3月4日、鳩山総理は訪日中のチュンマリー・ラオス国家主席兼ラオス人民革命党書記長と約45分間会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。なお、首脳会談終了後、両首脳は共同声明「恒久的な友好関係及び地域の繁栄に向けた包括的パートナーシップの強化」(骨子別添)に署名しました。
1.総論・二国間関係
(1)鳩山総理から、日ラオス外交関係樹立55周年の記念すべき年にラオスの国家主席として初めて公式に来日されたのを歓迎する、ラオスはメコン地域の要衝であり、包括的パートナーとして様々な両国関係を発展させていきたい旨述べました。これに対し、チュンマリー国家主席から、日本政府の招待及び日本国民の歓迎に感謝する旨述べました。
(2)チュンマリー国家主席から、今月下旬に秋篠宮殿下及び眞子内親王殿下がラオスを訪問される予定である、天皇皇后両陛下及び皇太子殿下御夫妻にラオス御訪問の招待を行った、総理にも是非ラオスを訪問して欲しい旨招待がありました。これに対し鳩山総理から、秋篠宮殿下及び眞子内親王殿下のラオス訪問は喜ばしい、自分(総理)のラオス訪問については検討していきたい旨述べました。
(3)鳩山総理から、外交当局高級事務レベル会合を立ち上げること、及び5年間でラオスの青少年1200名を日本へ招待することを述べ、チュンマリー国家主席から謝意が示されました。
2.環境・気候変動
チュンマリー国家主席から、ラオス政府及び国民は、希少動物保護や森林保全と言った環境問題に力を入れている、また、気候変動に関するコペンハーゲン合意への賛同を表明する旨述べました。これに対し、鳩山総理から、森林保全に向けた努力及びコペンハーゲン合意への賛同を高く評価する、気候変動に関する鳩山イニシアティブに基づき、気候変動に関する4件の交換公文の署名が本日行われることは、とても喜ばしい旨述べました。
3.経済協力
チュンマリー国家主席から、ラオス政府及び国民は日本のこれまでの価値ある支援に感謝する、日本からの援助はラオスの社会経済発展に役立っており、国民の生活も改善している旨述べるとともに、メコン・ASEAN地域における日本の積極的な役割を評価する、ラオスは地域への統合のための経済インフラ強化を重視している旨述べました。これに対し鳩山総理から、日本からの支援への評価はうれしい、ラオスへのODAを拡充していきたい、また、日本は開発の三角地帯への支援を重視している旨述べました。
4.経済
チュンマリー国家主席から、日本は対ラオスのトップドナーだが、日本の民間企業の投資も拡大させたい、日本と協力して、ラオスにおける投資環境の改善に努めていきたい旨述べました。これに対し鳩山総理から、ラオスにおける投資環境整備のため、政府としても支援したい旨述べました。
5.日メコン協力
鳩山総理から、本年開催される第2回日本・メコン地域諸国首脳会議に向け、昨年の第1回首脳会議のフォローアップをしっかりしていきたい、また、本年6月に日メコン古都シンポジウムを奈良で開催するが、本年遷都450周年を迎えるビエンチャン市長を招待したい旨述べ、これに対しチュンマリー国家主席から感謝の表明がありました。
6.地域・国際情勢
鳩山総理から、北朝鮮情勢に関し、核、拉致、ミサイル問題の包括的解決に向け、北朝鮮と親交のあるラオスの協力を得たい旨述べ、また、国連改革に関し、日本の常任理事国入り及び常任・非常任理事国双方の拡大に対するラオスの支持に対する謝意を述べました。これに対しチュンマリー国家主席から、これらの問題についてラオスの立場に変更はない旨述べました。