経済相
2017年5月 アセルボーン外相
2017年10月 ムッチュ保健相
2017年11月 アンリ大公殿下、シュナイダー副首相兼経済相、アセルボーン外相、グラメーニャ財相
2018年1月 グラメーニャ財相
2019年1月 グラメーニャ財相
2019年10月 アセルボーン外相
2019年10月 アンリ大公殿下(即位の礼)
2021年7月 アンリ大公殿下(東京オリンピック)
2022年9月 ベッテル首相(安倍元総理国葬儀)
2022年10月 ベッテル首相、バッケス財相
2022年11月 ファイヨ経済相
2024年1月 ベッテル副首相兼外務・対外通商相兼開発協力・人道問題担当相

2 経済関係

(1)日・ルクセンブルク貿易(単位:億円、出典:財務省貿易統計)
(ア)貿易額
年号 輸出 日本からルクセンブルクへ 輸入 ルクセンブルクから日本へ 収支
貿易額 (前年比増減) 貿易額 (前年比増減)
2009年 48 -73.9% 34 -23.8% 14
2010年 171 259.3% 45 32.8% 126
2011年 173 0.6% 48 6.2% 124
2012年 204 18.1% 53 10.6% 151
2013年 141 -30.8% 65 22.6% 76
2014年 213 51.0% 85 30.7% 128
2015年 542 154.4% 87 2.3% 455
2016年 392 -27.6% 79 -9.1% 313
2017年 657 67.6% 82 3.7% 575
2018年 623 -5.0% 90 9.7% 534
2019年 511 -17.9% 97 7.8% 414
2020年 404 -20.9% 88 -10.2% 316
2021年 640 58% 112 27% 528
2022年 865 35% 110 -2% 755
(イ)主要品目
輸出(日本からルクセンブルクへ) 輸入(ルクセンブルクから日本へ)
品目 金額 シェア 品目 金額 シェア
機械類及び輸送用機器 823.6 95.2% 原料別製品 64.4 58.7%
原料別製品 15.5 1.8% 機械類及び輸送用機器 19.1 17.4%
化学製品 9.4 1.1% 化学製品 11.8 10.8%
(2)直接投資残高(出典:日銀「国際収支統計」 単位:億円)
対外直接投資(日本からルクセンブルクへ) 対内直接投資(ルクセンブルクから日本へ)
2007年末 4,001 2,565
2008年末 3,911 3,611
2009年末 6,666 3,927
2010年末 7,851 3,947
2011年末 5,426 3,280
2012年末 5,985 2,547
2013年末 7,894 3,548
2014年末 8,566 4,596
2015年末 10,681 4,273
2016年末 10,616 5,139
2017年末 16,824 8,513
2018年末 14,022 7,402
2019年末 17,387 9,727
2020年末 40,823 7,424
2021年末 32,088 6,393
2022年末 41,627 6,444
(3)進出企業数
 金融分野、製造分野等を中心に、我が国からルクセンブルクに41社が進出(邦人職員のいない現地事務所を含む。)。ルクセンブルクから我が国には航空貨物輸送等で15社が進出。
日本からルクセンブルクへ 41社 (2022年)
ルクセンブルクから日本へ 15社 (2022年、東洋経済新報社「外資系企業総覧」)

3 在留邦人数

751人(2023年10月、在ルクセンブルク大使館在留届)

4 在日当該国人数

55人(2022年12月、法務省統計)

5 二国間条約・取極

  • 1960年 ベネルクス通商協定、査証免除取極
  • 1990年 国際運輸業に係わる所得税等の相互免除取極
  • 1992年 租税条約
  • 2010年 租税条約改正議定書署名(2011年発効)
  • 2014年 社会保障協定署名(2017年発効)

6 外交使節

  • (1)駐ルクセンブルク日本国大使 松原正浩特命全権大使
  • (2)駐日ルクセンブルク大使 ピエール・フェリング特命全権大使
ルクセンブルク大公国へ戻る