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日中韓外相会議(概要)

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平成24年4月8日

  • (写真)日中韓外相会議-1
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 4月8日,午前9時過ぎから約2時間,中国・寧波(ねいは)において日中韓外相会議が開催されたところ,概要は以下のとおり(出席者:玄葉外務大臣,楊潔篪中国外交部長(議長),金星煥韓国外交通商部長官他)。

1.日中韓三国間協力

(1)三国間協力の進捗と今後の方向性

 三外相は,申鳳吉日中韓協力事務局長の出席を歓迎し,日中韓協力事務局が日中韓協力の推進に寄与することへの期待を表明した。

 具体的な項目として,以下の諸点が議論された。

  1. 1)三外相は,日中韓投資協定に関し,実質的に交渉が妥結したことを受け,日中韓サミットでの署名に向けて準備すること,及び日中韓FTA交渉の早期開始に向けて議論を続けていくことで一致した。
  2. 2)玄葉大臣から,東日本大震災の際の中韓両国からの多大な支援に改めて感謝の意を表明した上で,両外相に対し,中韓両国政府が課している輸入規制措置や渡航制限について,最新の状況を踏まえ,科学的合理性に基づく早期撤廃又は緩和を要請した。
  3. 3)玄葉大臣より,翌週(15日)日本が主催する東アジア低炭素成長パートナーシップ対話の成果も活用し,日中韓三か国が連携して低炭素成長の実現に向けて取り組みたい旨を述べ,中韓両国からも賛同を得た。
  4. 4)玄葉大臣より,日中二国間の海上捜索救助協定が昨年末に原則合意に至ったことを踏まえ,海の安全確保に向けて三か国で引き続き協力したい旨を述べた。
  5. 5)三外相は,大学間交流や青少年交流など人的交流の活発化の重要性やエネルギー分野での協力可能性を追求していくことについて認識を共有した。

(2)日中韓サミットの準備

 三外相は,本年中国で開催される第5回日中韓サミットの成功に向けて準備を加速していくことで一致した。

2.地域・国際情勢

(1)北東アジア情勢

 玄葉大臣から,北朝鮮の「人工衛星」と称するミサイルの発射については,仮に発射が強行されれば,明確な安保理決議違反であり,対話の流れに逆行するものである,北朝鮮は発射を自制することを求める等述べた。三外相は本件について突っ込んだ意見交換を行い,北朝鮮による発射の自制を求める最大限の外交努力を継続することで一致し,また,今後も引き続き三か国で緊密に協力していくこととなった。また,玄葉大臣から,拉致問題に対する中韓両国の理解と協力に感謝するとともに,引き続いての協力を要請した。

(2)東アジア地域協力

 玄葉大臣から,東アジア首脳会議(EAS)を地域の共通理念や基本的なルールを確認し,具体的協力につなげる首脳主導のフォーラムとして発展させるべきである,また,東アジア自由貿易圏構想(EAFTA)及び東アジア包括的経済連携構想(CEPEA)に関する研究に留意しつつ,交渉開始に向けて議論を加速すべきである旨を述べた。

(3)国際経済情勢

 玄葉大臣は,欧州債務危機のアジアへの伝播を防ぐために,ASEAN+3におけるチェンマイ・イニシアティブの強化の議論等を通じ,引き続き緊密に協力していきたい旨述べた。

(4)気候変動

 玄葉大臣から,COP17の成果を歓迎し,特に,ダーバン・プラットフォーム特別作業部会の設立等の重要な成果を踏まえ,すべての国が参加する将来枠組みの構築に向けた国際的議論に積極的に貢献したい旨述べ,中韓両国の賛同を得た。

(5)軍縮・不拡散

 玄葉大臣から,次回の2015年のNPT運用検討会議に向けて具体的な行動を進めていくことが重要である旨を指摘した上で,兵器用核分裂性物質生産モラトリアム,兵器用核分裂性物質生産禁止条約の早期交渉開始,核戦力面での透明性の向上及びCTBTの早期発効が重要である旨述べた。また,三外相は,ソウル核セキュリティ・サミットにおいて核セキュリティの強化に向けて具体的進展が見られたことを評価するとの点で一致した。

(6)MDGs

 玄葉大臣から,2015年までのMDGs達成に向けた取組の加速化に加え,2015年以降の国際開発目標の在り方(ポストMDGs)に関する議論について,人間の安全保障,衡平性・格差是正,持続可能性,成長・雇用創出等の分野横断的な要素が重要である旨述べ,中韓両国からもポストMDGsの議論に積極的に貢献していきたい旨の発言があった。


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